「富士登山で軽装の注意勧告を無視する人達の心理について:根底にあるのは力の誇示」
ここ数年の富士登山の世界では、
「弾丸登山」「軽装登山」が大問題視されていて、
マスコミでも何度も取り上げられていました。
専門家が登場して色々語っていますが、
実のところ私的には「的外れな見解のオンパレード」に感じていました。
この問題では何度か似たようなアプローチをしていましたが、
ようやくまとまったので改めて書いてみたいと思います。
それが掲題にあるように「力の誇示」です。
マスコミに登場する多くの専門家はほぼ例外なく「無知」に原因があるとしています。
しかし現地での忠告を無視する人達が続出しています。
吉田ルートにおける厳しい規制(通行出来ないようにする)により、
弾丸登山が大幅に減少したのは良いのですが、
実は2024年の夏期の富士登山においては、
死者9人、遭難者69人であり、
「例年よりもかなり多く」、今年の日本国の夏期の登山においては、
日本で最悪の遭難者が出たのは外ならぬ富士山でした。
富士登山における一番の遭難理由は、
他の山における道迷いとは違っていて、
疲労により身動きが出来なくなる、です。
凄い軽装で来て適切な装備がなく身動きが出来なくなる、と。
あるいは元々体力不足だったのか。
もちろん根底に無知があるのは確かなところですが、
もし本当に無知だけが原因であるならば、
現地で専門家が指摘したら間違いなく改めます。
危なかったな、と。
しかし改めないで強行する人が非常に多い現実があります。
以前見た特集番組では、何度か書きましたが、
インド人の若者5人組が取り上げられていました。
恐ろしいまでの軽装で来ていて、
番組スタッフが危ないと指摘しても、
「オレ達はインド人だ。寒くない」
と言い張り強行していました。
確か七合目くらいで暴風雨に遭い、
彼らの100均雨具は数秒で木っ端微塵に。
15分後くらいには低体温症が進行して泣きを入れる事態に。
「まさか富士山がこんなに寒いとは思わなかった」と。
この原因は無知ではありません。
根本的なところにある「力の誇示」です。
そう考えないと意味が通りません。
何故強行するのか。
もちろん無知もありますが、
それ以前の問題で、
敢えて軽装で臨む事により、
オレ様は強いんだ、と言う力の誇示をしたい心理にあり、
当ブログでは何度も書いております。
いわゆる「オレ様一番系の人達」により巻き起こされている、
と思った方がいいです。
インド人のセリフの、
「オレ達はインド人だ」
に意味があります。
これは、
オマエ達日本人みたいに弱くないんだよ、
と言う意味があります。
オレ様一番系の人達の心理の根底にあるのは、
「自慢」です。
オレ様が優れていると常に示したいので、
そのためなら何でもします。
富士登山の現場で強行するなど、
むしろその種の人にとっては願ってもない事です。
むしろ非常に目立つので、
自分の優位を示せる絶好のチャンスなのです。
オマエ達は危ないと言うが、
オレ様にはどうって事ないんだよ、と。
まあ、中には本当に一番な人もいますが、
そんなのは1000人に1人くらいであり、
99.9%の人はオレ様一番系の無知&非実力者です。
(サブ3ランナーとか現役アスリートなら本物ですが)
だから日本で一番危険な夏山は富士山になる、と。
これが本当に危険な日本アルプスやら丹沢やらだと、
富士登山のように目立たないし、
非登山趣味人には自慢のしようがないため、
(自慢しても、どこそれ?状態)
余り問題にはなっていないようです。
余談:登山をしない人に槍ヶ岳とか奥穂高岳とか言っても、
ほとんどの人は場所も山の形も分かりません。
へー、くらいです。
このマニアックな感覚はオレ様一番系の人には面白くありません。
自慢にならないからです。
だから行かない、と。(笑)
物凄く目立つのは富士登山だけに、
オレ様一番系はここぞとばかりに集結する、と。
オレ様一番系は確信犯なので、
説得は非常に難しいです。
無知だけならこうも問題にはならないかと。
そんな事を思っている今日この頃です。
余談:
登山界においてオレ様一番系は本当に危険な存在です。
「富士山?あ~簡単簡単」などと普通に言います。
「地図?雨具?要らない要らない。オレ様はそんなヤワじゃない」
くらいに思っている連中なので、
説得は出来ないし、いたら最後、無視しておかないと危険です。
平気で危険エリアに入り込んで行き、
人も巻き込んで来ます。
同行など絶対にしてはなりません。
遭難事例を読んでいると、
この種の人によって巻き起こされる遭難はかなりあります。