天竜川の源となる諏訪湖のほとりにあり、うなぎの収穫量、消費量の多い長野県岡谷市のうなぎ店などで結成された「うなぎのまち岡谷の会」が1998年に制定。
夏の土用丑の日と同じように、冬の寒い時期にもうなぎを食べて健康とスタミナを増進しようという新しい食文化です。最初は「岡谷・寒の土用の丑の日」と称していたこのイベントは、現在では全国で行われるようになり、「寒の土用丑の日」として定着しています。
「寒うなぎ」と呼ばれるこの時期のうなぎは、夏のうなぎとは一味違った魅力があります。寒い水温で育ったうなぎは、身が引き締まり、脂ののりも抜群です。香ばしく焼き上げられたうなぎは、外はパリッと、中はふっくらとした食感で、口の中でとろけるような味わいを楽しめます。冬のうなぎは、脂や栄養を蓄えることでおいしさが増し、ビタミン群、ミネラル、カルシウム、そして必須脂肪酸であるDHAやEPAを豊富に含んでいます。
岡谷市のウナギ料理は独自性があり、関東と関西の両方の特徴を持っています。裂き方は関東流の背開きで、焼き方は関西流に蒸さずに炭火でじっくりと焼き上げるため、皮はパリパリで中はふっくらという絶妙なバランスが生まれます。甘辛く濃厚なタレがその味を一層引き立て、一度食べれば忘れられない印象を残します。