ドイツ経済省10月経済月報のエッセンスは以下の通り:
- 経済低迷が続いており、Q3(7-9月期)実質GDPもマイナスに終わる可能性が高い(Q3GDPナウキャストは前期比▲0.4%)。年後半の景気回復は期待できそうにない。
- 製造業が相変わらず弱く(Q3鉱工業生産前期比▲1,4%)、サービス業の勢いも失われ始めている。
- 単月のブレを均した6~8月の3か月平均平均で見ると、製造業受注▲3,9%、鉱工業生産▲4.5%、小売売上▲0.2%、輸出▲1.2%といずれも冴えない。
- 個人消費は雇用不安、地政学的リスクに対する懸念、インフレに対する生活防衛などのため回復が遅れている。
- インフレはべーシス効果(昨年のエネルギー高の反動)のおかげで9月に+1.6%まで低下したが、今後はその効果が薄れるため上昇が続く見込み。
- 就業者数が久々に減少に転じるなど、労働市場は予想以上に悪化。
- 企業倒産件数もコロナ対策の効果が薄れた後は増加傾向が続いており、コロナ前の水準を上回っている。
<主要データ一覧>
ドイツ経済の現状とドイツ経済当局の問題意識を確認する上では、毎月月央から下旬にかけて発表されるドイツ経済省経済月報(本件)と以下ドイツ連銀月報経済分析部分の両方を確認(定点観測)することを推奨。