以下、ドイツ連銀月報2024年10月号掲載の論文(下添リンク先)のエッセンス5点:
①海外からのドイツへの対内直接投資は急減速。(明確な因果関係は証明不能ながら、おそらく)エネルギー価格の割高さなど、産業立地上の国際競争力低下が原因。ドイツ銀行業界は「他国からドイツへの直接投資は崩壊」とコメント。
②海外からの直接投資獲得競争で、ドイツはフランスやスペイン(など他のユーロ圏諸国)に比べて劣勢に立たされている。
③ドイツから海外への対外直接投資は増加継続。米国向けとユーロ圏向けが中心。対内直投動向と併せて考えると、産業空洞化が懸念される。
④エネルギー集約型製造業の対米、対ユーロ投資が大きいので、こちらもエネルギー価格のせいである可能性が高い。中国向けはこれら②地域向けに比べると相対的に小さい。
⑤ドイツから中国向け対外直接投資は増加。但し、自己資本投入金額が現地収益の再投資金額を下回っており、その差額分、実質的な資本引き揚げ(デリスキング進行)が読み取れる。ドイツ連銀は「今後10年は国際分業の転換点(ドイツ経済の正念場)」とコメント。
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