本日また2件(ifoとIMKから)ドイツマイナス成長予想が出ました(上表緑枠)ので、これで今月発表された9つの予測すべてがマイナスということになりました。
①ifo研
- ドイツ経済の景気後退からの脱却はゆっくりとしか進んでいない。
- 就業者数の増加は、2022年約59万2,000人とハイペースだったが、2023年には37万7,000人、2024年には12万1,000人へと減速する(減るわけではない)。
- 今年の財政はインフレ対策関連支出のおかげでまだ拡張的ながら、措置のほとんどが来年に期限切れとなるので、その後は緊縮的(景気抑制的)となる。
- ECBは7月の理事会で25bp利上げした後、しばらくこの水準で据え置き、来年夏からゆるやかな利下げに転じる見込み。
- 10年物独連邦債利回りは(現在の2.4%から)2.8%まで上昇し、その水準にとどまる。
- 予測に対するリスクは、ウクライナ戦争とインフレの状況。
●ドイツの実質GDP軌道~Q2からわずかに前期比プラス
●ユーロ圏の実質GDP軌道~今年+0.6%、来年+1.3%
②IMK~労働組合傘下:ハンス・ベクラー財団のマクロ経済・景気循環研究所
- マイナス成長の原因は、個人消費の低迷、政府消費の落ち込み、建設投資の大幅減少、貿易の低迷など。
- ガス・電気価格のブレーキなどの政府支援策が奏功し、インフレは低下に向かう(今年のCPI予想5.3%は今月発表された9つの予測中最低)。
- 2024年中にはECBのインフレ目標2%に大分近づく見込み。
- 全体的に経済が軟調にもかかわらず、労働市場は引き続き堅調推移見込み。
- 予測に対するリスクは、ウクライナ戦争、米中対立、エネルギー価格上昇、金利上昇。
●一人当たり賃金予想は今年+3.6%、来年+3.9%と他機関(+5%程度)比低め。