昨季ソフトバンクが投手陣を立て直せた理由は何だったのか？　今季本気で優勝狙う楽天のヒントになるかも

2025.01.07

昨季ソフトバンクが投手陣を立て直せた理由は何だったのか？　今季本気で優勝狙う楽天のヒントになるかも

数日前のこのブログで、私は今季の優勝チ－ムは、大方の予想とは違って『楽天イ‐グルス』と書きました。
勿論、その思いは今でも変わりませんが、かといって楽天優勝が簡単に楽にできるものだとも考えていません。一番の懸念点は、２年連続でリーグ最悪だった投手防御率を、リーグ上位のレベルまで改善できるのか、という一点にかかっていると思います。
勿論、打撃陣の一層の奮起とレベルアップ、特に長打力の向上はぜひ達成してもらいたいですが、どんなに打撃アップしても現在のソフトバンクレベルには届きませんから、先ずは投手陣の整備がマストです。

前のブログでも書きましたが、ソフトバンクはチ－ムの投手防御率を23年の3.27（リーグ4位）から24年には2.53（リーグ1位）にまで改善することが出来ました。先発防御率は3.63=>2.50、救援防御率は2.68=>2.58ですから、先発陣の踏ん張り、底上げ、抜擢が大成功したのでしょう。

では、ソフトバンクは一体どのようにして先発陣を立て直すことが出来たのか、自分なりに納得のいくまで調べていきたいと思います。

ソフトバンク主要先発投手2023と2024の成績です。
　　　　　　　　2024年　　　　　　　　　　2023年　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　勝　負　防御率　回数勝　負　防御率　回数　

有原 14 7 2.36 182.2 10 5 2.31 120.2
モイネロ 11 5 1.88 163 救援
スチュワート 9 4 1.95 120　　　　 3 6 3.38 77.1　
大関 8 4 2.50 122.1 5 7 2.92 104.2
石川 7 2 2.56 63.1 4 8 4.15 125.2
大津 7 7 2.87 119.1 救援
東浜 3 2 3.38 56 6 7 4.52 99.2
和田　　　　　2 2 3.76 26.1 8 6 3.24 100 　
勝利トップ6　56 29 2.31 770.4 　  36 39 3.40 628.1

有原、スチュワート、大関、石川（救援でも活躍）は23年よりトータルで16勝も勝利数を上積みしているし、モイネロと大津は先発転向1年目ながら合わせて18勝しました。23年にチ－ム勝ち頭の2番手和田と3番手東浜が不調だったにもかかわらず、です。
両年の勝利数トップ6で比較すると、勝ち数でプラス20（36=>56）、防御率では何と1.09も改善させることに成功しています。このトップ6全員が防御率３点以下というのも、シンプルに凄いですね
同時に、平均年齢も2.8歳引き下げ若返りにも成功しています。
やはり投手層が抜群に厚い、ということが一番の要因でしょうか。

さて一方の救援防御率ですが、改善幅は小さいですがリーグ１位をキープしました。これについても23年との比較を見てみます。

　　　　　　　　　　24年　　　　　　　　　　　　　　23年　
　　　　　　防御率　セ‐ブ　HLD　回数　　　防御率　セ‐ブ　HLD　回数　　

松本　　　　 2.89 14 23 46.2 2.68 0 25 47
ヘルナンデス 2.25 3 21 48 ------------------------
藤井 1.80 1 19 40 2.33 0 9 69.2
津森 2.13 0 17 42.1 3.51 0 22 48.2
杉山 1.61 1 14 50.3 ------------------------
長谷川 2.49 0 6 25.1 ------------------------
オスナ 3.76 24 5 38.1 0.92 26 12 49
大津　　　　 ------------------------- 2.43 0 13 40.2 　　　
モイネロ ------------------------- 0.98 5 13 27.2
甲斐野　　　　-------------------------　　　 2.53 2 8 42.2

抑えを含めて救援投手上位７投手を抜き出したんですが、実はこれ以外にも防御率２点台が何人もいます。ソフトバンクというのはそういうチ－ムなんですね。救援陣の層が本当に分厚い！

これは投手陣の成績だけですが、それだけでもソフトバンクの強さの秘密がわかるというもんです。
今季の楽天が、昨季のソフトバンク並みに先発投手陣と救援投手陣の底上げと改善、抜擢が出来るのか、かなり微妙ではありますが、優勝宣言をした手前、なんとかしたいですよね。

ここからは半分お遊びです。　分かり切っていることなんですが、どうしても一目見てわかるようにしたい…ということで次の表を作りました。
先ずは球団別の先発投手（各チ－ム６人）防御率の分布で、球団下の数字はチ－ムの先発防御率です。

他球団と比べて明らかに弱い先発投手陣ですが、今季は特に『薄い』３点台に３人くらい入らないと、それに２点台にもう一人入らないと優勝なんてできませんね。
内には２点台に、病み上がりの荘司と２年目古謝は３点台に、新戦力のヤフ―レ、ハワ－ド、徳山は2-3点台に入ってもらえるような活躍をしてくれれば（かなり楽観的な予想ではありますが）、今の野手陣の攻撃力でも上位や優勝も十分望めると思います。
そう言えば今季は先発グル－プらしい、西口の復活はあるだろうか？　個人的には救援が良いと思うけど…。

先発とくれば今度は救援投手です。
次は球団別の救援投手（各チ－ム10人）防御率の分布で、球団下の数字はチ－ムの救援防御率です。

　　　

先発投手と似たような分布ですね。
防御率３点未満の投手の数が他球団と比べて少なすぎる…。
救援防御率の上位４球団は、防御率３点未満の投手が６人以上いるのに対して、楽天は最少の４人しかいません。
逆に防御率５点以上の投手を使っているのは、救援防御率が下位の３球団のみで、楽天には３人もいました。昨季の弓削について「よくやった」なんてコメントを見ることがありましたが、どうにもやりきれない気持ちになったもんです。今季も弓削を使わざるを得ない投手事情ならば、優勝どころか上位も難しいかもしれません。

鈴木、藤平、酒居に続く投手があと３人は欲しい。
渡辺と則本は、今季は良くなると思います。
新加入の加治屋、柴田がどこまでやれるか？　勝ちパタ―ンに続くグル－プに入ってくれるか？
昨季はとんでもなく酷かった西垣、津留崎なんかは、新球でもマスタ－しない限りはやっていけないだろうなあ。そういえば津留崎はフォークを習得するんだったか？
新人の中込や江原が１軍で投げられる機会があるだろうか？
２年目の坂井、日当、松田が頭角を現してくれないだろうか？
タ－リ－はどうでしょうか？　しっかりストライクを放れるか、本人に訊いてみるしかないですかねぇ

最後の方は段々と希望や期待、いや不安になってしまいました…。

「今季は優勝は楽天だ」とか「SB並みの投手防御率に改善」などと、大口をたたいたのが本当に恥ずかしい…。それ程今の楽天投手陣は良くないです。
なので、新戦力の活躍は勿論ですが、現有戦力の大幅な底上げは絶対に必要です。それが無ければ『優勝』は勿論のこと、『Ａクラス』だって危ないかもしれません。

まあ、23年は４位だったソフトバンクも、昨季には投手陣防御率を飛躍的に改善して優勝した訳ですから、楽天イ‐グルスだって出来ない訳はありません！（攻撃力は敵いませんが…）
自主トレ、キャンプでの全選手の頑張りと成長を期待しながら、ビール飲みながら楽しんで成り行きを見ていきたいと思います。