[ケツロッティの目]
「怒るべき時に怒れない人間の人生は、時にみじめなものである」誰かの遺したそんな言葉を想起させるのが、今回ご紹介するレレア「ゲキオコオコジョ」の姿である。このレレア、怒りを忘れた我々現代人に警鐘を鳴らすかのように、朝目が覚めたといっては怒り、エサが取れなかったといっては怒り、毛づくろいがうまくいかなかったといっては怒る、というように観察者が呆れるほどとにかく常に激怒しているといわれる。私などはこのレレアを見ていると、動物学者になるために学んだ若き修行時代、師匠にあたる教授に毎日メチャクチャ怒られすぎて、もしかして逆にほめられているんじゃないかという妄想を抱くまでに追い込まれたことを思い出す。そんな悲惨な時期に感じた苦しみや悲しみも、今では分かちがたい自分の一部である。