なんてことのない日々

つれづれなるままに、思ったことを書きましょうかね。凝った構成はやりません。インデックスとか。そんな時間はかけたくないので。ほぼプレーンテキストでやっとります。肩のこらない書き方をしている結果、肩のこらない読み物になってるかな。あまり強く批判めいたことは書いてないつもりですが、好きなモノ・コト・人を悪く言ってたらゴメンナサイ。個人の感想です。読み飛ばしてください。

【映画】「ドリーム・シナリオ」鑑賞

 前日、12月1日はかつて映画の日と呼ばれていた日。今はファーストデイが多いですかね。なんか、1,300円くらいが相場のところ、なぜか1,000円で観られました。あれ?おかげで映画館に1時間前に着いたのにラスト1席でした。150席くらいのシアターの2列目の、真ん中目。見上げるように映画を観るのは久しぶりだな。意外と大丈夫でした。

 アリ・アスター監督作と思ったら今回は製作なんですね。まぎらわし。またA24ですよ。まいったな。これは「ミッドサマー」も観なけりゃいかんか。「ボーはおそれている」の続編を作っているとかいないとか。もはや怖いもの見たさの領域だな…

 それでは、例によってネタバレ含みます。

 動物の行動研究をしている大学教授のポールは冴えないやつながらも2人の娘と愛妻のいる家庭を築いている。

 下の娘の夢に出てきたポールは、娘の体が浮き上がっていくのに助けようともせずただ見ているだけ。
 時を同じくして、受講生の間でもポールが夢に出てくることが話題になっている。やがて、ポールと面識のない人々の夢にも出てくることが明らかに。テレビ番組の取材を受け、プラットフォーマーとの打ち合わせを経て、(本人望むものと思えないけれど)夢の出版の道も開けた。

 プラットフォーマーの1人、ミアと飲んだ結果、ミアが見た夢ではただ見ているだけではなく”ヤッた”、それがとても良かった、ということで夢を再現してほしいとミアの自宅に誘われる…

 このあたりから夢に出てくるポールはただ見ているだけのおじさんから、悪夢の象徴に。殺人、レイプ、拷問…
 トラウマになる、と人気だった講義もガラガラ、外で食事をしていれば出て行ってほしいと言われ、娘の学校の演劇会でも「子供が不安になるから観劇は避けてほしい」と言われるように。

 ポールはポールで自分が何もしていないにもかかわらず他者が拒絶するようになり徐々に態度を硬化。「謝罪するべき」という意見にも耳を貸さなかったが自分も悪夢を見たことをきっかけに謝罪動画を配信。だが、その内容が自己中心的と家族からも非難される。追い詰められたポールは止められていた娘の観劇をしに学校の体育館に行き、担任との押し問答の末、故意ではないがけがを負わせてしまう…。

 ん~、夢に出てくるだけでこんな扱いされるか?とも思うし、こんな風になってしまうかもな、とも思う。
 怖いとか不安は思考をシャットダウンしてしまうところがあるもんな。放射能(正しくは放射線)とかワクチンとか恐怖・不安は科学的観点をいとも簡単に吹っ飛ばしてしまう。(憲法改定がいいって言ってるわけではないけど)憲法9条だって、そのワードを出しただけで「NO」となる人がたくさんいる。
 脱線した。周辺のリアクションはわからなくもないけど、現実に何もしていないポールの車に”LOSER(ひどいやつ)”と落書きするとか、「食事が終わったら出ていく(と言いながら本読んでるけどな)」というポールの食べているものに唾をかけるとか、他者の方もひどい。ポールはポールで「それはやっちゃいけないでしょ」という逆張りばかりしていく。映画でよく見る頑迷な、態度を硬化させる人物だがリアルでもみんなあんな風になるのかな?アメリカ人。ポールも同級生の家に夕食に招かれて行った際もポールの悪夢を見るようになった先方の妻が中座したにも関わらず食事を続けようとするあたりに融通のいかないところが描写されている。まあ、どっちもどっちというところかな。
 それはおいといて、「謝罪をするべき」って、夢に出てきた自分が勝手にしていることについて何を謝るっていうんだろうね。「勝手に夢に出てすみません、夢の中で皆さんを恐怖に陥れてすみません」かな?それで満足するものでもないと思うけど。

 ここで映画は妙な方向性に。集団(世界)でポールの夢を見るというムーブメントは次第に収束。職場の大学とは示談金で話がついたポールは、研究のそれではないが本を出版(っていうかプラットフォーマーとまだ繋がっていた!)。そのツアーで世界を回る。奥さんとは別居。子供に新しい家の内覧をさせているが、これは子供がたまに泊まりに来るということかな。

 ポールの事件をきっかけに、他人の夢に入るというデバイス”norio”が開発されている。インフルエンサー感満載の子たちがそのPR動画に出てくるが鼻持ちならない~(笑)機械買ってまで他人の夢に出たいか?そして張本人のポールまでそれつけているのが可笑しいな、と思っていたら、まだ人気者だった頃、ポールの夢を見ない妻との会話の中で出てきた夢のシチュエーションで妻に会いに行くポール。

 これは「アイズ・ワイド・シャット」とか『ねじまき鳥クロニクル』とかのように「えんえんと色々なエピソードが繰り広げられるが一言で言ってしまえば妻が大好き」ということだろうか(多分)

 動物の講義の中でポールは目立たないことのメリット=群れは襲われない、逆に目立つことのメリットとデメリットに言及している。まさか、自身の将来の暗示であったか…

 展開が読めず、面白く観た。ニコラス・ケイジ、かつてはアクション俳優だったのにいつの間にかこんな渋い作品やるようになったのだなぁ。巧い。パンフレットは売り切れていました。7.5/10。大阪ステーションシネマ、ファーストデイにて。

 今年は10年以上ぶりに11本観ています。最終週ですが間に合えば「動物界」も観たい。「シヴィル・ウォー」は控えましたがA24作品が多かったですね。変な映画しか刺さらない変態に進化しつつあるよ…(笑)

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