英検1級を圧倒したこの一冊【77】わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 | ひとときのときのひと

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広告業界で鍛えたから、読み応えのある文が書ける。
外資系で英語を再開し、アラカンでも英検1級1発合格。
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そんな人間が、ためになる言葉を発信します。


まずは英語から。

 ここでは、英検1級1発合格術にこだわらず本ブログ筆者が見つけた注目の1冊、必読の数行を紹介しています。

 

 第77冊目は

 です。

 

 この本では、まとまった文章を読むときのいわゆる「読解力」や「理解力」が十分に発揮できない場合における、「わかったつもり」の思い込みが持つ危険性を指摘し、その克服法を探る一冊です。

 

 本ブログ筆者は、この本が出版された数年前に購入し読了しました。確かに得るところが少なくはありませんでした。

 

 特に文例として出てくる「正倉院の宝物」をめぐる文章読解においては、まんまと「わかったつもり」になってしまうぎりぎりでそこから脱することはできました。

 

 その意味では、一度は読んでもいい本なのかもしれません。

 

 しかし、二度三度読んでもためになるかどうかまでは、言い切れないと思います。やや、実力以上に騒がれ過ぎという感じがします。

 

 その理由を二つ挙げてみたいと思います。

 

1,理論的な部分と実用的なアプローチが混在している。

 一言で言えば、どっちつかずのノウハウのんです。確かにいくつかの文例と「わかったつもり」になってしまう落とし穴が紹介されていますが、ではどうやってそこから抜け出すかについての手がかり紹介が物足りません。

 

 いいかえれば、「わかったつもり」に陥る危険性に気づく大きなきっかけにはなりますが、技術的にそれを克服する手立てがそれほど提示されていないのです。

 

2,「わかったつもり」に陥ってしまうのは必ずしも「文脈」に引き寄せられるからではない。

 

 文章を読んでいわゆる誤読をしてしまったり、誤読しているのに「読めている」と信じ込んでしまう。その原因は、たとえば、読者の語彙不足に原因があったり、あるいは論理的過程を追うことが不得手である点に原因があったり、と様々なはずです。

 

 しかし、この本はそういったいわば、語彙力増強や論理力向上を含めた全方位的な読解力の向上という点では、やや物足りなさを感じてしまうのです。

 

 とは言え、このような欠点があるものの、一度は手に取って、こんなにも「わかったつもり」になってしまうケースがあるのだ、と知ることは、無駄ではありません。

 

 日本語の読解を前提にしていますが、英語読解に関しても参考になります。

 

 この本をまずひとつのきっかけとして読んだ後に、語彙力や論理力に関する他の本を手に入れて、読解力強化につなげることをおすすめします。

 

 以上、参考書に書かれていないかもしれませんが、圧倒される本を求めている方の参考になれば、幸いに思います。

 

 

 

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