はじめに
少し前になってしまいましたが、基礎工事が無事終わりました。 今回は、基礎工事の流れを紹介します。
積水ハウスの基礎の特徴については、こちらもあわせてご覧ください。
building-dream-home.hatenablog.com
工事の流れ
地縄張り
実際の敷地に縄を張り、建物の位置を確認します。地鎮祭を執り行う場合、そのタイミングで地縄張りが終わっており、現場監督と一緒に確認します。
トレンチを用意
トレンチは基礎を準備するための細長い溝です。布基礎の場合、基礎はこのトレンチの中から立ち上がるように設置されます。
- 掘削工事:基礎の底となる地盤まで土を掘り起こします
- 砕石敷き:地盤を固めるため、砕石を敷き詰めます
- ランマーによる転圧:ダンピングランマーなどを使用して砕石をしっかりと転圧し、地盤を安定させます
- 捨てコンクリート打設:作業を進めやすくするため、薄いコンクリート層を流し込みます
鉄筋組立て・型枠設置
格子状に鉄筋を組み立て、コンクリート打設用の型枠を設置します。鉄筋は工場溶接が主流で、積水ハウスも工場溶接です。このため品質が確保しやすい上に、現場での工期が大幅に短縮されます。
積水ハウスの型枠は、メタルフォームと呼ばれる金属製で再利用可能な型枠です。積水ハウス自慢のデザイン基礎は、この型枠の表面の掘り込みで形作られます。
写真では金属製の型枠に加えて、上部にアンカーボルトの位置を決めるために使用する金属製のプレート(アンカープレート)が設置されています。写真では良く見えませんが、型枠の中には既に鉄筋が配置されています。
トレンチ作りからここまでに1週間を要していました。配筋検査はこの段階で行います。
基礎コンクリート打設
配筋検査が終わると、いよいよ基礎コンクリートの打設です。
コンクリート中の水とその他成分の比率は、コンクリートの質や作業の精度を決める重要な要素です。水が多いとコンクリートが弱くなり品質基準を満たせなくなる一方で、水が少ないとコンクリートが型枠の中で流れにくくなり、型枠のなかで隙間ができてしまったりします。
このため、雨の日はコンクリート打設を実施できません。我が家の場合、幸いにも天候に恵まれ、予定通り施工されました。
コンクリートは工場で混ぜ合わせられた後、できるだけ早く施工しないと固まってしまいます。このため、打設作業は時間との勝負です。コンクリート打設は一日で終了します。
積水ハウスの基礎は一度打ちなので、これで基礎コンクリート打設は終了です。
養生・型枠除去
コンクリートが固まるまで養生し、その後型枠を取り外します。型枠が外せるぐらいまで固まるためには、水分がある程度蒸発する必要があります。このため、気温が高い夏と冬では必要な養生期間が異なり、夏は3日以上、冬は5日以上が目安です。
急速に乾燥してしまうとひび割れ(クラック)のリスクが高まるため、上からブルーシートを被せて湿度を保ちます。
養生中は雨が降っても問題ありません。むしろじっくりと乾燥・固化が進むことで、基礎にはメリットがあると営業担当に言われました。養生期間中は現場に人がいませんでした。
私たちの基礎工事は6月でしたが、コンクリート打設が月曜日、型枠撤去が金曜日と養生期間は4日間でした。これで、基礎の主要部分は完成です。
なお、二度打ちをするハウスメーカーの場合、この後にコンクリート打設・養生のサイクルがもう一回入ります。
下の写真は型枠を外しているところです。
配管作業
基礎作りと並行して、上水・雨水・汚水の配管作業が行われていきます。
防湿コンクリート打設
私たちは布基礎なので、線で結ぶ基礎ができた後も、床の部分の大半は土が剥き出しのままです。15年以上前に建築したラクダの実家もそうですが、かつてこの土間の部分は土が剥き出しのままでした。既定でも防湿シートさえ敷いてあれば良いことになっています。
しかし現在は防湿シートを敷いた上に、防湿コンクリートを流し込んで土を完全に覆ってしまうのが一般的です。この防湿コンクリートには鉄筋が入っていません。厚みもベタ基礎のスラブは15cm以上あるのに対して、10cm以下です。基礎の部分との継ぎ目も埋まっているように見えて、完全には接合していないはずです。このため、家屋の重さを支える基礎としての役割は全く果たしません。
防湿コンクリートを流し終わり、ほぼ基礎が完成した段階が下の写真です。
こちらの写真をみると、配管の場所もよくわかります。
まとめ
今回は私たちの工事現場で見たことを中心に基礎工事の流れをまとめました。布基礎とベタ基礎、一体打ちと二回打ち、土台あり・なしなど、ハウスメーカーの仕様・工法により若干手順は異っても、大きな流れはハウスメーカー共通ではないかと思います。皆様の参考になれば幸いです。