趣味で仕舞をしています。熱心に稽古しているとは言えないためあまり上達しないままなので、とても分かった風なことをいえる立場ではないのですが、明るくお目出たいものや酒に関する曲が好きです。
酒に関係する能には、酒そのものや、酔い、宴会をテーマにした曲があるのですが、能の中でも明るくお目出たい雰囲気を持つものが多いと言えます。以下に酒に関する主な能の曲を簡単にご紹介します。
1. 猩々(しょうじょう)
中国の揚子江に住む「猩々」という酒好きの精霊が、親孝行で清廉な酒売りを気に入り、どんなに飲んでも尽きることのない酒樽を与えます。猩々が酒を飲み踊る様子が軽快で、ユーモアと祝祭的な雰囲気が楽しめます。
2. 翁(おきな)
能の中でも特別な曲で、神聖な儀式的性格を持ちます。直接的に酒がテーマではありませんが、豊作や祝宴の象徴的要素が含まれる点で、酒との関わりを感じることができます。
3.菊慈童(きくじどう)
幼少のころ帝の怒りを買って山奥に追放された慈童が、不老不死の力がある菊の露を飲んだことにより、数百年もの間若さを保ち生き続けます。直接的に「酒」という言葉は使われませんが、菊の露を通じて不老不死や祝福、仙酒的な要素が描かれており、酒と深い関係があると言えます。また、舞や詩的な表現を通して、酔いの感覚や喜びを間接的に味わうことができる点もこの曲の魅力です。
4. 西王母(せいおうぼ)
中国の神話に登場する西王母が天界の酒宴で不老不死の酒を振る舞う場面があり、酒が重要な役割を果たしています。神々の世界での酒宴や祝福を描いた壮麗で神秘的な雰囲気をもつ曲です。
分かりやすい喜びを表現するものから神秘的な象徴としての酒まで、それぞれ異なる視点から酒や宴の喜びを描いた魅力的な曲が多々あります。
私の今年の舞い納めは猩々でした。
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