前回の話のつづきです。軽い気持ちで参加したワークショップ。そこで、予期せぬ方向に会話が展開し、その時すでに他界していた私の父と私との関係性が浮上してきます...



 

*小型ポニーのフルーと大きいアンジー(イメージです)

 

その話の流れの変化に、私は半ば戸惑いを感じながら、予期しなかった感情があがってくるのを、オランダ語でどうやって勘違いが生じないように説明するかを、左脳フル回転で考えながら話していました。

 

その会話の中から、「愛」というキーワードが出てきたので、参加者の中から女性がひとり、私の正面から5mほど離れたところに、『愛』の役割として立ちました。そして、それとほぼ同時に、小型ポニーのフルーが来て、その人のうしろにピタッと立ったのです。

*フルーも「愛」の役割を担います

 

それに気がついたのも束の間、私は予想しなかった会話の展開に、まだ焦りを感じながらしゃべりまくります。私の気持ちを必死に説明しようとしていたのです。その会話から、もう一つのキーワードが出てきました。それは『罪悪感』です。参加者のうちの一人が『罪悪感』の役割として、私の背後5mほどの所に立ちました。

その時の大型馬のアンジーの動きは、とにかく敷地内を右往左往、ウロウロと落ち着かぬように小走りしまくっている状態でした。

 

*私の感情に反応するアンジー

 

私はカトリーヌの誘導的問いに答え続けます。私の頭の中は「一体これはどういうこと?なんで私とお父さんの話になってるわけ?」とごちゃごちゃの状態でした。そんな中、カトリーヌの一言ではっと我に返ったのです。彼女は言いました。

「あなたは眼の前の愛をちゃんと受け取れてますか?」気がつくと、『愛』の役をしていた人のうしろにいた小型馬のフルーが、私に近づいて、眼の前に立っていたのです。左脳フル回転で、「論理的に、正しく、誤解されないように」と、そんなことばかり考えながら話し続けていた私は、フルーが、つまり「愛」が近寄ってきたのにも関わらず、それに気が付かなかったのです。

 

その瞬間、私の中で何かが大きく崩れ、私は沈黙しました。「何しているんだろう、私。何をそんなに必死になって弁明しようとしているんだろう...

カトリーヌが言います。「振り返って、あなたの背後にいる『罪悪感』と向き合ってみて。その感情はまだ必要ですか?」

そう言われて振り返った途端、私の目から涙が出ました。私は何故か、父の死に関して、ある種の責任というか、罪悪感を感じていたのです。それに気づいて、悲しくなりました。

 

 

そしてその場で、異次元のことが起こりました。それまでずーっとウロウロと落ち着かなく小走りしていたアンジーが、右方向から勢いよく走り寄り、私と『罪悪感』役をしていた人との間に来て、ぴたりと止まったのです。アンジーはゆっくりと頭を私の方向へ向け、そしてまるでスローモーション映画を観ているかのような速度で、私の方へ歩いて近づいて来ました。そして私よりずっと大きいアンジーは、彼女の頭と首を私の頭の高さまで下げ、まるで私をハグするように、私をすっぽりと包み込んだのです。私は気がつくと、声をだして目幅で泣いていました。私もアンジーをハグしました。

 

 

その日から、私は父の死に対する原因不明の『罪悪感』を手放し、頭で考えてばかりでいないで、もっと自らの感情や気持ちに耳を傾け、それを感じることにしました。カトリーヌ率いるアンジーとフルーが教えてくれたことから、無意識に感じていた不必要な感情を手放し、気持ちも体も軽くなり、癒やされたのです。

 

馬も猫も、動物たちは人の感情やエネルギーに想像以上に反応するということを、愛猫シャルルとショコラが毎日思い出させてくれます。そして人と人同士も同じだな、と思い出させてくれます。シャルル、ショコラ、ミラ、ジョエル、ジャンルック、ありがとう。

 

 

 

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