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振り返れば一筋の人生|人生は壮大な伏線回収ドラマ

人生について

「人生は壮大な伏線回収ドラマである」
生きていくと色々な出会いや経験を重ねていく。
そして、その中にはまさしく必然と思えるような出来事がいくつもある。
そういった出来事に触れるたびに、「あの時の体験が繋がっているんだな」という気持ちになる。
これを世間では「伏線回収」ともいうが、人生はまさにノンフィクションの壮大な伏線回収ドラマといえる。

いつの間にか戻ってきているもの

あなたの人生の中で、「いつの間にか戻ってきていたな」と思うものは何かあるだろうか。
私にとって、これは馬だったり、マインドフルネスだったりするのだが、こうした「いつの間にか戻ってきてしまうもの」は、自分の人生にとって大きな魅力を持つものであるといえる。
そして、一度離れたあとに再び戻ってくることで、見える世界が違っているという現象も生じる。
様々な経験を通して、成長したあとには、同じ場所に戻っても見えるものは変わっている。
一つ一つの経験が、私たちの人生を広げてくれるものとなる。

空白の3年間を超えて|林修氏のエピソードより

「いつやるか?今でしょ」でおなじみの東進ハイスクール講師の林修氏。
東大卒の超エリートだが、その人生は波乱万丈である。
東大を卒業後、就職した銀行を5カ月で退職。その後は起業や投資での失敗、ギャンブルへの浪費などで1800万円もの借金を抱える。
この時期を「空白の3年間」と林氏は語る。
やがて、借金返済のために塾講師のアルバイトを開始する。
林氏は大学在学中にも家庭教師のアルバイトをしていた。先に述べた「いつの間にか戻ってきたもの」である。

僕は本当は、塾講師の仕事って大嫌いなんですよ。塾講師なんて死んでもやるもんかって思っていましたから。でも教えることには自信があった。学生時代から家庭教師を山のようにやっていて、教え方にも定評があった。そのことを知っている人から塾で働いてみないかと声をかけられたんです。
久々に教えたら、やっぱりうまいねと言われて、ずるずると塾のアルバイトをやるようになりました。なにしろ火の玉を背負っていますから。好き嫌いなんて言っている場合じゃなかったんです。

林修さん プロ論 リクナビNEXT

後にも引けない状況もあったが、紆余曲折の果てに戻ってきた場所は、まさに天職だった。
学生時代の経験が、後の功績に繋がった伏線回収といえるだろう。

「点が繋がる」|スティーブ・ジョブスから学ぶ

アップルの共同創業者の一人で、iPhoneなどの生みの親であるスティーブ・ジョブス氏も壮大な伏線回収の人生を生きた人物である。
有名なエピソードとして、スタンフォード大学の卒業式でのスピーチで語られたものがある。

大学中退とカリグラフィーの授業

若い頃、スティーブ・ジョブズは大学を中退した後も、興味のある授業だけを聴講していた。
その中で偶然受けたのが「カリグラフィー(西洋書道)」の授業であった。
この授業では、美しいフォントやタイポグラフィの芸術性について学んだ。
この時点では、ジョブズ自身もこの経験が将来の役に立つとは全く予想していなかった。

マッキントッシュの開発

数年後、ジョブズがアップルを設立し、初のパソコン「Macintosh(マッキントッシュ)」を開発した際、このカリグラフィーの知識が活かされた。
ジョブスは、コンピューターに美しいフォントを組み込むという革命的なアイデアを取り入れた。
Macintoshは複数のフォントと洗練されたデザインを提供し、パソコン業界に革新をもたらした。
ジョブスはこの経験を振り返り、以下のように語っている。

大学時代に先を見て「点を繋げる」ということは不可能でした。
しかし10年後に振り返ってみると、実にはっきりとしているのです。
繰り返します。先に見て「点を繋げる」ことはできない。
出来るのは、過去を振り返って「点を繋げる」ことだけなんです。

感銘を受けた言葉「スティーブ・ジョブズ 〜伝説のスピーチ〜」1/3 東京平版

Stay hungry, stay foolish.

Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。バカであれ。)
スピーチの締めくくりでジョブスが放った有名な一節は、ジョブスが青年時代に愛読していた書籍の言葉であったという。
青年時代の出会いがジョブスの生き方に繋がり、そして伝説として後世に残るスピーチの最も知られる言葉となった。
そんな未来は当の本人も想像しなかったであろう。
まさに壮大な伏線回収である。

「三筋、四筋の道が、振り返ってみればひと筋だった」

書籍『仕事で「一皮むける」~関経連「一皮むけた経験」に学ぶ~』(金井 壽宏著)では、カメラマン山田修二氏の言葉が紹介されている。

「人生には三筋、四筋ある。ただそれが振り返ってみたらひと筋だったというのが僕自身の美学じゃないかと思います。だからそこで筋を通したい。(でも、日本では筋を通すとうるさいこともあるので)あまり筋を通すと窮屈なんだ。三筋、四筋ぐらいに思っていて、最後にひと筋に見えればいいと思っています」

人生には様々な分岐点があり、それぞれの進んだ道が人生を形作っていく。
その道はいくつもの道を歩んだように思えても、後から振り返ると一筋のものに見えている。
紆余曲折ありながら、時には同じ場所にも戻りながら、全体としてひとまとまりの人生を私たちは生きている。

一二三四三二一

仏教の言葉で、「一二三四三二一(いちにさんし しさんにいち)」というものがある。
すべては一から始まり、万物に発展するという壮大なストーリーと、あらゆるものが一に戻っていくという視点を現わしている。
人生は様々な道に分岐しており、様々な広がりを持たせながら生きることとなる。
だが、振り返るとそれはすべて「自分の人生」というものに統合されていく。
三筋、四筋に分かれた道が振り返るとひと筋になっている。
それは紛れもない真実でもあるといえる。

人生は伏線回収ドラマ

本記事で紹介した林修やスティーブ・ジョブスのエピソードはどちらも、人生の困難を体験したが過去の体験をきっかけとして、大きな功績を打ち立てることに成功した。
人生の様々な経験や出来事が、思いがけない形になって、重要な意味を持つことがある。
予測不能な伏線回収ドラマである一度限りの人生を、最大限に生ききるためには、今に全力を注いで生きることが重要ではないだろうか。
「点を繋ぐこと」の重要性を語ったスティーブ・ジョブスも、未来を予測して点を繋げることはできないが、将来その「点」が繋がることを信じて生きることで、人生を変えることができると述べた。
今に全力を注ぐことで、予測もできない未来への扉は開かれるのだろう。



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