発達障害の「生きづらさ」とは?
発達障害は見た目ではわかりにくい障害であり、その特性は一人ひとり異なります。そのため、周囲の人が理解しにくく、本人も「なぜ自分は周りとうまくいかないのか?」と感じ、生きづらさを抱えることがあります。
この記事では、発達障害の当事者が日常生活で直面する困難(生きづらさ)について、当事者目線での具体的な課題を紹介し、その解決策についても考えていきます。
発達障害のある人が感じる「生きづらさ」の例
① コミュニケーションの難しさ
発達障害の中でも自閉スペクトラム症(ASD)の人は、言葉の裏の意味を読み取るのが苦手です。また、非言語コミュニケーション(表情、声のトーン、身振り手振り)を理解することが難しいことがあります。
例:
- 冗談や比喩を真に受けてしまう。
- 空気を読むのが苦手で、場違いな発言をしてしまう。
- グループでの会話についていけない。
管理人も上記の例に当てはまっています。会話については3人以上になるとついていけませんが、自分でついていけるように工夫しています。例えば会話ができなければだまって聞くだけにするうちに少しついていけるようになりました。
当事者の声:
「職場で同僚が『これ、無理だから代わりにやって』と冗談交じりに言ったのを本気にしてしまい、後で『そんなつもりじゃなかった』と言われて傷つきました。」
解決策:コミュニケーションの工夫
- はっきりと言葉にしてもらうことをお願いする
→「言いたいことはなるべく具体的に伝えてほしい」と伝える - わからない時は確認する習慣をつける
→「今のは本当のお願いですか?」など、確認するクセをつける - 自分の特性を職場や周囲に伝える
→「私は冗談を理解するのが難しいことがあります」と事前に伝えると、誤解が減ります。
② 感覚過敏によるストレス
発達障害のある人の中には、音、光、匂い、触覚などに過敏な人がいます。これを感覚過敏といいます。日常生活の中で、他の人には気にならない刺激が、当事者にとっては耐え難いストレスになることがあります。
例:
- 蛍光灯の光がまぶしすぎる
- 電車のアナウンスがうるさくて集中できない
- 人混みの匂いやざわめきで疲れてしまう
当事者の声:
「職場の会議室でエアコンの音が気になり、集中できませんでした。誰も気にしていない音なのに、私だけイライラしてしまい、自分がおかしいのかと思いました。」
解決策:環境を調整する
- ノイズキャンセリングヘッドホンを使用する
→雑音をカットし、集中しやすくする - サングラスやブルーライトカット眼鏡を活用する
→まぶしさを軽減する - 感覚が疲れた時は早めに休む
→休憩をこまめに取ることで、感覚過敏による疲れを軽減する
③ スケジュール管理やタスクの優先順位が苦手
発達障害の中でも**注意欠陥・多動性障害(ADHD)**の人は、時間の管理やタスクの整理が苦手なことがあります。そのため、仕事の締切を忘れてしまう、何から手をつければ良いかわからなくなるといった困難を抱えることがあります。
例:
- 締切を忘れてしまう
- 作業に集中できず、他のことに気を取られる
- 複数の仕事を同時にこなすのが難しい
在宅の仕事なので、仕事に集中できず関係のないことをすることはよくあります。そのような時は仕事の割り振りを変えるなど臨機応変に対応して、仕事に集中できるように気を配っています。
当事者の声:
「今日はこれをやろうと決めていたのに、他のことが気になって手をつけられませんでした。気づけば時間が過ぎていて、いつも自己嫌悪に陥ります。」
解決策:スケジュール管理の工夫
- タスクを細かく分ける
→「1つのタスクを小さなステップに分解する」と、取り組みやすくなります。 - チェックリストを作る
→完了したタスクをリストにチェックすることで、達成感が得られます。 - タイマーを使って時間を意識する
→「25分集中して5分休憩する」ポモドーロ・テクニックがおすすめです。
体調が悪いときなどは、タイマーを使ってこまめに休憩をとるようにしています。スマホのタイマー機能を使うといいですね。
「生きづらさ」を減らすために大切なこと
① 自分の特性を知る
まずは、自分の特性を正しく理解することが重要です。何が苦手で、どんな時にストレスを感じるのかを把握することで、対策が立てやすくなります。
自己理解のためのヒント:
- 発達障害の特性チェックリストを活用する
- 専門家の診断を受ける
- 日記やメモをつける
→ストレスを感じた場面を記録し、原因を分析する
管理人はスケジュール帳にその日の出来事を書いていました。あとで見返すとその時の様子がよくわかりますのでお勧めです。予定を書き込むだけでも忘れずに済むので負担が軽減されると思います。スマホのメモ機能を使うのもいいかもしれません。
② 周囲に理解を求める
周囲の人に特性や困難を説明し、サポートをお願いすることも大切です。発達障害は見えにくいため、周囲に正しく理解してもらうことで、生きづらさが軽減されます。
周囲への伝え方のポイント:
- 具体的に伝える
→「音が大きいと集中できない」「スケジュール管理が苦手です」 - 配慮してほしいことを提案する
→「静かな場所で仕事がしたい」「具体的な指示を出してほしい」
発達障害は「個性」でもある
発達障害の特性は、困難を引き起こす一方で、強みになることもあります。
大切なのは、自分の特性を理解し、強みに変える工夫をすることです。
管理人は細かい作業は苦手ですが、仕事でアイデアを出して採用されたことはあります。
まとめ
発達障害のある人が感じる「生きづらさ」は、環境の調整やコミュニケーションの工夫で軽減できます。また、自分の特性を理解し、周囲に伝えることも大切です。
発達障害は、単なる「障害」ではなく、新しい価値観を社会にもたらす個性とも言えます。一人ひとりが自分らしく生きられる社会を目指して、少しずつ理解を広げていきましょう。