アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが20年ぶりに復権した。米国主導の国際社会は心血を注いでアフガンの民主化を支援してきたが、事実上頓挫した。背景には何があったのか。2回に分けて報告する。【カブールで松井聡】
群雄割拠、地ならし困難
「政権ナンバー2のアブドラ国家和解高等評議会議長の口からは、ガニ大統領の批判しか聞いたことがない」
タリバンが首都カブールを制圧する約2週間前の8月2日夜。スーツ姿でカブールのホテルに現れたタジク人の政府高官ムハンマド・サベル・サディキ氏(50)が言った。「北部同盟はタリバンと命をかけて戦い、私も家族を殺された。ガニ氏のような海外生活の長い『外国人』に国はまとめられない」
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