アイスダンス田中梓沙・西山真瑚組の描く未来　「夢へ一歩ずつ」／下

　フィギュアスケートの田中梓沙（あずさ）選手（17）＝京都アクアリーナSC＝と、西山真瑚（しんご）選手（21）＝早大＝が5月、アイスダンスのカップルを結成すると発表しました。カナダ・モントリオールを拠点に世界を目指す2人の思いと今を2回にわたり紹介します。

　第2回は、待望のパートナーを得た西山選手に、モントリオール行きを決めた理由や現地での学びを語ってもらいました。【石川裕士】

あえて「居心地の良さ」選ばず

　手と手を取り合った男女が氷の上をなめらかに進んでいく。音もなく加速する選手たちを見て、車好きの西山選手は「まるでハイブリッド車みたいだな」と思う。

　アイスダンスの指導に特化したクラブ「アイス・アカデミー・オブ・モントリオール」。世界トップクラスの選手たちが腕を磨く名門に、西山選手は5月から田中選手とともに拠点を移した。

　前回はシングルから転向した田中選手に、アイスダンスの魅力を教えてくれた西山選手との縁を語ってもらいました。
　田中梓沙・西山真瑚組を直撃!　アイスダンス「あずしん」誕生/上

　特に驚いたのが、スケートの基本技術であるストロークを集団で学ぶ「グループストローキング」での一流選手たちの滑りだった。

　「音がしないっていうのは、スケート靴のブレード（刃）に乗っている位置がものすごく上手ってことなんです。滑る時に氷との余計な摩擦が…