公明党は6日、次期年金制度改革に向けた提言を、福岡資麿厚生労働相に提出した。基礎年金の給付水準底上げや、在職老齢年金(在老)の見直しについて、厚労省案の方向を大筋了承する内容になっている。
基礎年金の給付水準底上げ案は、会社員らが加入する厚生年金の積立金の一部を基礎年金の財源に充てつつ、物価や賃金に合わせ給付を減らす「マクロ経済スライド」による調整期間を基礎年金で短縮するというもの。提言では「(現役の手取り収入に対する年金支給額の比率を示す)所得代替率の低下を防ぐ」と評価した。一方で、基礎年金の半分は国庫負担のため、「将来の安定的な財源確保についても検討を」と求めた。
高額な給与収入を得る65歳以上の厚生年金を減らす在老については、「一部の業界で高齢化や人手不足の状況が見られる」として、働く意欲のある高齢者の就業促進を目指して見直しを要請。社会保険料の「年収の壁」を巡っては、パート労働者らを厚生年金加入対象に含める適用拡大の実現を求めると同時に、保険料負担が発生する事業所などへの配慮も検討を求めた。【宇多川はるか】