演劇 新国立劇場「白衛軍」 戦争と人間まざまざと=評・濱田元子

 「歴史は繰り返さない。繰り返すのは常に人間である」というボルテールの言葉を反すうする。ウクライナをはじめとする現在の混沌(こんとん)とした世界のありさまを透かし見るような舞台だ。

 ロシア帝国領のキエフ(現ウクライナのキーウ)生まれのミハイル・ブルガーコフがロシア革命直後のキエフでの内戦を背景に、激流に翻弄(ほんろう)される人々を描く群像劇。アンドリュー・アプトン英語台本を小田島創志が翻訳、上村聡史が演出する。

 帝政が崩壊し、樹立されたボリシェビキによるソビエト政権はキエフ侵攻をたくらむ。そこに革命にあらがう元露軍士官による白衛軍、ウクライナ独立派のペトリューラ軍が絡み、戦いは三つどもえの様相に。物語は白衛軍側のトゥルビン家が軸となる。

この記事は有料記事です。

残り449文字(全文771文字)

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月
  翻译: