
19日に98歳で死去した渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆はプロ野球・巨人のオーナーを務め、2004年に起きた球界再編問題では「1リーグ」化を主張した。
05年には、前年に新規参入した楽天の親会社がTBSに経営統合を提案した。TBSは傘下に横浜(現DeNA)を所有していたため、オーナーの他球団株所有を禁じた野球協約に抵触する恐れがあった。
11月4日に札幌市で予定されたプロ野球の12球団オーナー会議を前に、渡辺氏は毎日新聞のインタビューに応じた。渡辺氏は04年8月、明大投手に対するスカウト活動を巡る不祥事の責任を取って巨人オーナーを辞任したが、05年6月に球団会長として球界に復帰した。
渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆は、プロ野球界で大きな発言力を持ちました。
球界再編問題が起きた2004年と翌05年のインタビューを改めてお届けします。
上:「反巨人なのに『出るな』はない」=04年9月3日掲載
下:「野球協約はすべてを超越する」=05年11月2日掲載
(以下は、05年11月に掲載した記事を再構成したものです。肩書や固有名詞、制度などは原則として当時のものを掲載します)
「TBSさん、怒っていますからね」
――TBSと楽天の問題で、渡辺会長に10月12日、三木谷浩史・楽天社長からTBSの筆頭株主になったという話があったそうですが。
◆三木谷さんがここ(読売新聞東京本社)に来て「明日(13日)発表することになったので、事前に連絡に来ました」と。筆頭株主というけど、十何%かそんなもんだから、僕は敵対的買収じゃないんだなとね。
ある意味で協力関係になるのかと思ったんですよ。それで、楽天と横浜と二つの球団を持つことには注意してもらいたいと言ったら、…
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