映像・音楽

動く光で、風船で…聴覚障害の人も楽しめる「見える音楽」って?

　音が聞こえる人も聞こえない人も一緒に音楽を楽しむには――。そんな実証実験に九州大大学院（福岡市）の学生と聴覚障害の当事者たちが取り組んでいる。形がない分、伝達が難しく、演劇など他の芸術と比べて情報保障が遅れているとされる音楽。どのようにすれば満足いく音の「通訳」ができるのだろうか。　「みなさん拍手

残りの人生は…　マレーシア・フィルとOEK率いる広上淳一さんの夢

　国内外で活躍してきた指揮者の広上淳一さんが新たなステージへと踏み出した。今年1月、マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に3年の任期で就任。国内ではオーケストラ・アンサンブル金沢（OEK）のアーティスティック・リーダーを務めておよそ2年半になる。「音楽家としての最後の完成段階に入っていきま

びわ湖ホールから

出演者の“挑戦”楽しんで　来月26、27日　春の風物詩「音楽祭」　／滋賀

　びわ湖ホールの春の風物詩「びわ湖の春　音楽祭」を4月26、27日に開催します。この音楽祭は芸術監督、阪哲朗がプロデュースし、今年は「挑戦」をテーマに大・中・小ホール、メインロビーで有料公演15公演、無料公演10公演を行います。　26日午前9時半に琵琶湖を望むメインロビーのステージで、さきらジュニア

ジョルジャゼ監督が描く　アブハジア紛争の苦悩　「蝶の渡り」横浜で上映中　／神奈川

　数々の秀作を生み出しているジョージア（グルジア）映画界をけん引する、ナナ・ジョルジャゼ監督の新作「蝶（ちょう）の渡り」が横浜市中区長者町の横浜シネマリンなどで上映中だ。旧ソ連からの独立（1991年）後、ジョージアの領土内で発生した「アブハジア紛争」を体験した芸術家らの物語。争いや対立の痛みに耐えな

津波で消えた「映画の聖地」九十九里浜の釣り具店、ゆかりの品は今も

　千葉県旭市にかつて「映画の聖地」として人気を集めた釣具店があった。撮影現場として使われた建物は東日本大震災の津波で浸水し取り壊された。だが、家の中で波をかぶった映画ゆかりの品々は、16人が犠牲になった14年前の被害を語り継ぐ証拠として、今も大切に保管され続けている。　レトロな外壁が目を引く釣具店「

長渕剛さんが卒業式で熱唱　母校の鹿児島南高　／鹿児島

　鹿児島県出身の歌手、長渕剛さんが3日、母校の鹿児島南高（鹿児島市）の卒業式に駆けつけた。新型コロナウイルスの影響で学校生活が制限された3年生307人に「社会で戦ってほしい。がんばれよ」とエールを送り、「とんぼ」など7曲を熱唱した。　長渕さんは卒業式の終了直後、体育館の後方から赤色のジャケットにサン

国際的カウンターテナー藤木さんコンサート　20日、北九州市立響ホール　「来て良かった」と思えるように　／山口

　日本が世界に誇る国際的なカウンターテナー、藤木大地さんが20日、北九州市八幡東区平野の市立響ホールでコンサートを開く。メロディー音楽企画の主催。　藤木さんは2012年に第81回日本音楽コンクール声楽部門でカウンターテナーとして初めて1位に輝き、17年にはオペラの殿堂、ウィーン国立歌劇場でデビューを

重厚駅舎とマッチ、蓄音機コンサート　きょう午後、宇治山田駅で　／三重

　国登録有形文化財の近鉄宇治山田駅（伊勢市岩渕）2階団体待合所で8日午後、「蓄音機コンサート」が開かれる。5台の蓄音機の音色が重厚感ある駅舎に響きわたる。　コンサートは皇学館大文学部国史学科の長谷川怜准教授が監修する。午後1時（洋楽）、同2時（日本の歌）、同3時（伊勢音頭、雅楽）の3回で各回30分程

毎日音楽コンクール受賞記念コンサート

毎日音コン　受賞記念コンサート　札幌で22、23日　出演者紹介／上　／北海道

　22、23の両日、「毎日音楽コンクール受賞記念コンサート」が札幌コンサートホール・Kitara小ホール（札幌市中央区）で開かれる。出演する「第43回毎日こどもピアノコンクール」「第78回全日本学生音楽コンクール」「2024年度北海道毎日学生音楽コンクール」の上位入賞者に曲を選んだ理由やコンサートへ

地元ピアニスト宮井さんの調べ　22日・和歌山城ホール　／和歌山

　和歌山市出身のピアニスト、宮井愛子さんのスペシャルコンサート（毎日新聞和歌山支局など後援）が22日、和歌山市七番丁の和歌山城ホール小ホールで開かれる。和歌山市真舟芸術振興基金の若手芸術家支援事業として実施。地元出身の演奏家との共演もある。　京都市立芸術大音楽学部ピアノ専攻卒。和歌山を中心に演奏活動

KOBEシネマこぼれ話

／30止　バラエティーに富んだラインアップ　「想像力」育てる一助に　／兵庫

　昨年末から体調を崩し、1月2月とコラムをお休みさせてもらった。なんとか調子も戻り、さて3月はどんな話題にしよう？と元町映画館の上映スケジュールを眺めていて、なんとバラエティーに富んだラインアップ！と手前みそながら感心してしまった。　本日8日の国際女性デーからの1週間では、女性監督らがさまざまな視点

シネマの週末・この１本

名もなき者／A　COMPLETE　UNKNOWN　心揺さぶる人間の「顔」

　現代の生ける伝説というべきボブ・ディランの伝記映画である。物語は1961年のニューヨーク、若きディラン（ティモシー・シャラメ）が、敬愛するウディ・ガスリー（スクート・マクネイリー）を訪ねるところから始まる。闘病中のガスリーと親友ピート・シーガー（エドワード・ノートン）の前で弾き語りを披露したディラ

シネマの週末・特選掘り出し！

石門　浮かぶ現代女性の孤立

　現代の中国で女性が直面しているジェンダーギャップ、心身の痛みに向き合った問題作だ。政治や経済のゆがみの代償を背負わされる女性を丹念に描き出した。　中国湖南省。20歳の大学生リン（ヤオ・ホングイ）は思いがけず妊娠するが、出産も中絶も気が進まない。一方、婦人科医の母は担当した妊婦が死産した責任を問われ

シネマの週末・トピックス

ケナは韓国が嫌いで

　28歳のケナ（コ・アソン）は韓国での生活に希望を感じられず、“幸せ”を求めてニュージーランドに脱出。新しい土地で働きながら学び、出会いを重ねていく。暗くて寒そうな冬の韓国と、明るく生き生きした夏のニュージーランドを象徴的に対比させながら、ケナの奮闘を軽やかに描き出す。　ケナは、単調な仕事や長時間通

シネマの週末・トピックス

プレゼンス　存在

　多様な作風やテーマの作品を矢継ぎ早に手がけているスティーブン・ソダーバーグ監督が、意外にも幽霊屋敷もののホラー映画を撮った。何と幽霊の一人称視点で全編を物語るというユニークな試みである。　住宅街の空き家に親子4人の家族が引っ越してくる。思春期の娘クロエ（カリーナ・リャン）は親友を亡くした喪失感を引

シネマの週末・チャートの裏側

現実とつながる異空間

　今年の米アカデミー賞は地味に見えた。発表当日のテレビ、翌日の新聞の報道も、それほど大きくはなかった。発表を見越した作品の公開もあったが、興行のアカデミー賞効果は、作品賞をとった昨年の「オッペンハイマー」のような展開は難しいだろう。少し、様子を見よう。　チャートは、意外な作品が好位置を占めた。「知ら

三浦綾子さんの「泥流地帯」、映画化決定　8年越しで実現へ

　1926（大正15）年に発生し、北海道上富良野町に甚大な被害をもたらした「十勝岳噴火」を題材にした三浦綾子さん（1922～99年）の小説「泥流地帯」の映画化が正式に決まった。町が7日、発表した。　2017年に構想が浮上。18年に町や町民有志による映画化を進める会が結成された。製作費調達のためのふる

映画「ゆきてかへらぬ」公開　監督らに思い聞く

　＜金曜カルチャー　西部発　文化＆芸能＞　◇根岸監督「3人の生き方受け止めて」　木戸大聖「天才・中也を必死に演じた」　山口県出身の早世の詩人・中原中也、文芸評論家・小林秀雄の2人から愛された俳優・長谷川泰子の運命を描く映画「ゆきてかへらぬ」が公開中だ。福岡市を訪れた監督の根岸吉太郎と、中也役の木戸大

常設映画館がない周南市　12年ぶり復活　きょう「シネマ・ヌーヴェル」　「文化の発信地」目指す　／山口

　映画ファンに惜しまれながら2005年5月に休館した周南市のミニシアター「シネマ・ヌーヴェル」（92席）が7日、約20年ぶりに再開する。運営する毎日興業（周南市）が6日、記者会見で発表した。同社直営で市内に唯一残っていた映画館「テアトル徳山」も12年12月に休館し後に閉館しており、市内の常設映画館と

多様な女性の生き様　元町映画館　あすから4作品上映　／兵庫

　制定から50年を迎える8日の「国際女性デー」に合わせ、神戸市中央区の元町映画館で、多様な時代のさまざまな女性の生き様を女性監督が描いた作品を上映する「Women’s　Film　Week　2025」が8日から開かれる。14日まで。　国内外の作品4点を上映する。売春しながら子育てをする女性を描いた「ジ