
特集
認知症の人の外出 あしたへつなぐ
認知症の人が望んだ外出を続けるには。工夫や体験談を募り、行方不明の課題を含めみなさんと考えていきます。t.shakaibu@mainichi.co.jp
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認知症と生きる・新しい社会へ
「認知症の人と家族の会」緊急要望 行方不明者の捜索対応強化求める
2024/12/12 18:42 715文字認知症の人が行方不明になる事案が増えている問題を踏まえ、公益社団法人「認知症の人と家族の会」は12日、認知症の人が自由に安心して外出できる取り組みや対策の充実を求める緊急要望書を厚生労働相と警察庁長官あてに提出した。各地の警察による捜索時の対応を統一して強化し、一部で形骸化も指摘されている地域の捜
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認知症行方不明者の家族がNPO設立 全国初、相談や交流の場に
2024/9/20 20:14 613文字認知症が原因で行方不明になった人を捜し続ける家族がつながり、同じ目線で話せることを目指したNPO法人が設立された。こうした活動を手がける法人は全国初で、相談先もなく孤立していた家族が頼れる場を目指す。20日に東京都内で記者会見した代表理事の江東愛子さん(46)=長崎市=は「抱えている気持ちを話して
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「徘徊」は死語にせな 佐々木医師が語る認知症ケアの失敗と挑戦
2024/8/28 07:00 1827文字40年前に全国初となる認知症専門病院を岡山県に開設し、施設などで先進的な認知症ケアを実践してきた佐々木健医師(76)が毎日新聞の取材に応じた。「認知症の人は徘徊(はいかい)するもの」と誤って思い込み、病院内を歩いて回れるように回廊式の廊下を整備するなど特殊な対応をした「失敗」の歴史を隠さず語り、本
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「私は若年性認知症の本人です」 外出の不安を消したヘルプカード
2024/8/27 07:00 1633文字道に迷ったり、買い物のレジで手間取ったり、誰にでも起きる出来事が認知症の人の不安を膨らませ、外出することへのバリアー(障壁)になる。どうすれば安心して外に出られるか。自分の望むことや分かってほしいことを記載したヘルプカードを使って外出を続けている男性を取材した。 後ろに並ぶ女性から舌打ちする音が聞
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認知症による行方不明最多 外出制限は逆効果、ともに工夫する社会に
2024/7/4 19:03 1039文字認知症が原因で行方不明になる人が増え続けている。警察庁によると、2023年に届け出があった人は1万9039人に上り、10年前の約1・8倍になった。 この結果をどう受け止めればいいのか。 認知症介護研究・研修東京センター(東京都杉並区)の永田久美子副センター長は「人数の多さに目を奪われがちですが、警
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元国体選手の夫、認知症10年 「鬼ごっこ」する妻の心からの願い
2024/7/4 10:13 2181文字「誰か助けて~ 体力的にムリ。主人のお散歩お付き合いくださる方を大募集中です!!」。6月上旬、相模原市中央区の女性がネット交流サービス(SNS)にこんな投稿をした。 女性の夫は認知症になって約10年になる。国民体育大会の出場経験もある元スキー選手で、計10キロ以上の距離を毎日のように散歩する。最近
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散歩に出たまま1年帰らず 認知症の父を捜す家族、NPO設立へ
2024/7/4 10:07 1833文字父は1年以上前に散歩に出たまま今も帰ってこない。認知症当事者である長崎市新中川町の坂本秀夫さん(74)は2023年4月、行方不明になった。捜索を続けてきた長女の江東愛子さん(46)は父が無事に戻ってくる日を待ちながら、NPO法人の設立を決めた。同じ境遇で苦しい思いをしている各地の家族がつながり、安
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認知症の行方不明者1.9万人で過去最多 11年連続増 警察庁
2024/7/4 10:04 696文字認知症が原因で行方不明になったとして2023年に全国の警察に届け出があったのは、前年比330人増の1万9039人で過去最多を更新した。警察庁が4日、発表した。統計を取り始めた12年以降、11年連続の増加。23年中に所在を確認できなかったのは同34人減の250人だった。 認知症の行方不明者の内訳は男
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元警察官が感じた課題とは 保護した認知症の人のため法人設立
2024/6/10 07:00 2254文字道に迷って帰れなくなり警察に保護された認知症の人を家族に代わって迎えに行く一般社団法人を、京都府警の元警察官が2023年4月に設立した。全国でも珍しい取り組みで地域の居場所作りなどにも力を入れる。家族の支えとなって保護された認知症の人を少しでも早く安心できる場所に帰したい――。そんな思いで動き出し
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山道から滑り落ち行方不明に 認知症の幸さんを本当に救ったもの
2024/6/9 07:00 2363文字冬の太陽が沈み、夜の闇が山道を覆った午後5時だった。 2023年12月7日、京都市西京区。認知症当事者の幸陶一(ゆきすえかず)さん(79)は散歩の途中でやぶに足を踏み入れ、急斜面を滑り落ちた。 「崖から滑ったんだけどな。(落ち葉で滑って)上にあがれないんだ」 スマホの電話で助けを求められた家族が、
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なぜ驚きの回復 認知症の前田さん、道に迷いさまよい歩いた夜も
2024/6/8 07:01 2434文字3年半ほど前に認知症と診断された前田博樹さん(67)は道に迷ってさまよい歩くような経験もした。自信をなくして家にこもる日々。現在はそこから抜け出して充実した暮らしを取り戻した。川崎市にある事業所に1人で通い、働いて社会とつながることもできている。望んだ外出を続けられることは認知症の人にとって大きな
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認知症の人が望む外出を続けるには みなさんと考えていきます
2024/6/8 07:00 2104文字認知症になった人が自身の望む外出を長く続けられるように、毎日新聞はみなさんの工夫や体験談、あってほしい支援などの意見を募集します。 友だちに会いたい、散歩や買い物に行きたい、仕事や趣味の場に通いたい……。 認知症があろうとなかろうと、外出することは、自分の人生を歩み続けるために欠かせないものです。