柔和な輝きに包まれて。錫製ジュエリーブランド「NS by NOUSAKU」が能作からデビュー
2024.11.27
老舗の鋳物メーカー「能作」から、錫(すず)を用いたジュエリーブランド「NS by NOUSAKU」がデビュー。軽く柔らかな錫の特性を利用したジュエリーは、シルバーやゴールドとはまた異なる魅力がある。能作が新たな挑戦としてジュエリーを手掛けた理由や、リボンをテーマにしたファーストコレクションの特徴を深掘りしていく。
2024.11.27
老舗の鋳物メーカー「能作」から、錫(すず)を用いたジュエリーブランド「NS by NOUSAKU」がデビュー。軽く柔らかな錫の特性を利用したジュエリーは、シルバーやゴールドとはまた異なる魅力がある。能作が新たな挑戦としてジュエリーを手掛けた理由や、リボンをテーマにしたファーストコレクションの特徴を深掘りしていく。
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「NS by NOUSAKU」のコンセプトは「やさしく肌になじむ、 なめらかな錫ジュエリー」。ジュエリーというとゴールドやシルバー、プラチナといった貴金属をイメージするが、錫をメインの素材として用いることで今までにない質感のジュエリーが誕生した。
素材には錫97%、金3%の配合で生み出された合金“Tin Gold”を使用している。錫単体だとジュエリーにするのが難しく、研究を重ねてたどり着いた独自の配合だ。
錫の特徴は軽くしなやかであるということ。ジュエリーの素材として用いることで、つけていてもストレスフリーな軽さを実現した。少しの力を加えることで形を変えられるので、耳の形に合わないとすぐに外れてしまうイヤーカフにも最適だ。とても軽いため、例えば大ぶりなデザインのピアスでも耳に負荷がかかりにくい。
もう一つの特徴は、内側から発光しているような優しい輝きを持つこと。肌なじみがよく温かさを感じる輝きは、他の貴金属とは異なる。重ね付けしても軽やかな見た目に仕上がるので、レイヤードスタイルもおすすめ。
記念すべきファーストコレクションのテーマは“リボン”。デザインは「NS by NOUSAKU」ブランドディレクターであり、建築家の永山祐子が手掛けている。
錫のしなやかさを表現するために、体にクルクルと巻きつくリボンをイメージしたという。アイテムはピアス、イヤーカフ、リング、ネックレスの全24種がラインアップ。一部には錫の柔らかな輝きと相性の良いアコヤパールを使用している。
ピアスはキャッチ部分にパーツがついているものもあるので、いくつかそろえてキャッチの組み合わせを入れ替えるという楽しみ方も。
「NS by NOUSAKU」を生み出した能作は、1916年に富山県で創業した鋳物メーカー。卓越した鋳造技術をもち、創業当初は仏具、茶道具、花器を製造していた。
時代の変化とともにテーブルウェアやインテリア雑貨などを生産するようになり、錫製品を手がける唯一無二のブランドとして確立する。
2017年には新社屋を建設し、製品を楽しめるカフェを併設したり、ものづくりの背景を知ることができる工場見学を実施するなど、錫製品の魅力を広めるために様々な活動を行っている。
「大切に受け継がれてきた伝統技術を、100年先にもつなげていくために。伝統工芸の新しいカタチを見せる先駆者となりたい」。そうした思いで事業を展開する能作が2019年に始めたのは、「錫婚式」のウェディングサービスだ。
日本では銀婚式や金婚式が知られているが、イギリス発祥と言われる錫婚式は、結婚10周年を祝う節目のセレモニー。能作では本社がある富山県高岡市に錫婚式を執り行えるセレモニールームを開設し、数多くの錫婚式を行ってきた。
錫婚式には、「錫のようにしなやかに、優しい関係性が続くように」という想いが込められている。「NS by NOUSAKU」のジュエリーは、そんな節目のギフトとしても最適だろう。
11月20日、コレド室町テラス1階に「NS by NOUSAKU」の直営店がオープン。内装デザインはブランドディレクターの永山が手掛けた。
天井からつるされているのはしずくをイメージした錫のオブジェ。床には錫を製造する時の鋳型と同じ土が使われており、空間全体で能作のクラフツマンシップを感じることができる。
店内には錫製のオリジナルじゅうきが並び、ジュエリーと同じく曲線を大切にしたデザインが美しい。
現在「NS by NOUSAKU」の製品を購入できるのは公式オンラインストアとコレド室町テラス1階の直営店のみ。人生に柔和な輝きを添えてくれる小さな相棒として、錫ジュエリーという選択肢を。
text: Azu Satoh
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