タイトル通り、今年シャニマスで寄稿させていただいた作品の振り返りです。当然と言えば当然ですが読んでくれた人向けの話になるので、作品のあらすじとかはほぼ入れてません。
読まなくてもいい前置きを挟みます。読まなくていいので字がちょっと薄めです。
普段あんまり作品について自分で何を考えて書いたか~とか、どういうことを書きたかったか~みたいなことをあれこれ文字で語るのはダサいんじゃないかとか、言いたいことは作品でちゃんと語ったほうがいいとか、読書体験を損ねてしまうとか、読んでるときに読者の中に作者の顔が浮かびそうで怖いとか、そういうことをTwitterやら何やら言い続けてきたわけなんですが。
最近こういう振り返り記事を書く人が周りに多く、そしてそれがまあまあ読み手側にも求められているらしい……みたいな雰囲気を感じるうちに、自分は何やら勘違いをしていたのでは……? と思い始め。だとしたら、一度やってこなかったことをやってみる、というのも大事かもしれない……ということでやってみます。今までTwitterとかで言ってたことは、すべて忘れてください。
まあ需要がないなら消せばいいしな!
①bi/シャニぬい合同『ぬいのぐらふぃ』
●主要登場人物:七草はづき、桑山千雪
はづきさんと千雪さんの関係性がいろいろな理由で好きなんですが、今年頒布された寄稿作に絞っても3回書いているらしい。思想を出しすぎかも。ぬいで小説、って考えたときに真っ先に浮かんだのが手芸が得意な千雪さんの顔で、じゃあぬい服とかぬいそのものを作る話にしようと思い、あとは流れで話を組み立てていったような記憶がある。千雪さんが大事なぬいに着せたい服を考えたとき、必然的に千雪さんのファッション趣味の話になるわけで、そこからアプリコットの話にも繋がるわけで、趣味の話繋がりで音楽の話も……って連鎖的に考えていったら何だかいい感じになりました。そういう、取り敢えず浮かんだアイデアを詰めてみる、って作り方をした割には意外なほどにうまくまとまってて結構気に入ってたりする。あと千雪さんの音楽趣味に触れる話にしたのは、後述のBase Ball Bear合同の原稿と同時進行で書いた話だから、っていうのも大きかったりします。
②capsule/ミリシャニBase Ball Bear合同『バンドBとアイドルについて』
●主要登場人物:七草はづき、桑山千雪 インスパイアされた楽曲:17才
そのBase Ball Bear合同がこちらというわけです。イメソン系の話はこれまでも書いたことがあったんですが、折角なら今回は楽曲そのものがシャニマスの世界にある、ということにして、千雪さんの思い出を振り返る話にしてみようかなと。『17才』のMVってざっくり言うと高校生がタイムカプセルを埋めるって内容なんですが、昔使っていた音楽プレイヤーってさながらタイムカプセルのようなものだよね、ということで。そういうお話を書きました。サブスク全盛の今の時代だとあんまりイメージ湧かない方もいる……? かもしれませんが、今だと聴いてないものが入ってたりとか、もう現物を手放してしまった音源とか、友達や恋人と貸し借りしたCDとか、いろいろ入ってて後から見返すと楽しいんですよ。ちょうど年末年始で帰省されてる方も多いのではないでしょうか。もしご実家に眠っていたら、掘り出して充電してみるのもいいかもしれません。
MV冒頭の台詞は絶対そのまま使いたかったので、書くにあたってラストシーンが最初に決まりました。
③ordinaryシャニマス×スピッツ合同『283bergen vol.1』
主要登場人物:郁田はるき インスパイアされた楽曲:シロクマ
こちらも楽曲合同。邦楽ロックオタクの端くれとして、同じイベントで2本も参加させていただけたのは本当に光栄でした。こちらでは正統派(?)のイメソン小説を書かせてもらいました。ちょっと本の話とは逸れるんですが、個人的なこだわりとして、あんまりイメソン系の話には歌詞を直接的に引用したくない、っていうのがありまして。まあ権利的なお話もあるっちゃあるんですけど、やっぱり歌詞ってメロディに乗ってこそ最大限に魅力的に聴こえる言葉だと思っていまして。そんなわけで「普通に読めるけど、この曲に影響を受けてる、って言うと『あ~』って納得してもらえる」くらいの塩梅を目指し続けてるんですが、この作品はやりたいことの理想形に近いことをできた気がしていて。あと郁田はるきさんの瑞々しい感性に寄り添うようなお話を一度は書きたかったので、そういう点でも満足しています。はるきって『シロクマ』っぽくない? って話はそれ単体だとたぶん自分にしか伝わらないんですが、この作品を通して誰かに納得させられていたらうれしいです。
④403/郁田はるきふわふわ合同『Fluffy Fluffy Comet』
主要登場人物:郁田はるき
たまに人の合同誌で勝手にホラーテイストの話を書く、っていうテロ紛いのことをしているんですが(ちゃんと許してくれそうな人相手にしかやってないので許してください)、こちらもそのひとつです。好奇心の塊みたいなはるきだからこそ、触れてはいけないものに触れてしまいそうになる、ってお話にしようかな~ってアイデアが浮かんで、そこからイメージを膨らませていった感じです。読めばわかる、直球すぎるタイトルが結構お気に入り。でもホラーテイストの話は毎回どこかに反省が残るんですよね。不気味さを残す以上「本来なら説明してほしいであろうところを説明しない」って技術が必要になるけど、ちょっと語らなさすぎて伝わらなかったかも……みたいな。もっとうまくなりたい。来年もどこかで書くと思います。
⑤穴/樋口円香合同『樋口円香さんって、いいよね……』
主要登場人物:樋口円香、浅倉透
誰が浅倉透のピアスの穴を開けたのか、って公式で出ているんでしょうか。出ているとしてそのコミュを読めていないので、こうだったらおもしろいかも、ってお話を書きました。大本を辿れば着想元はクリープハイプの楽曲『左耳』なんですが、考えていくうちに全然違う話になっちゃいました。その場合だと円香の知らない透のクラスメイトが開けた耳の穴について、円香があれこれ考える……みたいなお話になってたと思う。ワンアイデア勝負なのであんまり文字数は増やせなかったんですが、後から読み返してみるとあの短さが最適解だった気も自分でしています。
⑥couturiere/283プロマフィアパロ合同『閃耀黑帮』
主演:桑山千雪 出演:七草はづき、大崎甜花、大崎甘奈
三人称視点&アクション描写に初挑戦、ということで本当~に今年で一番大変だったのはこの作品かもしれない。その分、まあ、自分で言うのもあれなんですがとてもいいの書けたんじゃないかなと思っています。あとがきにも影響を受けた作品を書いたんだけど、あんまり今まで活かせなかったアクション映画のインプットを活かせるいい機会になって楽しかったですね。ちなみに話の軸になってくる防弾ドレスやスーツのアイデアはジョン・ウィックから拝借しました。千雪さんのキャラクター像については、裏社会で自分のやりたいことを通して生きるカッコいい人として描きつつも「殺しって選択肢が生活に入り込んでいる人」として描きたくて。その辺りをもっと深堀りしたかったんですができなかったので、個人誌で続編っていうか連載版みたいな……書きたいな……! もっと双子の活躍も書きたいし、はづきさんとのバディ時代のお話とかもね……やりたいですね……。
以上、今年はシャニマスで6本の寄稿をやらせていただきました。思えば結構いろいろなジャンルのものを描けて楽しかったですね。主催の方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。来年はミステリとかSFもやってみたいなと思っております。そういう合同誌に参加させていただく機会があるのかはわかりませんが……。
そんなわけで今年もありがとうございました。来年は個人での同人活動も再開させたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。寄稿のご依頼はTwitterのDMからいつでも受け付けております! よいお年を。