宇多丸・太田光 爆笑問題田中『モンスターズ・ユニバーシティ』吹替を語る

宇多丸・太田光 爆笑問題田中『モンスターズ・ユニバーシティ』吹替を語る 爆笑問題の日曜サンデー

ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『爆笑問題日曜サンデー』にゲスト出演。田中裕二さんの『モンスターズ・ユニバーシティ』の吹き替えについて、太田光さんと語り合いました。

(太田光)でも、敵も多いでしょ?そう考えると。あんだけ過激に。

(宇多丸)どうなんですかね?いや、本当すいません!って感じですよ。すいません!って。

(田中裕二)敵ももちろん、腹立つ人もいるだろうけどさ、『こいつ、なんにもわかってねーくせに!』とは言えない感じ?

(宇多丸)いやいやいや、まあまあまあ・・・

(田中裕二)もちろん、好き嫌いとかはあるからさ。自由じゃん。そんなの。それこそね、いいとか悪いとかさ。だけど、全部分析した上でさ、『ここが矛盾している』とか言われたりするとさ。いやいや、たしかにそこは痛いところをつかれたな、みたいな感じで。ちょっと嫌だな、こいつに言われるの、みたいな感じはあると思うけど。

(太田光)うわー、ちょっと俺、映画・・・褒めてね。俺の映画ね(笑)。

(宇多丸)ね。いま準備されてるって。

(江藤愛)もうすでに(笑)。

(宇多丸)『バカヤロー!』とかね、ありましたもんね。

(太田光)これ、またちょっといまから作るんで。

(宇多丸)これ、怖いなー。嫌だなー。

(太田光)取り上げて・・・

(宇多丸)いいんですか?やっちゃって。やっちゃってってことはないけど(笑)。

(太田光)そん時、スタジオ行かせてもらうから(笑)。

(宇多丸)プレッシャー(笑)。

(田中裕二)『ライムスター宇多丸、死んだ』ってことだから。それは。それをやったら。

(宇多丸)でも、面と向かって言えたら大したもんだってあるじゃないですか。1回やってみたいですよね。

(江藤愛)そういうの、やったことないですよね。

(宇多丸)さすがになかなかないですよ。で、僕がなんか言うたびに、太田さんがビンタの1つでもカマしてもらえれば。『殴るなら殴ってくださいよ!』と。

(太田光)『(モノマネで)アナタ、何よ!冗談じゃないわよ!』って。

(田中裕二)デヴィ夫人じゃないです。殴るからって。そのベクトル、やめてください!いま、殴るイコールでピンと来るの、やめてください!あのね、ピクサーは好きでね。

(宇多丸)ピクサーものね。

(太田光)字幕で読んでますか?

(江藤愛)吹き替えじゃない?

(田中裕二)いや、両方見てくれてる。

(江藤愛)『モンスターズ・ユニバーシティ』。

『モンスターズ・ユニバーシティ』の吹き替えは素晴らしい

(宇多丸)あ、吹き替え。いいですよ!素晴らしいですよ。

(太田光)あれは字幕に限りますよ。

(宇多丸)吹き替えがよくないと。

(太田光)吹き替えはよくない。酷いね、あれは!あれは最悪!台無しにしてるよ!

(宇多丸)(笑)

(太田光)ピクサーの映画を。

(宇多丸)厳しい批評をね(笑)。そういうのもあるかもしれないですけどね。いや、モンスターズ・ユニバーシティ。よかったですよ。

(田中裕二)ドキドキするよ。聞いていると。それこそ、あり得るじゃん。いくらでも。『吹き替えがよくない』だって、別に本当に思ったら言う人だから。で、すげードキドキして聞いて。

(江藤愛)大丈夫でした?

(太田光)よかったの?あれ。

(田中裕二)特に吹き替えを褒めてくれてはないですけど。

(宇多丸)いや、吹き替え、いいですよ。

(田中裕二)あれはそういうものって定着してる。

(太田光)いや、よくない!

(宇多丸)話が堂々巡り。一歩も表に出ない(笑)。

(太田光)よくないよ。そりゃ、あんた。信頼を失うよ。

(宇多丸)(笑)。あんなの褒めると。そうかなあ?そうか?もうでも、キャラね。一体化してますからね。変わると、逆にね。

(太田光)いや、あれね、歌っちゃってるんだよね。セリフを。

(宇多丸)ああ、要するにちょっとニュアンスを込めすぎてる。

(太田光)ニュアンスを込めすぎてるっていうかね、こいつの特徴なんですけどね、『いやー!ナントカでナントカで、ナントカだよ!』って。あれね、歌っちゃうとね、誰でもできるの。感情なんか、入ってないの。

(宇多丸)あー・・・結構厳しい。

(田中裕二)そうなの。演技に関してはめちゃめちゃ厳しいんですよ。でもそれを言われると、俺なんにも言えないの。本当にそうだから。

(宇多丸)でもさ、そういう風に演出をつけられて、じゃないんですか?要するに、元のしゃべりに沿ってやってるんじゃ?

(田中裕二)だから英語なんですよ。全部。元々英語でしゃべっているのに合わしてるから、完全に全部英語。調子が。

(太田光)あれを歌っちゃえばね、誰でもできる。

(宇多丸)日本語としてはちょっと、こう・・・

(太田光)それを日本語っぽく。日本語の感情にしてやんなきゃいけない。

(田中裕二)それは相当難しくて。監督さんもたぶんそれは、ちょっと厳しいんでね。要は、もう台本が。たとえばなんだろうね?『やあ、俺マイク!』みたいなセリフがあるじゃないですか。

(宇多丸)おー!

(田中裕二)それを言う時に、感じが完全に『やあ、俺マイク!』ってなっちゃってるから、それを『やあ。俺マイク』っていうのは・・・

(太田光)そうやるのはね、誰でもできる。しかもね、吹き替えだけじゃなくて漫才でもそうなる。

(宇多丸)それは!それはそっちで相談してくださいよ!

(太田光)それは演技力なの。感情を、要するに言葉の意味を考えずに、ただ歌っているだけなの。だから、全くダメなの!

(宇多丸)全くダメ(笑)。それでもさ、演出のね。吹き替え演出の人にやっぱり言わないと。太田さんがね、『田中さんの癖だから』って。

(田中裕二)正直、それは俺もある程度はわかるんですよ。歌っちゃうっていうか、要はね、外国映画の吹き替えの染み付いちゃっている感じ。普通に。別にそれに限らず。

(太田光)本当の芝居にはならないの。

(宇多丸)吹き替え特有の芝居ってありますからね。広川太一郎さんとかさ。

(江藤愛)フォローしてる(笑)。

(田中裕二)そういう感じにどうしてもなっちゃうな、嫌だなとは思ってはいるんだけど。

(太田光)それを、漫才でやってもそれが出る。

(宇多丸)(笑)。漫才の件は2人できっちりまとめていただいて。それはね。そこから固めていただければ、田中さんの癖も是正される・・・何年やってる!?直せばいいじゃないですか!

(太田光)20年以上、言い続けてる。でも直らない!だからダメなの!

(宇多丸)ま、じゃあそれ、資質じゃないですか。

(太田光)だから、才能ないの!

(宇多丸)(笑)。進んだ結果が、『才能ない』。だからさっきの、僕のラップのあれですよ。それこそ自分でやるたびに、『俺、またこの手癖でちゃってる』って。自分のラップの方ですよ。で、自分の限界を感じるみたいなの、いくらでもありますから。ぜんぜんある。

<書き起こしおわり>

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