放置していたらもう随分前の話になってしまったけど、それでも思い出して書いてみる。
書籍編
『ユーゴ修道士と本を愛しすぎたクマ』
Twitter(現:"X")で「本を食べちゃったクマの話がある」とみて「???」と思い手に取った。本当に本を食べようとしていて、しかも本を持っている修道士さんを襲おうとしつこく追いかけてきていた。
当時の"本"は羊皮紙に手書きされたもので、1冊1冊が貴重だったから修道院同士での貸し借りもしていたそうな。
そうか、羊皮紙で作られていたから羊の匂いがして美味しそうだったのかもしれない...。絵本だから語り口こそ優しいものの、外出している自分の後を熊が追いかけてきている、という怖さはかなりのものだったのでは。
『リバタリアンが社会実験してみた街の話』
読んで「暗澹たる気持ち」になったのが率直な意見。ちなみに『ユーゴ修道士と本を愛しすぎたクマ』とは意図していないが題材がクマ繋がりになってしまった。
要は「税金を払いたくない」・「自分の力で生きていく」という主張を掲げる"リバタリアン"たちがいかに有害か、という話。
確かに自分の力で森や荒野を切り開いて、なーんの制限も受けずに暮らすのはとても気持ちが良いだろう。ただ、それを実現するのはたった一人やたったひと家族だけの力ではとても難しい。特に都会から離れた自然豊かな田舎の場合、生活のためのインフラの維持そのものが大仕事なので、狭くて隣近所、広めに見積もっても町や市レベルの行政単位の組織にお世話にならないわけがない。それ自体を否定して、果たして良いのだろうか、という問いかけを考える間に、公共事業の削減で荒れた街を徘徊する熊の爪が襲いかかってくる。
日本国内でもクマが絡む事件が出てくるたびに「殺すな!」という苦情が自治体に寄せられるそうですが......うーむ、これを読んでじっくり考えてみてはいかがでしょうか..。
『金色のマビノギオン』第7巻
こちらも引き続き楽しみにしているシリーズ。
「Mabinogion 28」のアミーキアのセリフが良い。
『科学的根拠に基づく最高の勉強法』
元々、知ったきっかけは下記の動画。
youtu.be その後とある方に勧めていただき書籍版を手にすることになったが...果たして自分が実践できているかというとそうではないのが辛いところ...。
ただ、やみくもに何かやるよりは一旦この本を読んでみてもいいんじゃないかな。
『セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅』
Twitter(現自称"X")で話題になっていたのが最初だったでしょうか。
著者自身の経験がふんだんに盛り込まれているので記載内容も具体的で読みやすく、競走馬だけじゃない職業のお馬さんやその関係者を知るにはうってつけの入門書でもあると感じました。
競走馬に関しては某ゲームの盛り上がりも影響して常に話題が上がってきますし、最近はYouTubeで発信を続けている牧場さんも増えてきており、お馬さんたちの日常をより近くで見ることができるようになってきています。
本の中で衝撃だったのは、引退後に肥育場という場所でお世話をされ、馬肉になるお馬さんがいること。そしてそのお馬さんを引き取ろうという活動があることです。
私自身も馬肉を食べたこともある身なので「殺されるお馬さんがいる」ことは知っているつもりでしたが、やはり具体的な話を知っていくとちょっと辛くて一旦本を閉じるほどでした。
また、加工する工場で働く人たちに取材しようとした際に断られたというエピソードです。日常的に激しい差別に晒されており、取材することでさらに働く人たちに危険が及ぶためだとか...
この本が出てからしばらく経っていますが、まだ「すべての引退競走馬が安心して生活できる状況」そして「関わる人間にとっての安全が守られた状態」にはなっておらず、まだまだ引退競走馬の支援には課題があるようです。
映画編
バシュランギおじさんと小さな迷子
泣きすぎて、見終わった後に「喉乾いたなぁ」と思う映画は久しぶりだ。
後ろのご婦人が「もう、結末なんてわかってるのにさぁ〜〜」と言いながら涙ぐむのにつられてちょっと目をうるうるさせながら立ち上がった。うん、わかる。
インドとパキスタンは現在も対立が続いており「映画みたいに」問題が解決することはかなり可能性が低いとは思うのですが、それでも、それでもこのような夢をみたいと思ってしまうんですわ。