「キャンセルが出たから打つかい?」26歳息子は“想定外の接種”で死んだ〈コロナワクチン後遺症 被害者の父が告発〉
コロナワクチンの2回目を接種した3日後、息子は突然「急性心不全」でこの世を去ったーー。ベストセラー『私たちは売りたくない!』の起点ともなった26歳の長男・晃大さんの死を、父・影山均氏が告白した。(取材・構成 秋山千佳・ジャーナリスト)
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無知ではいけない
晃大は亡くなるその瞬間まで病気らしい病気をしたことがない、健康そのものの青年だったのです。
2021年9月は、菅義偉首相(当時)が「10月から11月のできるだけ早い時期に、希望するすべての国民が2回目を終えるよう接種を進めます」と会見で発言していた時期です。
「国民の命を守るため」と推奨された2回の接種は当然だと私は思い込んでいましたし、生前の晃大ともそういう前提で話をしていました。ですが、晃大は接種3日後に急死した。国の言うままに従うのが本当に正しかったのかなと疑問を抱きました。
亡くなった影山晃大さん(影山均さん提供)
無知ではいけない。新型コロナワクチンについての情報を鵜呑みにせず、自分自身で調べて判断しなければならないという当たり前のことにようやく思い至ったのです。
今日までの3年間、新型コロナワクチンに関する本を読んだり、医師などの講演会や勉強会へ足を運んだりして、私なりに学んできました。
その過程で、晃大や私たち家族のように、新型コロナワクチン接種で人生が変わってしまった人がたくさんいることを知りました。
国の予防接種健康被害救済制度による新型コロナワクチンの被害認定者数は、2021年8月から24年11月18日までに、8432件。そのうち晃大のような死亡認定は、903件です。
被害者や家族が自ら必要書類を集めて申請しなければならないといったハードルがあるので、実際の被害からすると氷山の一角とも言われています。
それでも、新型コロナワクチンの被害規模の大きさは明らかです。
現行の救済制度が開始された1977年2月から2021年12月までに、新型コロナワクチンを除く全ワクチンの被害認定者数は、3522件(死亡認定151件)。新型コロナワクチンだけで、過去45年間の国内すべてのワクチン被害認定者数を大きく超えているのです。
「そのロットでなければ」
私が新型コロナワクチンについて勉強していくうちに、共通の知人を通じてMeiji Seika ファルマの現役社員の方と出会いました。詳しく情報を収集している人で、当然、晃大に起きたことも知っていました。「同じ会社で働く社員が亡くなってとても心を痛めています。社内でmRNAワクチンの安全性に疑問を感じている人間は自分だけではありません」と話してくださいました。
そこから交流が始まり、「彼が生きていた証を残したい」とまで言ってくれ、やがて「チームK」による本が作られることになるのです。
実は晃大にとって、2回目のワクチン接種は予定外のものでした。
彼が担当していたクリニックの院長さんから「キャンセルが出たから打つかい?」と言われて、「お願いします」ということで急遽、1週間の仕事が終わる金曜夕方に接種することになったそうです。
もともと1回目を接種していますし、体調やスケジュールを見ながらいずれ2回目を打つつもりではあったろうと思います。
とはいえ、お世話になっている院長さんから優遇とも言えるようなお誘いを受け、もし嫌だったとしても断れなかっただろうとも思います。
私もチームKによって知ったのですが、晃大のような製薬会社の営業マンであるMRは、担当する医師からワクチン接種を勧められて打つことになったケースが珍しくなかったようです。
コロナ禍による受診率低下で、多くのクリニックの経営が厳しくなっていた時期でもあります。ワクチン接種の推進は医療機関にとって特需だったとも聞きます。
因果関係は不明ながら、新型コロナワクチンの同一ロット(製造時の最小のまとまり)で複数の健康被害が出ているものもあります。「キャンセルが出ていなければ」「そのロットを打っていなければ」、晃大は生きていたかもしれないと、つい考えてしまいます。
他にも、後から知ってショックだったことがあります。
mRNAワクチンは、10〜20代の若年男性の心筋炎や心膜炎といった心疾患の発症リスクがあるのではないか、という情報は、接種が先行していた米欧から日本に早い段階で入っており、一部の医師などは警鐘を鳴らしていたそうです。
しかし、厚労省がワクチン添付文書の「重大な副反応」項目に心筋炎・心膜炎を明記させ、注意を呼びかけることを決めたのは、晃大が亡くなった後の2021年12月のことでした。
◆本記事の全文は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(「最愛の息子はワクチンで死んだ」)。
全文においては、『私たちは売りたくない!』が生まれた詳細な経緯、晃大さんの幼少期と社会人としての軌跡、晃大さんの死の瞬間、厚労省が公表したデータの問題点、新しく開発された「レプリコンワクチン」の効果などについて語られています。
(影山 均/文藝春秋 2025年1月号)