AI(人工知能)の発展に伴い、人間の行動を再現するためのさまざまな試みが行われている。今年10月にアメリカで開催されたカンファレンスでは、人間に悪態をつくAI搭載のロボットが注目を浴びた。ロボットは相手に攻撃的な言葉を投げかけたが、これはプログラムが意図した通りの動作であり、不具合ではなかった。英ニュースメディア『The Daily Star』などが伝えた。

今年10月、米ワシントンD.C.で開催された「ボイス・アンド・AIカンファレンス(VOICE & AI Conference)」では、多様なAI技術を応用したテクノロジーが披露された。中でも、スウェーデンの「Furhat Robotics社」とドイツの「audEERING社」が共同開発したロボットは、人間に悪態をつく機能が注目を集めた。

米ニュースメディア『ABC7 News』の女性記者がこのロボットに話しかけたところ、以下のやり取りが行われた。

女性記者「何か御用ですか?」
ロボット「あんた、ふざけてるの? こんなに長く待たせておいて。スマホの修理をして欲しいと言っているのに、どうなっているの? この状況をきちんと説明しなさいよ。」
女性記者「長らくお待たせして申し訳ございません。」

女性記者はロボットから厳しい言葉で叱責される形となったが、このロボットは接客トレーニング用に開発され、顧客の不満をシミュレーションするために、時には厳しい言葉を用いるようプログラムされている。女性記者は、不満を述べる客に扮したロボットを落ち着かせ、冷静に対応する必要があった。

ロボットを開発した2社によると、ロボットはAI技術を用いて、相手の声から気分や感情を分析する。Furhat Robotics社のルイス・シメオンイディス氏(Louis Simeonidis)はこのように説明した。

「私たちの開発が正しく遂行できれば、人々は友人のようにロボットと自然に接することができるはずです。人間と接するようにロボットと会話して意思を伝えられるようになり、ロボットも相手の気持ちを理解し、自然にコミュニケーションを取れるようになるでしょう。」

なお、今回の接客トレーニング用ロボットは、プログラムによって大声で叱責したり、感情を露わにした厳しい言葉を発することも可能とのことだ。

画像は『The Daily Star 「Angry and foul-mouthed monster robot built to train customer service staff」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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