私たちはいつどこで「ルー語」を身につけるのか
こんにちは、データアナリストの小川知紘です。
以前「ルー語」が面白いと流行りましたが、最近ではすっかり私もカタカナ語を自然と使っています。※ルー語:ルー大柴さんが話す日本語をカタカナ語に置き換えた言葉
社会人になる前は「どうして伝わりづらいのにわざわざ英語やカタカナ語を使うんだろう」と思うこともよくありました。
自分は社会人になってもそうならない!と当時は思っていたはずですが、今では「MTGリスケさせてください」「ブレイクダウンしてKPI決めましょう」といった有様です…
実際仕事においてはその方が伝わる場面も多く便利ですが、日常生活でも出てしまうと自分にがっかりすることがあります。
ある日ふと、カタカナ語や外来語の浸透率を出せないかなと思い調べてみたところ、既に文化庁や国立国語研究所などで認知率などの調査がされていました。
そこで今回は少し違う切り口として、「○○とは」検索を使い、意味が分からず知りたいと思った言葉=”新しめの言葉”もしくは”必要になった言葉”にどの程度カタカナやアルファベットが含まれているのか見てみたいと思います。
「とは」検索におけるカタカナ・アルファベット割合
まずは検索者数上位1000キーワードにおけるカタカナ・アルファベットの割合を見てみます。
すると多少の前後はあるものの、意味が調べられている上位1000キーワードのうち約50%がカタカナのみ もしくはアルファベットのみ のキーワードであることが分かりました。
内訳としては、カタカナが4割程度,アルファベットが1割前後となっています。(上位100キーワードの場合両方とも多少増えるものの、大体似た傾向でした)
個人的には、アルファベットの中には省略語になっており意味が推測できないものも多いのでもっと多いかと予想していましたが、結果を見てからいざ考えてみるとあまり浮かばず、直感と実際の結果の差を感じました。
参考にそれぞれに入っていたキーワードがこちらです。
検索者数上位5位を取っています。
アルファベットには略称系やIT用語が多く、特に略称は元の言葉を意識せずに使っているものも多いのではないでしょうか。学生の頃に機構名が紐づかず辛い思いをした記憶が蘇ってきます…
カタカナは略称も一部では見られますが、いわゆる外来語の「プロパガンダ」や造語の「メタバース」のようにその言葉自体が意味を表しており、他で説明することが難しいものも多いように感じられました。
また余談ですが、2020年に「パンデミック」「サブスクリプション」が来ているように各年の流行りを表したキーワードも多く、「とは」検索を見ることでいつ頃その言葉が主流になったかも見えてきそうです。
性別・年代での検索キーワードの違い
意味が調べられているキーワードのうち、約半数がカタカナ/アルファベットであることが分かりました。
では男性と女性で割合に違いはあるのでしょうか。
先ほどと同様に上位1000件のキーワードを見比べてみたところ、割合自体は小さいもののアルファベットに差のある様子が見て取れました。
どういうキーワードで差が生まれているのか、男性のみに出現したアルファベットのキーワードを見てみます。
こちらを見ると、「rpa」「csr」「cfd」といった言葉が見られます。
ビジネス用語(特にIT関連?)や投資用語にはアルファベットが多く存在しており、これらの関心が強く出やすい男性の方が比較的目や耳にする機会が多いということなのかもしれません。
最後に年齢でも差が出てくるかと思い見てみましたが、20~69歳を5歳刻みで見ても明らかな割合の差は見て取れませんでした。
しかし各年齢の特徴キーワードを見ると、覚えた場面がイメージしやすかったため1つご紹介になります。
こちらは20-24歳に特徴的、かつボリュームのあったカタカナのみキーワードです。
お酒名はカタカナばかりで覚えていくの大変なの分かる
就職活動や新卒の時に色んなカタカナ用語出てきて覚えたな
「リクルートスーツ」「シャチハタ」のように定義が分からなくて検索したことあるな
など、皆さんも身に覚えのある納得感の持ちやすい結果なのではないでしょうか。
また「ガクチカ」(※学生時代力を入れたこと の略)のように私がこの年齢の時には無かった言葉も出てきており、言葉の移り変わりの面白さも改めて感じられました。
性別・年齢で絞ることで日常に浸透したキーワードをどんな場面でいつ覚えたのかを見ることが出来そうです。
皆さんもよく使ってしまうカタカナ・アルファベットの言葉があれば、覚えた場面を思い出してみてはいかがでしょうか。同じ傾向が他の人にも見られるかもしれません。
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