地方の高校だった。東京から赴任してきた体育教師がいた。顔をはっきりと記憶していた。
出身が東京だったらしい。
15、16年後、30か31歳の時だったか。
渋谷のスクランブル交差点の人混みの中で体育教師の横顔を見かけたことがある。
一瞬だったが、人と人がすれ違う中で通り過ぎて行った。
カリブ海トリニダードで生活していた頃、日本へ一時帰国していた際、
トリニダード島で、アパートに比較的近くに住んでいたS母娘とJR新宿駅南口の自動券売機の前で
偶然出会った。その時は実際に声をかけて驚いた。
親父は、敗戦時、満州から戻る船に乗ろうとする混沌の雑踏の中で弟と出会ったと言う。
繰り返し何度も聞かされた。
普段ありえない確率だろう。偶然はどこにでもあるのだろう。
一般的な説明、解説はいつもこうだ。
脳が特定の一部分だけの現象を取り上げて特別に記憶し、
手の平の皺、星の運行等と関連づけてしまう、運命づけてしまうのだろう、と。
占い師はなくならない。
自分の半生を考える時も同じかもしれない。
女房が時々言う。
あんたは興信所が似合っていた。さらに、
あんたはずっと波に乗り続けてきたから、後は落ちてしまうかもしれないと。
それはそれで受け入れるしかないのだろう。
それなりに右往左往するのだろう。
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