はじめに
GKEを運用するにあたり、悩みどころの1つとなるのがマシンタイプの選定です。
多種多様なマシンタイプが提供されていますが、それぞれ比較検討するのはなかなかに重労働となります。
今回は運用コストのみを見据え、執筆時点(2024年4月)で最安となるマシンタイプを考えていきます。
結果だけ見たい方はこちら
Standard まとめ
Autopilot まとめ
前提
- マシンは東京・大阪のどちらかのリージョンに置くものとします
- マシンサイズは4 vCPU, 4 GB Memoryで計算を行います
Standard
Standard GKE Clusterではノードプールのマシンタイプを選択することになります。
Tokyo Regular E2
Spotの料金紹介の前に、Regular Instanceの料金を紹介します。
- 東京リージョン(asia-northeast1)
- Regular Instance
- E2 マシンタイプ
- 4 vCPU
- 4GB Memory
- 標準永続ディスク 20GiB のブートディスク
- 50台を1ヶ月運用
これらの条件を満たす料金は $4637.77 となります。
これと比較して、いくつか条件を変更しながら最安のマシンタイプを探っていきます。
Tokyo Spot E2
- 東京リージョン(asia-northeast1)
- Spot Instance
- E2 マシンタイプ
- 4 vCPU
- 4GB Memory
- 標準永続ディスク 20GiB のブートディスク
- 50台を1ヶ月運用
これらの条件を満たす料金は $1850.87 となります。
Regular Instanceに比べて 約4割 まで金額が減りました。
Osaka Spot E2
- 大阪リージョン(asia-northeast2)
- Spot Instance
- E2 マシンタイプ
- 4 vCPU
- 4GB Memory
- 標準永続ディスク 20GiB のブートディスク
- 50台を1ヶ月運用
これらの条件を満たす料金は $1907.08 となります。
金額差は少ないですが、東京リージョンの方が安い形です。
Tokyo Spot N2D
- 東京リージョン(asia-northeast1)
- Spot Instance
- N2D マシンタイプ
- 4 vCPU
- 4GB Memory
- 標準永続ディスク 20GiB のブートディスク
- 50台を1ヶ月運用
これらの条件を満たす料金は $1281.32 となります。
調べたところ、これが東京リージョンでの最安のマシンタイプとなります。E2 Regularと比較すると 3割以下 の料金で利用できます。
Osaka Spot N2D
- 大阪リージョン(asia-northeast2)
- Spot Instance
- N2D マシンタイプ
- 4 vCPU
- 4GB Memory
- 標準永続ディスク 20GiB のブートディスク
- 50台を1ヶ月運用
これらの条件を満たすの料金は $717.47 となります。
調べたところ、これが日本国内における最安のマシンタイプとなります。Tokyo E2 Regularと比較すると 15% の料金で利用できます。
Standard まとめ
- 東京リージョン(asia-northeast1)
- Spot Instance
- E2 マシンタイプ
- 4 vCPU
- 4GB Memory
- 標準永続ディスク 20GiB のブートディスク
- 50台を1ヶ月運用
これを基本として、マシンタイプやリージョンを変えていった結果がこちらです。
金額 | 比率 | 備考 | |
---|---|---|---|
Tokyo Regular E2 | $4637.77 | 1 | |
Osaka Regular E2 | $4689.77 | 1.01121228521 | |
Tokyo Spot E2 | $1850.87 | 0.3990861988 | |
Osaka Spot E2 | $1907.08 | 0.4112062478 | |
Tokyo Spot N2 | $1731.44 | 0.3733345983 | |
Osaka Spot N2 | $2550.35 | 0.5499086846 | |
Tokyo Spot N2D | $1281.32 | 0.2762793325 | 東京リージョン最安 |
Osaka Spot N2D | $717.47 | 0.1547015052 | 大阪リージョン最安 日本最安 |
Spot Instanceの料金はこちらで確認することができます。
asia-northeast2のN2D Spot Instance、圧倒的です。
Autopilot
Autopilot GKE Clusterはノードプールの概念を考えずに利用できるGKEです。
面倒なノードプール管理から解放される上、無駄なくリソースを扱えるようになるのでおすすめのモードとなります。
今GKEを使うなら、特別な事情がない限りはこちらを使うことになると思います。
Autopilotはノードプールではなく、使用したリソース量に応じて課金されることになります。
また、E2やN2のような区分ではなく、いくつかのクラスに分かれた価格設定となっています。
Autopilot まとめ
- 東京リージョン(asia-northeast1)
- Spot Instance
- 4 vCPU
- 4GB Memory
- 20GB Storage
- 50台を1ヶ月運用
これを基本として、コンピューティングクラスやリージョンを変えていった結果がこちらです。
基本的に東京リージョンと大阪リージョンで価格差はないため、東京リージョンだけの比較とします。
金額 | 比率 | 備考 | |
---|---|---|---|
汎用 Regular | $9,310.931 | 1 | |
汎用 Spot | $2,824.8664 | 0.3033924749 | 東京リージョン最安 |
スケールアウト x86 Spot | $3,553.859 | 0.3816867508 | |
バランス Spot | $4,088.146 | 0.4390695195 |
東京と大阪の価格差がないのも踏まえて、汎用のSpotが順当に最安となる結果でした。
おわりに
StandardならN2D Spotが最安!
Autopilotなら汎用 Spotが最安!
ノードプール管理の煩雑さに耐えられるなら 大阪リージョン Standard Cluster N2D Spot Instanceが最強!!
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