自民党安倍晋三総裁が3500円のカツカレーを食べて以来、高級カレーにすっかりハマってしまった記者(私)は、5000円カレーがもっとも高値だと信じていた。ところが、上には上がいる。東京・銀座に1万円カレーというのが存在したのだ。まさか5000円カレーで体感した、圧倒的な美味しさを凌ぐ価値のカレーがこの世にあるとは!?
「これは私に対する挑戦では!?」と理解した記者は、早速1万円カレーを食べに行ってみた。そうしたところ、もはやカレーがオマケにしか見えないレベルの逸品であることが判明。オーダーしたものがカレーであったことさえ、忘れてしまったのであるッ!
驚異の高額カレーを提供しているのは、東京・銀座の資生堂パーラーだ。ここの4・5階のレストランフロアで「伊勢海老とアワビのカレーライス」が提供されている。
・三日前までに予約必須
以前は店舗のメニューにも掲載されており、来店時にオーダーすることも可能だったようだが、現在は予約必須である。少なくとも三日前までに予約しないと、食材の都合でオーダーできないそうだ。火曜日(月曜日は定休日)に電話予約した記者は、金曜日にようやく食べに行くことができた。
・予想外の展開にファイヤーッ!!
さて問題のカレーとは、予想外の形で遭遇することとなった。記者はてっきり、伊勢海老とアワビがデンッ! と乗ったカレーライスが登場するものだと思っていたがそうではなかった。席で待っていると、皿に盛られた伊勢海老とアワビが登場。「伊勢海老は三重県産、アワビは北海道産のものになります」と丁寧な説明を受けると、ギャルソン(男性給仕)がその場で加熱を始めた。
固形燃料を使用したグリラーの上にフライパンを置き、そこに伊勢海老とアワビを投入。下茹で処理をしたこのふたつの食材に、ブランデー「レミーマルタン」を回しかけると……。いきなりファイヤーッ!! 火が出た、火が! これカレー? これから出てくるのはカレーだよね? 記者は動揺してしまい何をオーダーしたのか忘れた。
・ルーはあとから到着
上記の火をつける行為は、「フランベ」と呼ばれている。これはブランデーの香りを食材につける調理法で、テーブルの周りにはほのかに甘い匂いが漂っている。そのまま器に伊勢海老とアワビを取り、そこにご飯を添えてそのまま出された。あとからルーが到着してカレーの完成。まったく考えもしなかった提供方法にただ驚かされるばかり。
・伊勢海老とアワビが圧倒的すぎる!
伊勢海老とアワビ、このふたつがメインの食材。圧倒的な存在感で、皿の半分以上を占めている。カレーがかすんでしまうは、どうしようもないことだ。いや、もうカレーはどうでもいい! なぜなら伊勢海老がウマイからだッ! アワビがウマイからだッ!!
・カレーがオマケレベル(笑)
三日前までの予約が必要なだけのことはある。伊勢海老もアワビも新鮮で、もしかしたら生食も可能なのでは? と思うほどプリプリとした歯ざわり。そして、食材本来の甘みを存分に堪能することができた。さすが銀座、さすが資生堂パーラー。食に対するこだわりがハンパではない。問題のカレーはと言うと、ウマイ。ウマイんだけど、やっぱり印象が薄くなってしまうことを否定できない。残念ながらカレーはオマケと見てしまうのも無理はないのだ。
以上、国内最高峰レベルの高額カレーのレポートである。これを凌ぐカレーは、もう日本国内には存在しないはず。記者の考えでは、ここまでくるとカレーの進化には限界に達しており、付け合せの食材が値を上げていくだけになるように思うのだが。もしも1万円を超えるカレーをご存知なら、お教え頂きたい。おそらくこれがカレー価格の頂点だと思うのだが、いかがだろうか。
レポート:フードクイーン・佐藤
Photo:Rocketnews24
▼ オーダーの後しばらくして、伊勢海老とアワビ登場
▼ テーブル前で「フランベ」の開始。レミーマルタンをかけて……
▼ ファイヤーッ!!
▼ こ、これ、カレーだよねーーッ!?
▼ ふたつの食材を皿にとり、そこにご飯を投入
▼ 伊勢海老とアワビのカレーライス、完成ッ!
▼ カレーが完全にオマケになってしもうた。というか、伊勢海老とアワビにカレーをかけたくない感じ……
▼ 伊勢海老のミソを食べるのに結構苦戦
▼ サービス料込みで1万1550円