それは2015年1月半ばのことだった。岩手県盛岡市を取材していたときのことである。もっとも繁華な界隈、大通の裏手の路地を歩いていたら、私(佐藤)は立ち止まらずにいられなくなった。あるお店のちょうちんの文字が、目に飛び込んできたからだ。そこにはこうある……。
「もっこりラーメン」、もっこりラーメンだと!? これは私に語りかけてきているちょうちんではないのか? 『佐藤よ、もっこれ。もっこれ、佐藤』、そう呼びかけているのではないのか? いや、私だけではない。すべての男に語りかけているように見えるぞ。もっこれ、もっこれ、もっこれと。おい! 野郎ども、時は来たッ! もっこりラーメンを食べて全力でもっこれ!! 勝ち鬨(かちどき)を上げよ、オーッ!!
・底知れぬ盛岡
実はお店は、以前の記事で紹介した、焼き冷麺のお店「遊食屋 FUJI」の真向かいにある。ふたつのお店を同時に発見した私は相当困惑した。冷麺の概念を覆す料理を提供するお店と、かたやもっこりラーメン。底知れぬ盛岡の商魂を垣間見た瞬間であった。
・素通りできない
このお店を見て素通りができるほど、私は人間ができていない。これを挑戦と受け止めたのだ。やったろうやないか! 見事にもっこって見せようぞ! ということで店内へ。注文は入店前から決まっている。お店の看板であるもっこりラーメン。これ以外の選択肢はあり得ない。私はもっこる気満々だった。
・ここはチャーシューだろ
ところがメニューを見て驚いた。もっこりラーメンは2つある。豚味噌もっこりラーメンと豚味噌もっこりチャーシューメン、う~ん……。ここはよりもっこり感のあるもっこりチャーシューメンだろ。という訳でもっこりチャーシューメンを注文した次第だ。
・シメにいい!
味はガツン! と来るかと思ったら、スープ自体は若干甘めの味付けになっている。肉味噌がアクセントになって、その甘さを引き立てているようである。後から感じたことなのだが、これはもしかしたら盛岡名物のじゃじゃ麺をイメージしているのではないだろうか。麺はチヂレ麺でスープに良く絡む。飲みのシメにはもってこいの味である。
・どうせなら威勢よくやって欲しい
ちなみにひとつ注文がある。オーダーが入ったら、「もっこり一丁!」、「あいよ! もっこり一丁、ありがとうございます!!」くらい威勢よくやって欲しい。オーダーしても、「豚味噌ひとつ」とか「チャーシューひとつ」とかだと、お店の名前の意味があまりないような気がした。「大もっこりお待たせしましたーッ!」とかやって欲しいのだが……。
・ハイレベルにもっこれたのか?
はたして、私はもっこったか? もっこりラーメンでよりハイレベルにもっこれたのか? ご想像にお任せするとしよう。とにかく、男は黙ってもっこりラーメン! 素通りなど言語道断。これは男に対する挑戦であると心得るが良いッ!
・今回紹介した店舗の情報
店名:豚味噌もっこりラーメン 盛岡店
営業時間:11:30~24:00
定休日:日曜日
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24