2016年1月6日~9日まで米国ラスベガスで開催された、世界最大級の家電展示会「CES」。韓国のサムスンからは “スマート冷蔵庫” が、日本のパナソニックからは “透明テレビ” など、世界の有名メーカーから時代の先端を行く新製品が発表され話題となっているが……。
そのCESで中国のメーカーがさらに驚くべき製品を発表していた。それは『人を乗せて飛ぶドローン』である。しかもこのドローン、ハンドルなどのいわゆる操縦稈(そうじゅうかん)が装備されていないというのだが、いったいなぜなのだろうか。
・開発したのは中国の「イハン(EHANG)」
その新製品を開発したのはイハンという中国のドローンメーカーである。そして製品の名前は「イハン184」というらしい。1人乗りで、8つのプロペラと4つのアームを持っていることからその名前が付けられたとのことだ。
・自動操縦で目的地まで飛行
このドローンの特徴は冒頭でお伝えした通り、人を乗せて空を飛ぶこと、そして機体を操縦する為のハンドルが無いことである。なぜなら、座席に設置されたタブレットで行き先を設定すれば、あとは自動操縦で目的地まで飛行してくれるからだという。いくら自動操縦といっても、いざという時の為に手動で操縦する為の装置が無いと危険な気がするのだが……。
・平均時速100kmで23分間も飛べる
なお、機体の全高は約2m、プロペラを含む全長は約4m。機体はカーボンファイバー樹脂とアルミで作られていて、総重量は200kg前後とのこと。現在日本で販売されている軽自動車が1000kg程と考えると、かなり軽量だ。しかもそれが上空500mを平均時速100kmで23分間も飛ぶというから驚きである。
・商品化まで前途多難か
動画でその姿を見てみると、コンパクトなボディーが何とも近未来的でカッコイイのだが……実は飛んでいるシーンがほぼCGとなっており、実際に人を乗せて飛んでいる映像はないに等しい。
しかも、ドローンに人を乗せての全自動飛行となると法的にもクリアしなければならない問題が多く、業界関係者からは「商品化まではまだ前途多難なのでは?」との声も多いようだ。
・価格は約2400万円~3500万円(20万ドル~30万ドル)の予定
気になるお値段は、約2400万円~3500万円になる予定とのこと。自由に空を移動出来るとなればこの価格でも購入者は現れるかもしれないが、とにかく最終的には、このイハン184に乗って空を飛ぶことが法的にイハン(違反)にらならないかどうかが問題となりそうだ。さあ、果たしてドローンで空の旅をする日は訪れるのだろうか。
▼「イハン184」の解説動画はこちら。