携帯電話やスマホに搭載されてから世界中で一気に普及した、デジタルカメラ。最近では、簡単に画像加工ができる専用アプリなども登場し、より写真が親しみやすいものとなっていることはご存知の通りである。

そんな中、早稲田大学の研究チームが、驚くべき画像処理技術を公開した。その技術を使えば、画像中の不要な物体を消したり、人の顔を変形させたりといった複雑な編集がなんと、簡単に出来てしまうという。

・全く違和感なく画像を完補する技術「GLCIC」

今回ご紹介するのは、研究チームの飯塚里志さんがツイッターで公開している映像である。公開されて2日足らずで2000回以上リツイートされているから、にわかに注目を集めていると言っていいだろう。

問題の映像を確認してみると、画像内の人物をコンピューターでラフに白く塗りつぶした次の瞬間……なんと、まるで初めから誰もいなかったかのように、塗りつぶした部分が補完されたではないか。こ、これは……?

続いて、顔写真の目や口を白く塗りつぶす様子も映し出されるのだが、これまたビックリ。塗りつぶした箇所に以前とは違う目や口が現れ、一瞬で顔写真が補完されてしまうのだから、驚くしかない。

発表によると、『畳み込みニューラルネットワーク』という手法を用いたもので、「補完ネットワーク」が画像を補完し、「大域識別ネットワーク」が画像全体を評価、さらに「局所識別ネットワーク」が詳細を評価することで、自然な画像補完を可能にしているのだという。

2017年7月30日から米国で行われるCGとインタラクティブ技術の国際会議、SIGGRAPH 2017で、この画像処理技術「Globally and Locally Consistent Image Completion(GLCIC)」についての論文が発表されるとのことである。きっと実用化されるであろう、このGLCICのさらなる展開に要注目だ。

参照元:Twitter @stsiizkディープネットワークによる画像補完(SIGGRAPH 2017)
執筆:K.ナガハシ

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