トランプの世界には「神経衰弱(しんけいすいじゃく)」という有名なゲームがある。裏返したトランプを並べ、ひっくり返して同じ数を当てていく……みたいな遊びだ。
──あまり知られていないことだが、実は100均の世界にも似たような遊びがあり、その名も「百均衰弱(ひゃっきんすいじゃく)」という──。
ルールは簡単。100円グッズをひっくり返し、裏面に書いてあるメーカー名(製造社名)を当てるというもので、知識と経験がモノを言う、大ブレイク必至のゲームである。みなさん、ご存知だったかな?
いま私が考えた遊びなので ご存知だったら逆に心配であるが、この百均衰弱、1人でやるとチョー楽しい。さあ世界大会の決勝戦……。「これはどう考えてもヤマダ……」と思いながらひっくり返すと、まさかまさかの「サナダ」みたいな!!!!
そんな百均衰弱を続けていくと、みなさんもあることに気づくことだろう。それは、プラスチック製の箱(カゴ)をひっくり返した時に発生する……
圧倒的イノマタ率だ。
その確率たるや、石を投げたらイノマタに当たるレベル。日本という国はイノマタで囲まれているのではないか……くらいのイノマタ率であり、いつぞやか紹介したヤマダの存在によって日本のバランスは保たれている……といっても過言ではないほど。
ちなみにイノマタとは、大阪を拠点とする「イノマタ化学株式会社」のこと。良質なプラスチック製の家庭用品を次々と世に送り出す、100均界には欠かせない主要メーカーであり、もちろん全てのイノマタ製品はメイド・イン・ジャパン(日本製)だ。
ともあれ、せっかくなので、今から私と一緒にバーチャル百均衰弱をしてみよう。
まずは会社の仕事机。いまこの原稿は、机の上のパソコンを見ながら執筆しているが、ずっと視界の隅にはイノマタがチラ見えしている。それはどこかと申しますと……
ゴチャゴチャした小物が入っている白いカゴだ。もう、ひっくり返さなくても「イノマタ感」はプンプンと漂っているが、いちおう念のため裏を確認してみると……
イノマタである。
気分転換のため、流し台へ。私くらいの100均eye(アイ)を持っていると、すでに3つのイノマタ(スリーイノマタ)を感じているが、あまり知られていないイノマタからめくっていこう。
知られざるイノマタ、それは……
給湯器にくっついている「マグネット式ペン立て」である。「ウソだろ? そんなバカな……」と疑う人もいるだろうから、いちおう裏面を撮影しておくが……
イノマタである。
ちなみに、いま紹介した2つのイノマタはイノマタ界でも少々マニアックなイノマタであり、イノマタ感度が乏しい人なら素通りしてしまう可能性あり。
だがしかし、これから紹介するイノマタは、おそらく誰もが知っているイノマタのグッズ。ある意味、井の中の蛙でも知っているイノマタのグッズだ。
たとえばキッチンの戸棚を空けたら……
イノマタ!
下の段も……
イノマターッ!
トイレに逃げようとしても無駄。なぜなら……
振り向きイノマタ!
こんなイノマタすぎるオフィスにはいられないっ……!! いますぐ帰宅っ……と玄関に向かっても無駄である。
お見送りのイノマタ。
もっとも、家に帰ったとしてもイノマタの世界からは抜け出せない。自宅の玄関の靴箱をひらいても……
色とりどりなイノマタ。
洗濯機の上も……
白一色(パイイーソー)のイノマタ。
キッチンの上も……
下も……
イノマタすぎるほどのイノマタなのである!!
おそらく、このようなイノマタシンドロームにおちいっている人は、私だけではないはず。長くなってしまったが、「圧倒的イノマタ率」の意味、少しはお分かりいただけたであろうか?
ちなみに、そんな圧倒的すぎるイノマタが、満を持して世に放った新商品が、つい先日紹介した『プルアウトボックス』である。ただでさえイノマタだらけなのに、またひとつイノマタが……。「ヤマダ」や「サナダ」を加え、少しは中和していきたい。
参考リンク:イノマタ化学株式会社「ストックバスケット シリーズ」
Report:100均研究家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.