缶詰が好きだ。安いしウマイし保存がきく。貧乏1人暮らしが長かった私(中澤)は、何度命を救われたことか知れない。缶詰を愛している。
中でも、コンビニやスーパーに必ず並んでいるのがさんま蒲焼だ。複数の会社が出しており、いずれも安定のウマさを誇るこの缶詰。はたして、一番ウマイのはどれなのか? 「マルハ」と「ちょうした」を食べ比べてみたぞ!
・タレが違うッ!
以前の記事で、キョクヨー、マルハ、ニッスイが出しているさんま蒲焼を食べ比べた私。そんなに違いがないかと思いきや、『マルハさんま蒲焼(税込み213円)』だけが圧倒的にウマかったことをお伝えした。
あくまで個人的な見解だが、マルハはタレが違う。なめらかなとろみのあるタレが、さんまの身を包むように絡んで濃厚な味を演出するのだ。他の缶詰のサラッとしたタレでは太刀打ちできないレベル。ああ思い出しただけで白ご飯が欲しくなる。
・異論ありッッ!
だが、そんな食べ比べの結果をレポートした記事に、以下のようなコメントが殺到した。
「ちょうした食わずしてサンマ缶語るなかれ」
「何故にちょうしたがない?」
「ちょうしたはどうした?」
「ちょうしたが無い…」
「ちょうしたが無いって片手落ちにも程がある」
──などなど、「ちょうした」のさんま蒲焼を猛烈にプッシュしている声が。どうやら、さんま蒲焼缶詰と言えば「ちょうしたが最強」という定説があるようだ。マルハもかなりウマイと思うんだけど、そんなに凄いのか「ちょうした」……。
しかし、コンビニやスーパーを数店舗回っても「ちょうした」のさんま蒲焼を発見することはできなかった。近所のスーパーにも売ってないしなあ……。仕方がないので Amazon で購入。田原缶詰のHPでは小売り価格220円だが、なぜかAmazonで1個からの購入は468円だった。レアなのかもしれない。
・役者は揃ったッッッ!
それはさて置き、準備が整ったところで、前回の王者マルハと食べ比べてみよう。そこらへんのコンビニで買ってきたマルハは、相変わらず濃厚な甘辛さのあるタレが身に絡んで安定の味だ。
さんま蒲焼缶詰の中で、マルハのタレだけに使われているコーンスターチさんが今日も良い仕事をしているようである。やはり何度食べてもマルハのタレは違う。
ちなみに、「ちょうした」の原料にはキョクヨー、ニッスイと同じく糊料が使われているようだ。
さて、では「ちょうした」はどう攻めてくるのか? 食べてみたところ……
確かにウマイ!
口当たりの優しいタレがふわっと舌を包み、その後をさんまの味が追いかけてくる。素材の旨みを活かすようなタレだ。さらに、クオリティーの高さを感じるのは、身自体にタレの味がしみまくっていること。
噛むとジュワッとくるこのしみしみ度は明らかにNo.1! タレが優しいだけに、抜群に上品な味に仕上がっている。調味料が同じと言えど、これもまたキョクヨー、ニッスイの比ではない。では、ディフェンディングチャンピオンのマルハと比べるとどうか?
・地上最強のさんま蒲焼はどいつだッッッッ!
個人的な見解となり恐縮だが、これは甲乙つけがたい。なぜなら、前述の通り、マルハのタレには圧倒的なオリジナリティーがあるからだ。
上品かつ美しい切れ味を誇る「ちょうした」に対し、ジャンクかつ濃厚な個性で攻める「マルハ」。さながら、プロ格闘家対ケンカ殺法の殴り合いを見ているようだ。もはや『刃牙』なみの胸アツバトルである。
缶詰はただの保存食ではない。そこにはそれぞれの物語が詰まっている。今回もそんな物語を知ることができた。200円ちょっとの価格は非常に安いと言えるだろう。
Report:缶詰研究科・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼最大トーナメント……もとい、さんま蒲焼缶詰食べ比べ第1回はこちらの記事↓