今、ワークマンがアツいらしい。かつては坊主頭で質実剛健な高校球児的イメージだったものの、気づけば髪を伸ばし、ブランドショップで服を買うことを覚えたルーキーのプロ野球選手くらいになっている……と私は聞いているぞ。つまり、ワークマンの野郎がオシャレになったと。
商品のラインアップ的にも、昔と全然違うんだとか。現在は作業着だけでなく、「オシャレ防寒ウェア」だったり、「長財布」まで手掛けているのだから、時代は変わったとしかいいようがない。その影響か、ワークマンの株価も絶好調。上昇気流に乗りまくっているようだ。ところが……
・ワークマンに強敵
あの「ミズノ」が作業服市場を狙っているらしい。産経新聞によると、ミズノは今年4月にワークビジネス事業部を発足させ、同社の部長は「新たな幹となる事業に成長させたい」と話しているそうだ。
スポーツ用品でお馴染みのミズノが作業着……これは何と言えばいいのだろう。「逆ワークマン的行動」と言えばいいのだろうか?
よく分からないが、ワークマンにとってみたら楽観できる事態ではない気がする。なにせ作業服市場はワークマンにとって本丸。そこを爽やかなスポーツブランドのイメージが強い「ミズノ」に突かれるのだから。心穏やかじゃないはずだ。
キングダムでいえば、攻めて守ろうと精鋭を函谷関(かんこくかん)に集めていたら、李牧に裏を取られ、自分ところの都・咸陽(かんよう)がピンチだと知った政(せい)的な気持ちと言うか。そんな感じではないのか?
・ミズノの作業着を購入
とにかく気になったので、ミズノの作業着を実際に購入してみることにした。今回私が手に入れたのは、ワークジャケット(税抜7040円)と、ワークパンツ(税抜4840円)。
ちなみに、購入はミズノのオンラインショップで済ませた。本当は実物を見て何を買うか決めたかったのだが、12月の上旬にミズノに問い合わせたところ、私の職場(新宿)近辺では、ワークウェアの取り扱いがないことが判明。泣く泣くネットでポチることに。そして実物を見たら……
作業着のど真ん中!
オシャレ要素をふんだんに取り入れた「日和り気味の作業着」ではなく……
ガチのヤツであった。
・実際に着てみた
実物を手に取って気づいたことを挙げるならば「軽さ」だろう。作業着なのにどことなくエアリー。このあたり、スポーツウェアの開発で培ったノウハウが活かされております的な感じなのだろうか? ってことを思いながら、服に袖を通してみた。すると……
悪くない。
いや、良い。
手に取ったときから予想していたが……
やっぱり動きやすい。
ジャンプも……
懸垂だってスムーズ!
結論を言うと、「さすがミズノ」といった作業服であった。だが……!
・混乱
何より個人的に印象的な瞬間は、ワークマンのダウンベストと合わせて着た時にやってきたのである。
というのも……
どれがミズノでどれがワークマンかさっぱり分からないんだ。これ、10年前の自分に「ミズノはどれ?」と聞いたら、確実に間違えるヤツだろ?
時代はすごいスピードで変化してるってことを痛感させられるな……。もはや、ワークマンが躍進しているというだけの話ではない気がする。反撃に次ぐ反撃で、業界の勢力図が大きく変わる予感。
この調子なら、いつか作業用軍手のシェアNo.1がNIKEになる日が来るかもしれない。それどころか、トラクターのシェアNo.1にadidasが躍り出るかもしれない。そんなことを考えさせられたミズノの作業着であった。
参考リンク:ミズノ公式オンラインショップ、産経新聞、Business Journal
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼ちなみに、元々懸垂できないっす。決して服が悪いわけじゃないから誤解しないように。