日本のみならず、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。飲食店を始めとする多くのサービス業に深刻な影響を及ぼしているが、観光地もまた甚大な被害を受けている。今回は日本有数の観光地として知られる、東京は「浅草」の今をお届けしたい。
・日本最高峰の観光名所
普段は国内及び、海外からの観光客であふれ返る浅草。特にインバウンド客にとっては「東京で立ち寄るべき観光スポット」の1ページ目にあるような位置づけで、実際に普段の浅草は様々な言語が飛び交っている。
例年であれば春先は桜の見頃も重なり、休日はもちろんのこと平日も多くの人でにぎわうシーズンだ。浅草で商売をする人たちにとっては、いわば “かき入れ時” と言っても差し支えないだろう。都内最高峰の観光名所、それが浅草である。
・1カ月半とは大違い
ところが、その浅草でさえも人影はまばらであった。今から1月半前の2月中旬は普段とさほど変わらない人でにぎわっていた雷門の周辺も、わずかに人がいる程度。そこに活気はなく、ただ人力車のお兄さんたちがいつ来るかわからないお客さんを待ち続けていた。
普段はゆっくりとしか歩けない仲見世通りもほとんど人がおらず、浅草寺の境内も数えられるほどしか人がいない。真夜中でもない限り、ここまで人が少ない浅草寺は過去ほとんどなかっただろう。
さらに、雷門通りや浅草六区なども、観光客らしき人たちはほぼ見当たらない。人がいないことは無いが、せいぜい地元の人たちが買い物に出かけているくらいの印象で、特に海外からの観光客らしき姿はほとんど見かけなかった。
・仕事を自粛できない理由
途中、人力車のお兄さんに話を聞くと、以下のように話してくれたのでお伝えしよう。
「人の数だけで言ったら9割減どころじゃないと思います。海外から人が全然来なくなっちゃってますし、東京都の外出自粛要請が出てからは一気に日本人の観光客も減っちゃいましたね。まあ、その前からだいぶ減ってはいたんですが。
僕らも接客業ではありますが、屋外の仕事なので大丈夫だろう、と自分に言い聞かせています。とはいえ、本当は自粛すべきだってわかってはいるんですが、仕事を休み続けたらコロナの前にメシが食えなくて死んじゃいますからね。休みたいけど休めない、というのが正直なところです」
ちまたで多く言われている問題が、まさに浅草でも起きていた。政府および東京都の、補償なしの「お願い」だけに留まらない早急な対策が待たれる。
というわけで、東京は浅草の現在の様子をお届けした。今は不要不急の外出は控えるしかないが、新型コロナウイルスが落ち着いたあかつきには、浅草のみならず多くの店にお金を落としたいものだ。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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