アメリカやイタリア、スペインなど、いくつかの国が「非常事態」や「緊急事態」を宣言する中、幸いにも日本はそこまで至っていない。ただ「日本の緊急事態宣言も秒読み」とする声もあり、今がその瀬戸際であることだけは間違いないだろう。
2020年3月25日、東京都が「外出自粛」を要請したことをきっかけにテレワークなども急増したと思われるが、果たして実際に都内の街はどうなっているのか? 今回は日本最大級のカルチャー街「秋葉原」の様子をお届けしたい。
・人が集まる街
古くは日本最大級の電気街として知られた秋葉原も、ここ20年ほどはオタクの街、ひいてはカルチャー街として広くその名を知られるようになった。同時にここ数年は大型オフィスビルが次々と建設されるなど、オフィス街としての開発も進んでいる。
また、国内、国外を問わず観光客が多いことも秋葉原の特徴で、平日も休日も電化製品やアニメ、アイドルのグッズを求める人の姿が目立つ。オフィス街としても観光地としても多くの人が集まる街、それが「秋葉原」だ。
・買い物客はあまりいない
4月初旬、平日の午前中に秋葉原を訪れてみたところ、いつもよりは人が少ない印象を受けた。特に電気街や末広町方面に向かうエリアなどは普段よりかなり人が少なく、コスプレをしたメイドカフェの呼び込みも皆無。サービス業、接客業の危機的状況が垣間見えた。
逆に駅から大型オフィスビル「UDX」へは絶え間なく人が流れており、一定数の企業では現在でも普段とさほど変わらない営業が続いているようだ。中小サイズのオフィスが多く集まる、岩本町方面に向かう人も少なくなかった。
・ビジネスマンは意外と普通にいる
とはいえ、みな足早に歩を進めており、どこかに立ち寄ったりする人はほとんど見当たらない。仕方がないから仕事には行くけれど、さっさと仕事を済ませてさっさと帰りたい……と言ったところだろうか。
ちなみに大手家電量販店の店員さんは、現在の秋葉原の様子をこう教えてくれた。
「雪の影響もあったと思いますが、先週末はビックリするくらい人が少なかったですね。あんなに人がいない秋葉原も珍しいんじゃないですか? 平日も買い物に来られる方はグッと減りました。特に急を要する家電でもない限り、みなさんネットで買っちゃうんじゃないですかね。
平日のビジネスマンの方も減ってると思いますよ。ただ、朝や夕方の駅周辺は相変わらず混んでます。あとは外国人観光客の方がほとんどいなくなりましたね。個人ではチラホラ見かけますが、団体さんは本当にいらっしゃいません。売上げですか? 良いワケがないじゃないですか(苦笑)」
当然といえば当然だが、個人単位では外出の自粛を心がけている人が多いようで、また外国人観光客らしき人たちもほとんどいなかったことから、秋葉原の経済的ダメージはかなり大きそうだ。いつもは行列ができる飲食店でさえも閑古鳥が鳴いていたことを記述しておく。
というわけで、ビジネスマンはそれなりにいたが、買い物客や観光客はあまりいなかった秋葉原。週末になるとやや傾向が違う可能性もあるが、しばらくの間はこんな状況が続きそうだ。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]