吹き抜ける風も光るような5月のある日。とても美しいお菓子に出会いました。白いスポンジからのぞくもっと白いクリーム。儚げな真っ白のロールケーキは無言でミニストップのスイーツコーナーにたたずんでいました。
雪よりも白いんじゃないだろうか? そんな私(中澤)の視線に気づいたのかもしれません。ロールケーキはニコリと微笑んだかと思うと、私の手の中に飛び込んできたのです。この時、私はまだ知りませんでした。このロールケーキの恐ろしい本性を。
・kiri
名前を聞いたところ、ロールケーキは小さい声で「kiri」と答えました。kiriと言えば、あの由緒正しきフランスのクリームチーズブランドの? しかし、そんなお嬢さんがなぜこんなところに?
そこで素性を調べてみたところ、彼女の名前は正確には「kiri・チーズクリームロールケーキ・モンテール」。フランスと日本のハーフであり、2020年5月1日から6月30日まで全国販売されているもののようです。
・背徳的な甘み
税込390円で家に連れ帰り、フタを剥ぎ取ると、白いスポンジが露わになりました。風にたなびくワンピースのように太陽を反射してキラキラまぶしいスポンジ。そして、そのスポンジに包まれたキメ細かいチーズクリーム。麗しい……もはや我慢の限界でした。
かぶりつくとふわっと柔らかいスポンジの質感。そして、なめらかなクリームから背徳的な甘みが舌に広がります。こんなにトロけるロールケーキは初めてだ!
・欲望
無我夢中の私をそっと受け入れる彼女。1切れ食べ、2切れ目に差し掛かった時、繊細なチーズクリームから彼女もまた頑張っているのだということが伝わってきました。愛おしい……!
2切れですでに胸はいっぱいだったのですが、彼女の態度に欲望は加速する一方。足りない! まだまだ足りない!! 心が叫ぶままに貪り食べた結果……
胸ヤケがヤベェェェエエエ!!
ただでさえ濃厚なkiriのチーズクリームロールケーキ。4切れ食べ終わった後の重さもまた濃厚でした。にもかかわらず、途中で止める理性を崩壊させる味。まさに魔性のロールケーキと言えるかもしれません。恐ろしや恐ろしや。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.