このコロナ禍で、ありとあらゆる業種が影響を受けている。とりわけ、人が集まってこそ成り立つ「ライブハウス」は、存続の危機に瀕しているだろう。その支援のために、あの男のオフィスが動いていた。故内田裕也氏である。

2019年3月に他界した裕也氏、その事務所が2020年7月からマスクの販売を開始していたのである。収益の一部はライブハウス支援プロジェクトに寄付されるそうだ。

・内田裕也のマスク

私(佐藤)がこのマスクを見つけたのは、東京・渋谷のミヤシタパークだ。商業施設レイヤードの2階、渋谷にこだわった土産物を扱うお店「ザ・シブヤ・スーベニア・ストア」で、裕也氏の肖像写真を発見した。


2枚組1690円(税込)と書いてあるので、てっきり未公開音源作品でもリリースされたのかな? と思った。ところが、よく見るとマスクだ。「MASK(マスク)」の表記が「MUSK」になっているけど、小さく「Sorry!」と書いて修正しているところが可愛らしい。存命だったら怒られるかもしれないが、その間違いも含めて内田裕也らしく感じてしまう。

それにしても凛とした立ち居姿である。他界したはずなのに、その息吹を感じられるのは気のせいではないはずだ。


・Rock’n Roll! PEACE!

2012年9月、私は青森県の夜越山スキー場を訪れていた。「青森ロックフェスティバル ~夏の魔物~」、このフェスがまだ青森県で開催されていた時に、1度だけ訪ねたことがある。その時に出演した裕也氏をこの目で見た。

彼のバンド「内田裕也&トルーマン・カポーティ R&RBAND」は、なんとモーニング娘。の『LOVEマシーン』でステージに登場。ふざけているのかと思ったら、マイクの前に裕也氏が立つと、場の空気は一瞬にして変わった。ステージ上はもちろん、観客の側にも緊張感が漂い、もう立ってるだけでパフォーマンス。存在が “ライブ” だったことを良く覚えている。


そんな彼の「Let’s Mask Rock’n Roll」


マスクの表にはワンポイントが施されていて、地球の上に「Rock’n Roll!」「Peace!」と記されている。


着用感は軽やかで、呼吸がしやすい。抗菌布を使用しており、手洗いで繰り返し使用が可能なのだとか。個人的なマスクの1位はドムドムバーガーのものなのだが、このロックンロールマスクはそれに次ぐ着け心地。間違いなく、私のマスクローテーションに加わる優良マスクだ。


「不滅のROCK魂で疫病退散!」、その願掛けはウソじゃない。着けていると、ロックの神様に守られている気分だ。少なくとも着けた私の心には、強い気持ちが宿っている。裕也氏の加護を受けると共に、ライブハウス支援の一助になれば幸いである。

なお、販売はミヤシタパークのほか、銀座博品館、新宿思い出横丁吉田商店。オンラインでも販売しているので、気になる方はチェックして欲しい。

参照元:Yuya Press
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24