このコロナ禍で、ファッション業界は大打撃を受けている。特に紳士服専門店はテレワークの普及によって、スーツ販売に影響が出ていることだろう。そこで各社は新しい路線の商品開発を進めている。例えば「スーツのAOKI」は気軽に着られて日常使いもできる「パジャマスーツ」の販売に成功し、高い評価を得ている。
最近、ライバルの「洋服の青山」もまた新しい機能を持った商品の販売を開始した。それがマジで驚くべきものだった! ジャケットが○○○に変身する業界初の超画期的な一品だ。でも、致命的な弱点が……。
・○○○になるジャケット
そのジャケットは2021年4月23日より、全国の主要170店舗、および同社のオンラインストアで販売を開始している。上下のセットアップで、ジャケットの店頭価格は税込1万4300円、パンツが税込6490円となっている。なお、オンラインストアではジャケットが税込1万2870円、パンツが税込5841円だからWEB購入の方が少し安くなっている。
驚きの機能を持っているのはジャケットの方だけなのでそちらのみを購入した。色はカーキとブラックの2色。サイズはS~LLの4サイズ。ちなみにパンツは76~88センチの5サイズが用意されている。一見普通のジャケットなんだけど……。
背面を見ると、真横に1本の切れ目が入っている。背中側だけ見ると、作業着っぽい雰囲気だけど、外見で判断できる大きな特徴はそれだけ。一般的なシングルのジャケットである。
実際に着用してみると、ジーンズと合わせてもしっくり来る。セットアップパンツならカチっとした印象になるかもしれない。
やっぱ後ろを見ると、作業着っぽいんだよなあ。なんだろう、この切れ目は?
・全部裏返すと……
さて、そろそろコイツの秘密を明かしていこう。内側を見ると、背中部分に大きな袋状のものがある。だが、ジャケットの内側から袋に手を突っ込むことはできない。ポケットにしてはデカいし、そもそも内側から手を入れられないなら、モノを入れられないしなあ。
背中の切れ目をよく見ると、そこにジッパーがついていた。ということは背中側から開けるということになる。なんのためのジッパーなの?
ジッパーを開けて中身を取り出すと、紐みたいなのが出てきたぞ!
そのまま中身を出しつつ、ジャケットを中に入れ込んで全部裏返しにしてみると……。
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バッグに大変身!! なんとこれはエコバッグだったのだーーー!
なんてこった! ジャケットをエコバッグにする発想はなかなか浮かばないぞ。一体なぜコレを作ったのだろうか? ニュースリリースにはこうある。
「買い物時に “マイバッグ” を持参する消費者が増加していることから、仕事帰りのちょっとした買い物に便利に使えるアイテムとして提案していきます。“バッグに変えられるジャケット” を発売するのは当社が業界で初めてとなります」
そうでしょう、そうでしょう。ジャケットをバッグにしようなどと、簡単にはヒラメかないものですよ。
でもね……このバッグは、買い物したものがあまり入らないんだよ。なぜならジャケットを詰め込んでいるから、容量は小さいのです。
しかも服が入っているところに、買い物したものを入れる気持ちには、ちょっとなれないと思うんだよなあ。魚とかね、肉とか。汁物の総菜とか。汚れる心配をしてしまうのは、私だけではないはずだ。
一応、撥水加工を施してあって自宅で洗濯も可能らしいんだけど、1万円以上出してこのジャケットを買うなら1000円くらいの折りたためるマイバッグを買ってしまうかも。
この手のパッカブル(持ち運び可能)なジャケットは、ワークマンが4800円で上下揃うものを出してしまっているしなあ。う~ん、惜しい……。
とはいえ、ジャケットとしては十分に価値がある。軽くて丈夫、着心地も軽やかでこれからのシーズンにぴったりだ。気になる人は、店頭で試着してみることをオススメする。
参考リンク:洋服の青山(PDF)
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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