解くのが難しいパズル、として有名なものがいくつかある。たとえば一世を風靡(ふうび)した白1色の「ミルクパズル」。ナンプレや詰碁(つめご)も、出題によっては何十時間もかかるような難問になるという。
ここに「チョコレートパズル」というおもちゃがある。明治の板チョコそっくりで、対象年齢6歳以上と、見た目にはなんの害もなさそうな平和的なおもちゃだが、だまされちゃいけない。手にした人を発狂させる鬼畜的アイテムなのだ。
・「明治チョコレートパズル(ホワイト・ミルク・ブラック)」税込880円
割れたチョコを組み合わせて、長方形の板チョコを完成させればクリア。ホワイト、ミルク、ブラックの3種類あって、難易度を表している。筆者のものはミルクチョコレートで「ピュア(甘め)」だ。難易度 “中” というところか。
ピースは12個。実はこれ「ポリオミノ」と呼ばれる古典的なパズルで、正方形の数で「ドミノ」「トロミノ」「テトロミノ」と名前が変わる。本商品は正方形5個でできているのでペントミノ。
それぞれのパーツにちゃんと名前もあるらしいぞ。たとえば一直線の「I」や、十字架のような「X」など、アルファベットにちなんでいる。日本でも1950年代から知られており、なんとロシアでは「テトリス」のもとになったのだとか。どうりで似ている!
・やってみよう
それではやってみよう。端から順に詰めていくと、それなりにきれいに収まる。パーツは両面使えるので、困ったら裏返すと先に進めたりする。順調、順調……
あれ、最後の1ピースがはまらない。
解法は2339通りもある。そのうち、どれか1つにでも引っかかればいいわけだから、やっているうちにたどり着きそうなものだけれど……
やっても
やっても
やっても
最後の1ピースがはまらない! ピースをカチ割りたくなる!!
「絶対に角には来ない」パーツがあることがわかってきたので、それらを中央に配置することを心がけるも……
やっても
やっても
やっても
やっても
やっても
ダメ! なんじゃこりゃー!!!!
空間認知力が弱い筆者には余計に難しい! 解ける気がしない。本当に対象年齢6歳から? もしかして理系クラスタの人なら簡単だったりする?
商品には解答や解説は同梱されていない。「パズルを解く “楽しみ” と “苦しみ” を充分味わっていただくため」「ぜひ自力で解答を見つけていただき、本物の “感動” を味わってください」とある。ムキーッ!
結局ググった。半分くらいまで解法に従って並べて、残り半分を自分で埋める方式にしてみたが、それでも20分くらいかかった。ここまで丸2日! 筆者だけかと思って人にもやってもらったが、やはり苦戦していた。
コツとしては、十字など複雑な形を先に使ってしまうこと、そしてL字など汎用性の高い形を最後までとっておくことのようだ。
派生パターンとして、長方形ではない図形を作る遊び方や、記録表にメモしながら2339通りを見つける遊び方があるらしいぞ。いや、もう結構です……
・挑戦者もとむ
同シリーズの「明治ブラックチョコレートパズル」は正方形6個のヘキソミノで、難易度は「ビター(苦め)」だ。今回のミルクチョコよりもさらに難しい。解法はたった1つ!
一方の「明治ホワイトチョコレートパズル」は正方形3~5個のピースが混ざっていて、解答は7764通りに。難易度は「スイート(とける甘さ)」だ。
世の中には、なんの訓練もしなくとも数字を直感的に捉えられる人や、展開図や回転図をすぐイメージできる人、方向感覚に優れている人がいる。
自分にない能力をもつ人の感覚は、想像が難しいが、たぶんこの「ポリオミノ」が得意だと人生のいろいろな場面で役に立つんじゃないだろうか?
我こそは、という人はぜひ挑戦してみて欲しい。筆者には永久に無理である。