”よく分からんメーカーのよく分からんカップ麺” を発見することは珍しくない。しかしこの日ドラッグストアで見つけた『製麺所が作る焼きそば』シリーズ(山本製粉株式会社)は、一般的な ”よく分からんカップ麺” とは異なるオーラをビンビンに発していた。
なぜなら有名な『UFO』や『ペヤング』より圧倒的に売り場面積が広いのである。この日見つけただけでも5種類ものバリエーションがあり、相当売れているとみていいだろう。税込95円という安さは確かに魅力的だが、何か他にも秘密があるのではないか? なんとなく匂うな。
・岡山の誇り『ザグザグ』とは
私が本商品を発見したのは『ZAGZAG(ザグザグ)』という、岡山県内で圧倒的な勢力を誇るドラッグストアだ。運転中にザグザグの緑の看板が見えてくると「あぁ、岡山に突入したのか」と感じるのは “中国地方あるある” である。
「 ♪ ちょっと気・に・な・る……ザグザグ!」というテーマソングは一度聴いたら呪いのように耳から離れないので注意が必要。
さて『製麺所が作る焼きそば』シリーズについて調べたところ、『日本ドラッグチェーン会』(NID)という組織の加盟店でのみ販売されているらしい。主な加盟店は中国地方だとザグザグやジュンテンドー。関東ならトモズ、関西ならコクミンドラッグなど全国約4000店舗。
つまりNID加盟店のドラッグストアが生活圏内にない人は、永遠に出会う機会がない商品なのである。シリーズには袋麺タイプもあるが、今回は『まぜそば』も含めたカップタイプ5種類を実食してみることにしよう。
・ソース多すぎ問題
5つのカップ麺を開封したところ、少なくとも麺の見た目は全て同じである。焼きそばには「かやく」(キャベツのみ)が付いており、まぜそばには無し。ソースは全て粉末タイプ。
まず最もノーマルな『焼きそば』から。1食あたり77グラム。『日清焼きそばUFO』が128グラムであることを考えると、かなり量は少なめだ。
が……それにしてはソースの量が多くないか? 薄味のソースなのかな? パクリ……
メチャクチャ辛ぇ。
・ソースの量は調節すべし
この場合の「辛い」は単純にソースが濃すぎるのである。これほど辛いと麺の味も分からない。
そこで続く『焼きそば からしマヨネーズ付』は、独断でソースの量を半分にしてみた。こちらは今回唯一の税込106円(その他は95円)。からしマヨ代が11円ということか。
……うん、ウマイ。大手の定番カップ焼きそばと勝負できる味だ。もちろん好みによるが、最初は少なめから自分好みのソース濃度を見つければいいのではないだろうか。逆に普段「カップ焼きそばってソースが少ない」と感じている人には相当オススメ。
・激辛ゾーンに突入
さて元々私は「そこそこの辛いモノ好き」を自負していたのだが、ペヤングが『極激辛焼きそば』シリーズを乱発し始めてからというもの、めっきり「激辛」が怖くなってしまった。
今回購入した5種類のうち、3種類は商品名に「激辛」とある。よってここからは当サイト内で唯一ペヤングの『極激辛』を完食できる男・サンジュン記者に食レポを代行してもらうことにしたい。ちなみにノーマル『焼きそば』(ソース全投入)も試食してもらったところ、やはり「しょっぱい」との答えだ。
それじゃ第1の刺客『焼きそば 激辛HOT』から。
ハ……ハクシュン! ソースを混ぜた瞬間からツーンとコショウっぽい香りが漂ってくる。
サンジュン「うん、確かに辛味がある。辛いのが好きな人にはいいんじゃない? ちょうどいい辛さだね」
おお……激辛ライターの彼にも「辛い」と認めてもらえたようだ。続く第2の刺客『まぜそば 激辛』はどうだろう。
ヘ……ヘ……ヘックション! こちらもかなりスパイシーな香りで。
サンジュン「うん……最初は甘いけど、あとからキッチリ辛い。 “おいしい辛さ” だね」
・そのとおり
そう! 昨今の激辛ブームによって「とにかく辛けりゃいい」という風潮にある激辛インスタント麺界だが、正直ちょっと度が過ぎているのである。そこへきて『製麺所が作る焼きそば』シリーズの激辛は、言うなれば「古き良き激辛」。ギリおいしく食べられるの辛さなのだ。
最後はシリーズ最強とおぼしき『まぜそば 激辛MAX』だが……
まぁ『激辛』より少し辛いかな? 程度。どこかインド料理のような、それでいて坦々麺のようでもある。辛いものが苦手でなければ、おそらくヒーヒー言いながらもおいしく食べられるだろう。
また最近はカップ麺がどんどん巨大化している中、77グラムという中途半端なサイズ感が逆にイイ。ご飯と一緒に食べるのもアリだ。
ちなみに東京へ戻った私は最寄りのNID加盟店『トモズ』へ行ってみたのだが、残念ながらこの店舗では売られていなかった。いつか偶然出会えるかもしれない『製麺所が作る焼きそば』シリーズ、見つけたら即買い必至である。
参考リンク:NID公式サイト
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼袋麺タイプもある