エリザベス女王即位70年に沸く2022年のロンドン市内。お祭り騒ぎに便乗したくて来てみたものの、物価が高すぎて水を買うにも躊躇(ちゅうちょ)するありさまだ。イギリスといえば『フィッシュ&チップス』が有名だが、アレ、なかなかイイ値段するのな〜!

そんな貧しいロンドン旅行で、意外にも世話になったのが『丸亀製麺』である。海外で日本食を食べる場合は “現地の食べ物より高め” が基本。しかし物価が高すぎるロンドンにおいては、よもやの逆転現象が起きているのだ。さすがは俺たちの丸亀製麺やで!

・カフェっぽい丸亀製麺

ロンドンの丸亀製麺は昨年7月に1号店がオープン。そこからわずか1年で、現在は5店舗が営業中だ。ヨーロッパ内で丸亀製麺を食べられるのは現在ロンドンだけとあって、近隣諸国からもファンが駆けつけているのだそうな。

この日私が訪れたのは、カフェにしか見えないSt. Christophers店。ロンドンの丸亀製麺は『MARUGAME UDON(丸亀うどん)』と呼ぶらしい。

『かけうどん』が4.75ポンド(約772円)。驚くべきは『ぶっかけうどん』を『BK』と表記することだ。なんかブラックジャックみたいでカッコイイ。

店内もオシャレ。あとBGMがメッチャオシャレ。

トレイを持ってうどんを注文し、天ぷらやおにぎりをセルフで選んでいくシステムは日本と同じ。

違うのは店員さんが青い瞳をしていることと……

トッピングが異様に充実していることくらいだろうか。


・ロンドン限定メニュー

この日注文したのはロンドン限定メニューの『Two Pork Tonkotsu(ダブル豚骨)』(8.95ポンド / 約1454円)。

う〜む……完全にトンコツラーメンを意識したビジュアルだ。外国人がトンコツラーメンを好むことは有名だが、麺は何でもいいのだろうか……?


…………あっ、酸っぱい!


「本当に豚骨使ってる?」と疑いたくなるほど超あっさりしたトンコツスープは、どちらかといえば鶏白湯に近いマイルドさ。そこへ謎の酸味がアクセントになり、サンラータンメンみたいな複雑な味わいに昇華しているぞ。想像と違うなぁ。

分厚くて大きなチャーシューは硬め。

豚肉味噌はちょいピリカラで、混ぜれば味の変化が楽しめる。んで、肝心のうどんは……


コシが全然ない!!!


・これがロンドンスタイル?

丸亀製麺は『讃岐うどん』を看板に掲げていて、讃岐うどんといえば強いコシがウリのはず。しかしロンドンの丸亀うどんは、鍋焼きうどんのごとくフニャフニャのヤワヤワなのであった。

一瞬「茹ですぎたのかな?」と感じたものの、日本人旅行者の口コミなどを調べたところ、やはり「麺が柔らかい」という意見が多くみられた。おそらくロンドンでは、そもそもの設定が柔らかめなのだろう。

トンコツスープに柔らかうどん。ロンドン限定『ダブル豚骨うどん』は、なんだか福岡県民が熱愛しそうなメニューなのであった。そしてトッピングの味つけ卵は「塩にでも漬けたか」ってくらいショッパい。イギリス人の好みが分からなくなってくる。

付け合わせに選んだのは『ビーガンコロッケ』(1.65ポンド / 約268円)。普通においしいカボチャコロッケでした。

昼すぎになると行列ができ始めた注文カウンター付近。やはり丸亀うどんは現地民たちに愛されているようだ。ロンドン限定ダブル豚骨うどん……日本人の好みは分かれそうだが、特に福岡県民は一度試してみてほしい!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]