香川県といえば、言わずもがな「うどん」が有名。もはや香川県が自称しているように『うどん県』と呼んだ方が、しっくり来るかもしれない。

そんな香川県に私(耕平)は、先日人生で初めて訪問した。そして初めて来た土地で、ここ最近必ず行なっていること。それは地元の名物料理で1番美味しいお店を、地元に詳しいタクシードライバーに案内してもらうことだ。

前回は大分県でチャレンジしたが、ここ香川県でも試してみることにした。ということで、タクシーを拾って聞いてみる。


「運転手さんが1番美味しいと思うお店まで連れてってください……うどん以外で


・うどん以外の名店に行きたい!

高松空港に到着して、リムジンバスに乗ること1時間弱。高松市の中心街にある、アーケード街に到着。


通りには、タクシーが数台待機している。


その先頭にある、50代後半くらいの方が運転するタクシーに乗車。


乗った瞬間、さっそく意を決してこう切り出した。


耕平「初めて香川に来たんですが、お腹が空いちゃって……どこでもいいので、運転手さんが1番美味しいと思うお店まで乗っけてってくれませんか?」


運転手さん「うーん……そうなると、やっぱりうどんですかね?」


耕平「いや、うどん以外でお願いしたいんですが……」


運転手さん「えっ??」


一瞬、車内に沈黙が立ち込める。この時点で怒られることも想定した。だが、ここで運転手さんが……


運転手さん「お客さん、お酒飲みます? もしよかったら、私が仕事終わりによく行く居酒屋があるので、そこでいいですか?」


耕平「はい! ぜひお願いします!!」



しかしなぜ「うどん以外で」とお願いしたか? それは「うどん県」とまで呼ばれている地域に旅行で来て、うどんを食べることなど当たり前だからだ。

今回の旅は2泊3日。今日が初日なので残り2日の間、うどんはいくらでも食べるチャンスがあるだろう。それであれば、違う名物を地元の人のオススメで食べてみたい。それが理由だ。

タクシーは、JR高松駅方面に向かう。その間、運転手さんは私が初めて香川県に来たということもあり、香川県が日本で面積が1番小さいことや、都市部の再開発のことなど、いろいろ教えてくれた。なんて良い運転手さんなんだ。


そして、目的地に到着。


運転手さん、ありがとうございました!



・大人気の海鮮居酒屋だが…

今回、運転手さんに連れてってもらったのは、「海鮮居酒屋 神童ろ(わらじろ)」というお店だ。


店頭には、種類豊富なメニューが並んでいる。


中でも、四国4県の名物料理が全て堪能できるのは魅力だ。


これは期待しかない! さっそく店内に入り店員さんに声をかけてみる。が、さすが人気店。予約が無いか聞かれ、していないことを告げると21:00くらいにならないと席が空かないとのことだった。

時計を見ると、まだ19:00前。約2時間待つことになると、さすがに厳しい。せっかく、あの優しいタクシーの運転手さんに教えてもらったのに、また新たに探さなくてはいけないのだろうか? そんなことを考えていると、店員さんに話しかけられた。



店員さん「もしよかったら、すぐ近くにウチの姉妹店があるので、どうですか? さっき空き状況を聞いたら、まだ若干お席に余裕があると言っていたので」


マジか! 「ぜひお願いします!」と店員さんに即答。場所を聞いたら、歩いてすぐのところに、そのお店はあった。


寿し×海鮮酒場 酔灯屋(すいとうや)


エレベーターを使って、ビルの3階にある店舗に到着。


予約をしていないことを伝えると、カウンターが空いてるということで無事入店できた。


・絶品料理の数々

カウンターに座ると、目の前には新鮮なネタがズラリ!


メニューに目を通すと、瀬戸内海の幸を堪能できそうな料理の数々が並んでいる。


その中で私が注文したのは、「お造り盛合せ(小)」(税込950円)


そして店員さんに香川県に初めて来たことを伝え、他にオススメはないかを聞いたところ、全力で勧められたのは……


讃岐名物「骨付鳥」!


「おや鶏」と「ひな鶏」の2種類があり、店員さんは最初は「ひな鶏(税込950円)」を食べてみてほしいと勧めてきた。きっと店内の料理を知り尽くしているであろう、店員さんが言うなら間違いないだろうと合わせて注文。



カウンターで待つこと数分。一緒に注文した「ニッカハイボール(税込550円)」の後に「お造り盛合せ(小)」が運ばれてきた。


5種類の新鮮な魚介類が美しく盛り付けられていて、これが小サイズ? と驚かされる種類とボリュームだ。


もう、視覚で完全に満足してしまいそう。抑えきれず、まずはサーモンを口に運ぶと……


メチャメチャ新鮮!


脂乗りも良くて、トロットロの食感。口の中で、サーモンの旨みがジュワーっと拡がってくる。他の海の幸も、感動レベルの美味さだ。


おかげでハイボールも、グビグビ進んでしまう。


そして、待ちに待った「骨付鳥(ひな鶏)」が到着!


香ばしさが、鼻の奥を突き抜けて食欲を掻き立てる。大口開けてガブりつくと……


はい、優勝です。


外はパリパリで、口に入れると想像以上の肉汁の量が溢れ出す。何より、ビックリするくらい柔らかい。

皿に置いて箸で鶏肉を押し付けると、鶏料理では見たことがないくらいの大量の肉汁が吹き出してきた。


もともと個人的に鶏料理は大好きだが、その中でも唐揚げを超えるレベルかもしれないと思えるくらいの逸品。あっという間に、最後の一口を頬張り完食した。


──ということで、ここ香川県でも親切なタクシードライバーさんのおかげで、素晴らしいお店に出会うことができた。

「うどん県」と言われているが、まだまだ香川県には未知のグルメが潜んでいるはず。まだまだ地元民がオススメする、美食の旅は続いていくだろう……。

・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 寿司×海鮮居酒屋 酔灯屋 
住所 香川県高松市西の丸町13-7 酔灯屋駅前ビル3F
時間 月~土、祝前日: 17:00~23:00、祝日: 17:00~22:00
定休日 日曜日

執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.