板タブ、買っちゃいました。
My new gear!
— Rwi (@rwiiug) 2024年11月19日
板タブ、買いました!
ゲーム機液晶(DSやWiiU) → 板タブ → 液タブ → 板タブ(いまここ)
液晶ペンタブレットで延々と消耗した末に、板タブなら液タブの諸々のデメリットを回避できるのでは・・・?と思い至り板タブに回帰。XPPENの「Deco Pro MV(Gen2)」を購入してみました。 pic.twitter.com/mkqnht0CFD
液タブ『Wacom Cintiq Pro 16 (2021)』購入から2~3年、
思うところがあり、このタイミングでXPPen社の板タブ『Deco Pro MW (Gen2)』を購入してみました。
購入動機や製品の所感など、何かしら参考になりましたら幸いです。
【目次】
【液タブ/板タブ 遍歴】
「DSやWiiU等のゲーム機」「板タブ」等
→ 液タブ『Cintiq 13HD』
→ 液タブ『Kamvas Pro 16(2.5K) 』
→ 液タブ『Wacom Cintiq Pro 16 (2021)』
→ 板タブ『XPPEN Deco Pro (Gen2)』←今ここ
INFO
公式サイト
Deco Pro(Gen 2)シリーズ | XPPen公式サイト
購入の参考になった動画
購入の経緯
2022年に『Wacom Cintiq Pro 16 (2021)』を購入。
その性能自体に満足はしていたものの、
- 夏場はファン音が気になる
- 高額すぎて取り扱いに緊張
- 環境の変化(お絵かき頻度の減少等)
等の理由から、より安価な他製品への乗り換えを検討していました。
そこでスペック的に近い、XPPen社の液タブ『Artist Pro 16 (Gen 2)』を購入しようかと悩みに悩み・・・
その最中、同じくXPPen社の板タブ『Deco Pro (Gen2)』を発見。
液タブ『Artist Pro 16 (Gen 2)』と板タブ『Deco Pro (Gen2)』、
描画性能(使用可能なペン)はどちらも同じ。
今まで選択肢として液タブ一択だったけど、実は板タブでも良いのでは・・・?
板タブなら液タブ特有の課題も解消できるのでは・・・?
(動作環境の確保、普段の置き場、作業時の配置、発熱やファン音、描く時に手が邪魔、画面との近さ・作業姿勢等から来る健康面、費用面、etc...)
と考えが至り、購入を決意。約10年ぶりの板タブ再デビューとなりました。
古のWacom板タブ『Bamboo』民、いざ参ります。
Deco Pro (Gen2) 所感
良いところ
価格
XPPEN製の板タブの中では最上位モデル。それでも価格は2万円前後。
液タブに比べ、圧倒的に低コスト。
そのため、
・費用的に導入しやすい
・浮いたお金をモニターやカラーキャリブレーターなど、他に回せる
・故障時の精神的ダメージも抑えられる
等々、メリットとしてかなり大きい。立派な優位性。
シンプルな形状
板タブには余計(だと個人的に思っている)ボタン類が無い。
真っ平らでシンプル、スタイリッシュなビジュアル。アガる
本体下部のなだらかな傾斜
描く時に手の付け根あたりが痛くなりづらい設計。「わかってる感」
ついナデナデしたくなる触り心地。
欲を言えば、4辺全部がなだらか仕様だったらより良かった。(本体を回転させて使う場合は傾斜の恩恵なし)
描き心地も良好
ペン性能は現時点で最強クラスのスペック。
『Wacom Cintiq Pro 16 (2021)』と比べても遜色なし。違和感もなし。
違いは無くはないのかもしれないけど、自分も含め、ほとんどの人はもう「どっちでも良い」という領域に突入しているのでは。
「ポインタのズレ」「画面端でのズレ」等、中華液タブでよく気になると言われる点も、板タブなら無問題。
左手デバイスも付いてくる
おまけとして評判高い左手デバイス「ACK05」が付属。
Bluetoothが使えなくても、付属のレシーバーをPCのUSB端子に差し込むだけで無線で使えて簡単便利。
ホイール部分がカリカリで気持ちいい。
単体購入価格は6600円ほど。おまけとしてコレが付いてきちゃうの、何かのバグでは?
悪いところ
- ペンが高性能な反面、価格がだいぶ高い(Wacomよりはまだ良心的価格)
- ドライバ上から筆圧設定が細かくはできない。(各ソフト上で調整すればOKではある)
- サポート面や、日本向け対応は少し不安。
日本版サイト → サポート からやりとりしての印象は「質問にはちゃんと答えてくれる」「日本語OKだけど、相手が日本人ではないことは分かる」具合。担当ガチャとのウワサも?
正直、これといった明確な欠点が見当たらない。強すぎでは・・・?
その他 雑感
長期的な耐久性については未知数。
板タブは頑丈らしいので長く使えるといいな。
Blenderでマウスの代わりとして操作したり、DAWでピッチベンドやCCを書くのに利用したりにも使える。
性能が良いに越したことはないけど、そうした用途だとややオーバースペック気味かも。
個人的な要望として、もう少し小さいサイズがあっても良かった。
一番小さいMサイズを選んだけど、元来「手首で描く」タイプとしてはそれでも大きく感じたり。
反応範囲を狭めればいいので大は小を兼ねられるものの、置き場的にはよりコンパクトなラインナップもあれば嬉しかった。
関連製品
ペン
付属のペンの代わりとして、「X3 Pro ローラースタイラス」ペンを購入。
テールスイッチが無くなった代わりに、マウスに付いているようなホイールがペンの先端に追加。
ホイールはカリカリ、カチカチ、コリコリした感じ。(引っかかりがあり制御しやすい。何回転させたかが分かる。スルスルとは回らないタイプ)
このペン一本で「左クリック、右クリック、中央クリック、ホイール」と、マウス操作がすべて行えるように。
Blender等のソフトでペンを持ちながらズームを行いたい際、マウスに持ち替える必要が減りとても便利!
板タブ本体の安価さと比較して、ペンの価格が高いのだけが大きなネック。
長持ちするよう慎重に使おう・・・
標準 & スリムタイプのペン。
スリムタイプがあるのは嬉しい人も多いのでは。
高い、けどこの描画性能ならギリ許せる・・・!
替え芯
X3 Proペン、X3 Proローラーペン 用
X3 Pro スリムペン専用
ペンごとに使える芯が決まっているので、"対応機種"の表示を要チェック。
その他
紙粘土のような、練り消しゴムのような「粘着剤」。
1つあれば「ペン置き」等を作るのに役立ちます。
[参考]
#XPPen Artist Pro 16 Gen2
— ほかず🌱 (@uzakoH) 2024年11月7日
液タブの縁に貼って剥がせる接着剤を使って左手デバイスやら簡易ペンホルダーをぺたぺた設置
液タブが大きいから姿勢も改善されたし乗り換えてよかったですわ
2560x1600の画面解像度が程よくイイ感じ👍
画面はアンチグレア特有のノイズっぽさもなくてかなり綺麗で最高です pic.twitter.com/HSxUX0okNT
スタンドに板タブを乗せて、少し角度をつけて描くのもあり。
液タブからの移行だとしっくりくるかも。
Mサイズで横置きなら、前々から使っていたこのスタンドが丁度良い感じでした。
スペースは少し取る。けど移動はしやすい。
Deco Pro (Gen2) 用の保護フィルムは公式では取り扱い無し。
選択肢があまりなかったので、保護フィルムの導入は様子見中。
本体にボタン類がなく真っ平らなので、サイズが小さくなければ保護フィルムはなんでもOKなはず。
板タブなら「反射防止」などの機能は意味がないので、買う際は描き心地や耐久性能で選びたいところ。
購入候補だったWacomの板タブ。エントリー向け。
Wacomだけどかなり安い。
Sサイズならかなり省スペース。MサイズならDeco Pro (Gen2) のMサイズと同じくらい。
性能をそこまで求めない場合はこちらでも十分使えると思う。
購入候補だったWacomの板タブ その2。最上位モデル。
本体サイズに比べて描画可能な範囲が狭い点や、ボタン類の搭載など、Deco Pro (Gen2) とは結構な違いが。
発売年的に古い(標準ペン以外が廃盤に) & その割には高い なので今買うには微妙かも。
余談 - 久しぶり板タブに触れて思ったこと・気づいたこと
● 接続、配置が楽
液タブとPCとの接続は
・「液タブに電源ケーブルを接続」
・「PCとUSBケーブルを接続」
・「PCと映像ケーブルを接続」
と、ごちゃごちゃしがち。
液タブでもPCとType-Cケーブル一本で接続できるケースもあるけど、
PC側も「Type-Cケーブル一本での接続」に対応している必要があり。ハードル高め。
板タブならテキトーなUSBケーブル一本を、その辺にあるUSBハブに繋げばまず動いてくれる。めっちゃ楽。
小さくて軽いので、使わないときはサッとしまっておけたり。取り回しも格段に良い。
また、液タブでは使用時、キーボード・マウスの置き場に悩まされがち。
左手デバイスであれこれしようと、机の上が煩雑になったり。
板タブなら省スペースなので、左から順に「キーボード、マウス、板タブ」の順に並べておける。
もはや左手デバイスいらず。キーボードこそ最強の左手デバイスだ。
● 面白い活用法
板タブとペンの間は1cmくらい離れていても、間になにか物があってもペンが反応する!そして描ける!
そのため、板タブの上にコピー用紙などの紙を乗せた状態でペンを走らせれば、まさに「ペーパー」な描き心地に。
液晶タブレットだと当然、上に紙を乗せたら画面が隠れてしまうのでこれは出来ない。これぞ板タブならでは。
また、板タブだと設定次第で複数のモニター間を横断しての操作も常時可能。
いずれも実用的かは人によりけりだけど、こうした液タブではありえない運用が試せるのも板タブの隠れた魅力かも。
● 板タブは「液晶性能」と「描画性能」を切り分けられる
液タブの場合、「画面が気になる」または「お絵描き性能が気になる」だけで、液タブを丸ごと買い換えるのはとても重たい。
故障の際には、最悪「ただのサブモニター」「ただの板タブ」と化するリスクも有り。
板タブなら画面が気になるならモニターだけを買い換えればOK。
色味がしっかりした物にするもよし、最近流行りの高リフレッシュレートのモニターで気持ちよく線を描くもよし。
お絵描き性能が気になるなら板タブ本体を替えればOK。
いずれにせよ低コストや低リスクで運用し続けられる、板タブの大きなメリット。
● 板タブの欠点
これまでに述べた様々なメリットを帳消しにして、さらにはマイナスにしかねない。
板タブのおそらく唯一にして最大の欠点。
それは「慣れが必要」であること。
これがあるからこそ、多くの人々は板タブ → 液タブへの道を歩んだ・・・
個人的には板タブにすぐに慣れたので、今ではメリットだけを享受できてイエーイという感じです。
それでも、小さなアイコンをクリックするような操作時にはカーソルの表示位置を見ながら、慎重に操作する必要があるので苦戦する時も。
板タブなら置き場に余裕ができるキーボードを使って、ショートカットキー多用で対処したいところ。
こうした点から、やっぱり液タブは液タブで良いなー、とも再確認。
みんな違って、みんな良い。
【締め】
今では皆、無意識的に「液タブ = 板タブの上位互換」と捉えていると思う。自分もそうでした。
だけど、見ようによっては板タブこそが「液タブの上位版」もとい「上級者向け変態機体」とも言える性能をしてるのでは・・・!?
今一度、それぞれの強みと弱みを見直してみて、
選択肢の一つとして「板タブもありかも」と頭の片隅に置いてみてはいかがでしょうか。
液タブはいいぞ! 板タブもいいぞー! おわり!🌱
・・・つづく・・・?