2025年版白川流Excel家計簿の作り方

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2025年を迎え、気持ちも新たにこの度家計簿を一新することにしました。昨年Excelの試験もたくさん受けましたしね。(結果として習っていない関数も使うことになりましたが⋯)

というわけで、Excelの知識を盛り込んだ家計簿を作成しましたので、その作り方をご紹介したいと思います。

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2025年版Excelで作成する家計簿について

必要なもの

  • 2007以降のバージョンのExcel(SUMPRODUCT関数が使えること)、またはそれ相当の関数に対応する表計算ソフト
  • データの入力規則が使える表計算ソフト
  • セルの書式設定が使える表計算ソフト

と、まあこのくらいでしょうか。

大したことは行わないので、安心してください。

元となる表を用意する

元となる表を新規作成します。名前は「2025年版家計簿(サンプル).xlsx」としました。

給料シートを作成する

シート名の変更

まず、家計簿を作成するわけですが、その際に給料も反映させたいので、給料を計算する専用の「給料シート」というものを作成します。

「Sheet1」となっているシート名を「給料」に変更します。

表のガワを作る

つぎに表のガワを作っていきます。ここは人により月給の計算方法は異なると思いますので、多少自由に変更していただいても結構です。

重要なのは、「実績」「合計」の部分です。

「実績」「予定」に分けて、「日付」「h(時間)」「日」「円(時給)」「合計」「控除等」「年額」「h(予定)」「日(予定)」「円(予定)」「合計(予定)」「控除等2」「年額(予定)」を作成します。

幅は自由に設定してください。

そしてここが重要です。これらをテーブルとして設定してください。テーブルとして設定することで、来年の予定を追加した場合にも、データとして扱いやすくなります。

2025/01/09 追記:
無理にテーブル化することもありません。テーブル化することで、逆に使い勝手が悪くなる面もありますので、使い勝手が悪いと感じた場合は、テーブルをクリックしたのち、[テーブルデザイン]タブの[ツール]グループの[範囲に変換]で、テーブルを解除してください。

また、「実績」「予定」は一見するとテーブルの結合をしているようにみえますが、テーブルの結合というのは国が推奨をしていないやり方なので、これは「セルの書式設定」「配置」タブの、横位置「選択範囲内で中央」で設定しています。

まず入力できるデータとして、「日付」「h」「円」「h(予定)」「日(予定)」「円(予定)」が設定できます。あとは、テーブル化したあとに入力をします。

「日付」「2025/1/1」の形で入力し、書式設定で「yyyy"年"mm"月"」としています。

テーブル化する

表をテーブル化します。テーブル化は「挿入」タブの「テーブル」グループの「テーブル」から行うことができます。

テーブルスタイルは「青 テーブルスタイル(中間)2」に設定し、「フィルターボタン」のチェックを外します。

テーブル化することで、書式が行や列の増減に左右されなくなるメリットがあります。

書式を整える

書式設定を整えておきます。

「h」「日」「h(予定)」「日(予定)」にはセルの書式設定で、「表示形式」タブの「数式」で、小数点以下の桁数を「1」とします。

「円」「合計」「控除等」「年額」「円(予定)」「合計(予定)」「控除等2」「年額(予定)」にはセルの書式設定で、「表示形式」タブの「数式」で、「桁区切り(,)を使用する」にチェックを入れておきます。

式を追加していく

「合計」「年額」「合計(予定)」「年額(予定)」に式を追加していきます。

合計(セルE3)

=IF([@日]="","",[@h]*[@日]*[@円]+[@控除等])

となります。

ここで、「控除等」には基本給以外の支給額の調整分の「+500」と、控除金額の「-30000」を足した値が入ります。ここは毎月微調整してあげる必要があります。

年額(セルG3)

=IF([@合計]="","",IF(ROW()=ROW(テーブル1[[#見出し],[年額]])+1, [@合計], [@合計]+G2))

この式の意味は、行が見出し行のひとつ下ならば「[@合計]」を出力し、それ以外ならば「[@合計]+G2」を出力するというものになります。テーブルでは、通常ひとつの列ではひとつの式しか使えないので、それを改善する苦肉の策です。

セルF4でF3、セルF5でF4というようにオートフィルで自動的にずれていきます。

オートフィルについては、こちらをご参照ください。

F4のセルの右下にカーソルを合わせると出る「✙」をドラッグしたままE22の右下までマウスを動かして離します。「✙」をフィルハンドルと呼び、「✙」をドラッグして移動させて、元のセルの結果を反映させることをオートフィルと呼びます。

合計予定(セルK3)

=[@h(予定)]*[@日(予定)]*[@円(予定)]+[@控除等2]

となります。

年額(予定)

=IF([@合計(予定)]="","",IF(ROW()=ROW(テーブル1[[#見出し],[年額(予定)]])+1, [@合計(予定)], [@合計(予定)]+M2))

となります。

給料シートの完成

皆さんここまで順調にできましたでしょうか?正しくできていたならば、以下のようになっているはずです。

家計簿を作成する

2025年1月シートを作成する

いよいよメインの家計簿作りにとりかかります。まずは一息入れましょうか。

(・・・小休止)

さて、一息入れたところで、家計簿の作成です。

シートを追加して、シート名を「2025年1月」とします。

タイトルを書く

なんでも良いのですが、仮に「HGP行書体」フォント「24pt」で、「家計簿」と付けます。

いよいよって感じがしますね。では次に参りましょう。

入出金予定の表を作る

簡易版として作成するので、もっと下に長くしても構いません。とりあえず、「入出金予定」として1月の予定を立てます。列の幅は「11.5」としました。

予定を立てたら、テーブルにします。ここでは、「白 テーブルスタイル(中間)4」を選びました。

チェックボックスの記述

「チェック」という項目が気になった方もいらっしゃると思います。私が作成する家計簿では、「入出金予定」を、のちほど作成する「入出金」の表に反映させたければ「未」または「✓」を選択し、反映させたくなければ「 」のままか、「無」を選択することにします。

「 」「無」にどのような違いがあるかといいますと、「カード引落」「入出金」テーブルから計算するので、明示的に反映させないという意味で「無」を選択するという感じになります。

というわけで、チェックボックスを作っていきましょう。

D5からD11を選択し、「データ」タブから「データツール」グループの「データの入力規則」をクリックします。

次に、入力値の種類を「リスト」とし、元の値に「 ,無,未,✓」と入力します。ここで「 」は全角スペースでなくてはなりません。また、「✓」にも種類がありますが、のちに入出金のところで使う式に入力する「✓」と同じものを記入しておくようにします。

次に、入力時メッセージのタブを開き、「セルを選択したときに入力時メッセージを表示する」のチェックを外します。

エラーメッセージのタブには、「停止」を選び、「リストから選択してください。」というような内容を記述しておけばOKです。

「OK」ボタンを押すと、チェックボックスが反映されます。

書式を整える

ちょっと忘れていましたが、ここで書式を整えておきましょう。

C5からC12とE5からE12をCTRLとSHIFTを駆使して選択し、右クリックでセルの書式設定を開きます。「表示形式」タブの「数式」で、「桁区切り(,)を使用する」にチェックを入れておきます。負の数の表示形式はマイナスが赤く表示されるものを選択します。

正しく設定がされていれば、以下の図のようになります。

入出金の式を書く

のちほど作成する「入出金」テーブルの「残金」を記入するために、入出金の項目の計算式を書いていきます。

チェックに何が選択されているかによって、入出金を表示・非表示させ、合計の値を変化させていきます。

E5からE11に入る式は次のようになります。

=IF(OR([@チェック]="✓",[@チェック]="未"),[@入出金予定],"")

項目「チェック」「✓」「未」が選択されていたら、項目「入出金予定」の内容を反映するというものです。

正しく設定できていれば下図のように表示することができます。

給料を設定する

ここで、入出金予定と入出金の合計を出す前に、給料を設定したいと思います。給料は給料シートから値を持ってくるので、以下のようになります。

=給料!E3

合計を求める

「テーブルデザイン」タブの「テーブルスタイルのオプション」グループの中の「集計行」にチェックを入れます。次に、集計の部分の「入出金予定」「入出金」「合計」を求めます。

次にA12の「集計」という文字を削除し、B12に「計」と文字を入力して整形します。

入出金の表を作る

入出金予定表が完成したところで、入出金の表の作成に移ります。今回は開始月ということで、前月分のカード支払い詳細も加えて入力することにします。

「日付」「用途」「入出金」を入力し、適当な行までをテーブル化します。テーブルスタイルは「オレンジ, テーブルスタイル(中間)3」としました。

次にA24の「集計」という文字を削除し、B24に「計」と文字を入力して整形します。入出金のC24に「合計」を出すようにプルダウンから設定を変更しておきます。

セルの書式設定を行う

セルの見栄えを良くするため、セルの書式設定を行います。セルA16からA23を選択してセルの書式設定で以下のように設定します。

mm"月"dd"日"

次に、セルC16からC24を選択し、セルの書式設定で「表示形式」タブの「数式」で、「桁区切り(,)を使用する」にチェックを入れておきます。負の数の表示形式はマイナスが赤く表示されるものを選択します。

データの入力規則を設定する

データを入力する上で、入力時の負担は減らしたほうがいいですよね?そこで、データの入力規則を使って設定を与えていきます。

セルA16からA23を選択し、「データ」タブから「データツール」グループの「データの入力規則」をクリックします。

入力値の種類に「日付」を選択、データに「次の値以上」、開始日「2024/12/1」と入力します。

次に、入力時メッセージのタブを開き、「セルを選択したときに入力時メッセージを表示する」のチェックを外します。

エラーメッセージのタブには、「停止」を選び、「無効な日付です。」というような内容を記述しておけばOKです。

日本語入力のタブを開き、日本語入力を「半角英数字」と設定します。Google IMEをご利用されている場合、この設定は効きませんので「オフ(英語モード)」を選択してください。

「OK」ボタンを押すと、入力規則が反映されます。

同様に、セルA16からA23を選択し、「データ」タブから「データツール」グループの「データの入力規則」をクリックします。

入力値の種類に「整数」を選択、データに「次の値以上」、開始日「-99999999999」と入力します。

次に、入力時メッセージのタブを開き、「セルを選択したときに入力時メッセージを表示する」のチェックを外します。

エラーメッセージのタブには、「停止」を選び、「金額を入力してください。」というような内容を記述しておけばOKです。

日本語入力のタブを開き、日本語入力を「半角英数字」と設定します。Google IMEをご利用されている場合、この設定は効きませんので「オフ(英語モード)」を選択してください。

「OK」ボタンを押すと、入力規則が反映されます。

残金を設定する

セルC16に残金を反映させておきましょう。式は次のようになります。

=テーブル3[[#集計],[入出金]]

すると、テーブル全体に式が反映されてしまいますので、一番上以外は削除しておきます。注意マークが出ますので、注意マークをクリックし、「エラーを無視する」をクリックします。

カード引落データを入力する

前月分のカード引落データを入力します。

ここで注意が必要なのが、去年の分の日付は「2024/12/1」というように、「2024」をきちんと入力しなければなりません。省略して「12/1」と打つと「2025/12/1」と解釈されてしまいます。

カード引落項目を作成する

カード引落したものを自動で入出金予定のカード引落に反映させたいので、カード引落項目というものを用意します。

項目を入力後、テーブル化します。(テーブルスタイルは「青, テーブルスタイル(中間)6」としました。)

入出金予定のカード引落を設定する

いよいよ、この家計簿の肝といいますか、一番苦労したところに取り掛かりたいと思います。入力した「入出金」「カード引落項目」を元に、自動で「入出金予定」「カード引落」項目を計算したいと思います。

セルC9に次の式を入力します。

=SUMPRODUCT(COUNTIF(テーブル5[カード項目],テーブル4[用途])*(テーブル4[日付]>=DATE(2024,12,1))*(テーブル4[日付]<=DATE(2024,12,31))*テーブル4[入出金])

ここでテーブル5やテーブル4などという数字が出てきますが、これはどのテーブルを参照しているかを意識すれば、どれがどれに対応しているかはわかるかと思います。

DATE(2024,12,1)とDATE(2024,12,31)というのは、この期間の範囲が今月のカード引落の範囲となるということを意味しています。

翌月の「2025年2月」シートを作成した場合の式は、多分次のようになるかと思われます。

=SUMPRODUCT(COUNTIF(2025年1月!テーブル5[カード項目],2025年1月!テーブル4[用途])*(2025年1月!テーブル4[日付]>=DATE(2024,12,1))*(2025年1月!テーブル4[日付]<=DATE(2024,12,31))*2025年1月!テーブル4[入出金])

まあ、シートを指定してあげるだけですね。

この式を反映させると、自動でカード引落が計算されていることがわかります。

ちょっと難しかったかも知れませんが、自動で出力されるのは便利ですよね。面倒であれば、カード引落の項目は削除しても構いません。

財布等の項目を追加

長いお話にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。いよいよクライマックスです。財布等の項目を追加していきます。私の場合、財布とPayPayの項目を作成しています。

例えばこんな感じになります。ここでポイントとしましては、「入出金」「財布」「PayPay」の合計を出す行を一致させておくということです。

合計の行を固定する

この設定が終われば、家計簿の作成は完了となります。行24を選択し、「表示」タブの「ウィンドウ」グループから「分割」をクリックします。

あとは分割の位置を微調整してあげれば完成です。お疲れ様でした。

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最後に

作ってみると簡単なのですが、説明してみるとこんなに長くなってしまったというのが素直な感想です。

家計簿をつけるようになると、節約にもつながるようになりますので、ぜひ皆さんも2025年はじめの月ということで、家計簿を作成してみませんか?

皆さまのお役に立てたならば幸いです。

白川秋
白川秋

ではでは、参考までに。

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