【感想と考察】ヨルゴス・ランティモス監督「ロブスター」ラストの解釈
普通って何かわからないけど、私が長年生きてきている普通のこの世界で、ランティモス監督の作品をみている今日。そんな私の目には、ランティモス監督の作品に登場するキャラクターたちはみんな狂っているように見える(笑)
映画「ロブスター」あらすじと感想
独り身は施設に収容され、45日以内に将来のパートナーを見つけないと動物に変えられてしまう。という世界の話。
その時点で狂ってる。でも、それが当たり前の世界だから、登場人物もそんな狂った世界に順応し狂ったように映る。
45日に達した人たちは、取り敢えず走りまわる機会を与えられて、まだ45日に達していない人たちの狩りの獲物にされる。捕まえることが出来たら、独り身でいても良い日数が1人につき1日増えるというルール。(多分)
動物に変えられるのが嫌で自殺した人もいたが(正しくは自殺未遂。正直このシーン笑ってしまった。だって、自殺未遂シーンって意外とマレだと思うし、死ぬほど大声で叫んでてあまりにも可哀そう‥‥‥)、私はパートナー作るの無理そうだったら、動物になってのんびりするのもアリだなと思う。
そうなったら何になろうか。とか考えるのも、ちょっと楽しい。
そんな主人公(コリン・ファレル)が選んだのがロブスター。
100年生きれて、生涯生殖能力も消えないらしい。え、ちょっと良い。候補に入った。
45日以内にパートナー見つけたって、そこに愛があるかないかは不明で、施設の支配人カップルですら愛し合ってなかった。男は簡単に命乞いして女を殺そうとしてた。
そんなカップルが溢れて、幸せな国作れんのか。なんか寂しい国だよ。
施設から脱出した主人公(コリン・ファレル)は、レア・セドゥ様が率いる施設脱出集団に引き取られる。
そこで出会った女と恋に落ちる____。
その集団は、恋愛がダメ。
そんな環境だと恋に落ちちゃうよねえ。
キッスしたら、唇切られちゃうらしい。それ以上は……もっと恐ろしいらしい。
隠れて会ってダンスして愛を確かめ合う2人。
ああ。やっぱ好きな人と自由に触れ合える私たちの世界、幸せだよね。
積極的に人と触れ合っていこうと思った。
家族でも、友達でも、恋人でも。
周囲にバレちゃいけないから、2人で決めた合図を送り合うシーン。
あからさますぎるし、種類豊富すぎだし、見せ方おもろくてシュールで可愛い。
結局、ボスのレア・セドゥ様にバレて、女の方は騙されて失明させられるんだけど、ちゃんとレア・セドゥ様には復讐して、逃げ出した2人。
ラストのシーンの解釈、私としては、2人で犯した罪だから罰は2人で受けようね、それで平等だよね。っていう解釈したんだけど、どうなんだろう。
元々近視同士っていうのもあって、距離が縮まった2人。これからも同じ境遇で合った方が、これまでのような一体感が生まれるって意味もあったのかな。
ロブスターって目が見えないのかしら?と思って調べたけど、ノルウェーロブスターは光に敏感って記事があった。光を見る時はまさに失明するときだって。だから、これからは暗闇で生きていくって意味で失明オチなのかなあ。
とにかく、ランティモス監督の世界観はいつも不思議というか、不快感をちょっと抱きながらも、なんかキャラクターがみんな狂ってて笑っちゃうシュールなシーンも多い。そして、なんか変態だなと思う。
好きです。というと変態だねって思われそうだけど、なんか、み始めると最後まで半分しかめっ面、だけど半分にやにやしながらみている自分がいるのです。
結果、好きなんです。