2025年1月7日火曜日

私の七草がゆ

 今日は、1月7日

七草がゆの日だ

春の七草をいれた粥を食べて

おせち料理や、雑煮で疲れた胃腸をいたわり

正月から、日常生活に戻る日だ


私自身のことを言えば

昨日が初出勤だったので

すでに、日常生活は始まっているのだが


七草がゆの日は、毎年大切にしている

というよりも

七草がゆを作るのが、好きなのだと思う


正月終わりで、いきなりカレーや

ハンバーグ、というのも、

なんだか、武骨な気がする

ここはやはり、古式ゆかしい方法で

正月の最後を飾る方が

おごそかで、良い気がするのだ


それに、スーパーの野菜売り場で

「七草パック」が売っているのを見ると

なんとなく、手が出てしまう

ミニチュアのような、親指くらいの

かわいらしい大根や

パックを開けると、子供のころによく遊んだ

多摩川の土手の草の香りがする

……おそらく、春の七草のうちの

  「はこべ」の香りではないかと思う……

カブも、小さいくせに、いっちょ前に

ぷっくりと膨らんでいるのも、愛らしい

その中で、セリだけは

茎もどっしりとしていて

粥にたいた後までも

強い香りと、はっきりした味わいが残るのが

いかにも、自己主張が強くて、楽しい


この頃は、「七草サラダ」というパックまで売りだしていて

いかにも、購買欲をそそられる

仕事から帰ってくると

そうした七草関連商品が

20~30パーセントオフになっているのも

また、嬉しい


今年は、七草パックと

カット済みで、すぐに食べられる

ロメインサラダ

それに、サーモン寿司パックを買い込み

七草粥としゃれこんだ


とはいえ

私の好きなレシピなので

普通の七草粥とは、かなり違う


コメと水の分量は1対7

出勤前から、お値段以上のニトリで買い込んだ

おひとり様用土鍋で、漬けこんでおいたので

ほどよく水を吸っている

ただ、私のレシピでは

この水に、カツオ風味の本田氏を

どっさりと混ぜている

澄まし汁より、少し恋いくらいの味がついている


土鍋を火にかけ

七草のうちの、大根だけを輪切りにして

コメと一緒にコトコト煮込む

この間に、サラダと寿司の準備をする

ロメインサラダは、皿に移して

胡麻ドレッシングをかけるだけ

サーモン寿司は、さらに並べるだけだ


コメに火が通ったところで

豆腐を大きめの、さいの目に切り

一丁全部、粥に投入する

餅も、残っていたので

四分の一の大きさに割って、粥に投入する


七草がゆ、というよりも

七草の入った雑炊のようになっている

食べるときは、小皿にとり

少しだけ、七味唐辛子を振る


本来は、七草粥は塩だけの味付けで

七草以外は、何も入れないが

なぜ、このようなレシピにしているかというと

単純に

私が好きだから、である


粥なのに、なぜサーモン寿司まで食べるのか、というと

紅白で、いかにもこの年に

幸いを招きそうだから、ということもあるが

主な理由は、私がすきだから、である


サラダのドレッシングがゴマダレなのも

もう、ここまでくると、くどいような気もするが

私が好きだから、だ


自分が好きなものに囲まれて

新しい年の日常が始まる

なんとも、幸せではないか











なべいっぱいの七草がゆ(ほとんど雑炊)を

食べきれるのか、多すぎないか、と

聞かれそうだが

もちろん、多すぎる

七草がゆだけならまだしも

サーモン寿司まであるのだ

多すぎるのが、当たり前だろう


七草がゆは、今日は半分くらい食べて

残りは、明日の朝食にする

顔を洗っている間に、温めなおして

弁当用に炊いたご飯を少し加えて

お茶漬けのように、さらさらとすすって

おなかを内側からあたためたところで

寒い屋外に、通勤に出かけていく


今年一年、風邪などひかず

暖かく、健康にすごせますように、という

ささやかな、願掛けのような

毎年1月8日の朝にやっている、おまじないだ


今年の七草粥は、なんだか格別

上手にできたように思う

……実は、このセリフは毎年言っている

  自分でもわかっているのだか

  やはり、今年も言いたくなる……


幸先の良い、七草明けになりそうだ

今年も、幸せになれますように




豆腐が温まったくらいのところで

火をとめて、少し厚めにスライスしたカブと

ざく切りにした七草を上から

そっと置くように投入し

仕上げに、ごま油をかけまわす



2025年1月6日月曜日

シニアに恋は必要か?

 のんびりと連休を楽しんだ後で

いよいよ今日から仕事はじめ

昼休み終了前の

雑談タイムも、久しぶりで

泣くとなく、心ときめきがしてくる


という、雅な1日のはずだったのに

いきなり、聞かれたのが

「シニアに恋って必要だと思います?」


まさか、この「恋」だとは思わず

鯉よりもフナの方が美味い

特に、琵琶湖の鮒ずしは

ブルーチーズが好きな人なら

ドハマりすると思う、と間抜けな答えを

返してしまったのは

何も、私の責任ではなかろう


あんまりな質問を、あまりにもストレートに

されてしまったので

どういう趣旨か、と聞いてみたところ

なんと、この同僚の70歳を過ぎる御父上が

新年の目標に

「今年は、恋がしたい」と

のたもうたのだそうだ


この同僚の過程では、家庭のしきたりのようなもので

毎年、「今年やりたいこと」を

家族の間で、発表しあうのだそうだ


ちなみに、奥様はいらっしゃる

さすがに、奥様が席を立った時に

そっと言ったのだそうだ


いや、国家試験の受験ではあるまいし

恋などというものは

しようと思わなくても、自然にしてしまうもの

といとうよりも

いつのまにやら、恋に落ちているものではないか

人によっては、恋に狂ってしまうものかもしれないが

そもそもどうして、と聞いたところ


どうやら、今はやりの精神科医

和田先生の著書を読んだ影響らしい

和田先生は、老いてこそ、恋をすることで

男性ホルモンの分泌を盛んにして

若々しく、生き生きと暮らしていくべき、と

書いているのだが


実は、私は和田先生の著書には

「異議あり」と叫びたくなることが多い

総論賛成、各論反対なのだ

この、男性ホルモンの話もそうだ

確かに、男性ホルモンに限らず

ホルモンの分泌は大切だろう、

その点は、「総論賛成」だ

だが、だからと言って

後先考えずに、シニアに恋愛をすすめるなど

正直、噴飯もの、というか

へそが茶を沸かす、といとうか

あの、正気ですか、と聞きたくなる、というか


「国際ロマンス詐欺」という言葉をご存じですか、と

思わず、尋ねてみたくなるのだ

国際ロマンス詐欺師に、壮大なカモの群れを

提供することになりかねない話だと思う


それに、私の世代なら

加山雄三の父親、二枚目俳優でならした上原謙が

40近く年下の女性と結婚した挙句

俗にいう「ケツの毛までむしり取られる」ような

目にあったことも、覚えておいでだろうし

チリ人女性アニータに入れ込んだ挙句

犯罪までした公務員のことも

「紀州のドンファン」と若い妻の間の

大騒ぎも

知らない人は、いないだろう


安易に恋愛などすすめては

老後のための虎の子貯金やら

場合によっては、命まで危なくなるのが

シニア層ではないか


そもそも、結婚している男性が

いきなり、よその女にうつつを抜かし始めたら

奥方は、どう思うか

正直、「この男の介護はできない」

「新しい女に世話してもらいなさいよ」で

あっさり離婚、少なくとも別居して

奥方は、奥方なりの

「不快な相手から離れて

 自由を謳歌するシニアライフ」を

追及するのではないだろうか


というのも、私の息子の知人のご両親が

80を過ぎてから、離婚された、という話を聞いたからだ

その理由は

夫が遺産相続の、相続人として

なんとかいう、アイドルグループの女の子を

指名したからだ、という

奥方と子供たちには、自分の生命保険を

分け合ってくれればいい

残りは、自分が稼いだ金だから

最後くらい、自分が好きなように使う

一番大好きなアイドルの何とかチャンに挙げれば

そこそこの額だ、葬式くらいには来てくれるかもしれない

ひょっとしたら、そこで一曲

歌ってくれるかもしれない、といったところ

奥方は、怒るよりも

こんなバカの子供を産んで

こんなバカに50年以上、ご飯を作ってきたのかと思うと

情けなくてたまらない、といい

子供たちも全員、母親に味方して

スピード離婚が成立したのだそうだ


それにそもそも

男女を問わず、20歳が、70歳に惚れるだろうか

自分が20の時を考えれば

結論は明らかだろうと思うのだが

自分は違う、自分は人並外れて魅力的だから、と

思っているとしたら、もう、手の施しようがなかろう


シニアになれば

年輪ともいうべき、経験によって磨かれた

知恵や、人間性の深み、人格の魅力

そういったもので、尊敬されることを

目指す方が、少なくとも、

成功率の高い生き方だと思う

例えば

ハリー・ポッターの、ダンブルドア校長や

ラマンチャの男の、ドン・キホーテ

落語でいえば、大旦那様

バレエでいえば

くるみ割り人形の、王子ではなく

ドロッセルマイヤー

コッペリアなら、フランツではなく

コッペリウス


と話すと

だんだん、例がわかりにくくなってきたけれど

ダンブルドアはわかる、と言われた


なので、少し調子に乗って

それに、シニアともなってくれば

生身の女性以上に

絵の中の女性や、埴輪のような人形や

バレエや、小説の中の女性をめでる

ゆとり、のようなものが

あってもいいのではないかと思う、と言ったら

これを聞いていた、新入社員の若い男の子に

大賛成です

二次元っていいですよね

ひょっとして、コミケとかも

行ってたりします?と

聞かれた


いや、確かに私の世代でも

シャアのポスターをお嫁にもっていった

女子もいたし

地方から東京に出てきた男子は必ず

「僕の管理人さんを探すんだ」と言っていたものだが

私はその、西行法師と待賢門院とか

画家、ギュスターヴ・モローの描いた妖精に恋をした

詩人、アンドレ・ブルトンとか

そちらの話を考えていたのだが


ただ、若いころ

コミケに通い詰めたのも、事実だった李する

新年早々、なんだか複雑な気分ではある

ちなみに、下に貼ってあるのが

モローの描いた妖精

確かに、もし毎日美術館に通うことができ

一日中、ずっと絵を見て過ごす

自由な時間があれば

私も、恋に落ちたかもしれないほど

魅力的だと思うのだが

いかがだろうか







2025年1月5日日曜日

見る?見ない?今年の大河ドラマ・「べらぼう」第一回の感想

 今日から、今年の大河ドラマが始まる

舞台は江戸中期

将軍は10代め、田沼意次の時代

なので、戦乱はほとんどない代わりに

江戸文化が花開いた時代

江戸のメディア王、蔦屋重三郎の物語、というので

実は、かなり期待していた


というのも、昨年の大河ドラマ

「光る君へ」が、実に面白かったからだ

平安時代の話なので、戦乱は

1回だけ、ちょっとはあったものの

それ以外は、まったくなかった

主人公は紫式部と、そのソウルメイトである

藤原道長

……恋人というには、もっと深く強い絆で

  しかも、相手が死んでからも

  絆が続いていく、という関係だったので

  ソウルメイト、という

  スピリチュアルな表現の仕方をしなくては

  ほかに、言いようがなかったのだろう……


今回も、戦乱のない「文系大河」

しかも、「大奥」の脚本を書いた

森下佳子サン、となると

期待は、ますます高まった


で、ワクワクしながら、第一回の放送を見て

その感想だが


正直、よくわからない

余りに、突拍子がなさ過ぎて

名作になるのか、先走りすぎる駄作になるのか

まったく見当がつかないのだ


まず、大河名物の「立派な人」が

誰も出てこない

むしろ、出てくるのは、わいろ政治家や

女郎屋を経営する人でなしおやじ達

登場する女性は、ほぼ全員がお女郎サン

のちに「鬼平」となる

長谷川平蔵まで、まだ若く、最低レベルのろくでなしだ


主人公はどうかというと

栄養失調で死んでいく女郎たちを守ろうと

老中に掛け合ってみたり

女郎屋経営陣の集まりに乗り込んで

演説をしてみたりと、なかなかの好青年ではあるのだが

正直、吉原のため、女郎衆のため、と言われても

仕事が仕事、場所が場所だけに

手放しに、ほめる気にはなれない


つまり、感情移入できる人物が

一人もいないのだ

たいがい、大河ドラマの第一回というのは

子役が出てきて、親を殺されたり

……「光る君へ」だけではない

  かなり前の作品だが、「龍馬伝」も

  第一回で母親が死んでいる……

理不尽を嘆いて、志を立てたり、と

主人公の運命に共感し、時には涙し

これから一年、この人を応援していこう、と

思わせるものだが

「べらぼう」では、それがなかった


ただ、題材の面白さはバツグンだ

だんだんさびれて、人が来なくなってきた吉原に

人を呼び込む戦術を考え

実行していく、というのが

今後のストーリーの流れになるようだが

こうしたストーリーは

古くは、「がんばれベアーズ」「メジャーリーグ」

テレビでは「王様のレストラン」

ドキュメンタリーでは「愛の貧乏脱出大作戦」

それに、「プロジェクトx」も、この系統だろう

つまり、王道中の王道ストーリーで

爽快感のある、人気パターンなのだ

しかも、これが江戸時代のメディア王で

写楽も、平賀源内も、安藤広重も出てくる、となると

やはり、興味は惹かれる


とはいえ

吉原が、どうしても気になる

主人公がどこまで成功しても

なんとなく、一緒に喜び切れない

見ていて、すっきり爽快にはならない気もするのだ


だが

脚本は、くどいようだが森下佳子サンである

この先、必ずや

思いもよらないどんでん返しのストーリー展開を

仕込んでいるに違いないと思う


なので

今の私の結論は

このドラマは、今までとは完全に違う

いわば、「生ハムとメロン」の取り合わせや

「チーズと乾燥イチジク」の取り合わせのようなもので

一口食べただけで

美味いのか、まずいのかは、判断できない

少なくとも、二つか三つは食べてみて

舌に味がなじんだところで

判断したほうがいい、だ。


少なくとも、二月いっぱいまでは

見続けてみようと思う

判断は、二月末まで保留、ということだ


ちなみに

着物や、街並み、小道具、セットなど

美術関係は、時代考証も正確で

実に美しい仕上がりだったので

まさに眼福

花魁道中などの考証も正確で

衣装も美麗

画像を楽しむだけでも、見る価値は十分にある

という点だけは

声を大にして

申し上げておこうと思う

下に、花魁道中の画像を貼っておいた

ご納得いただける美麗さだと思う






2025年1月4日土曜日

明日はウクライナのバレエ

 今日は、テクテクと

徒歩30分のところにある、セブンイレブンまで

出かけてきた

往復で一時間

ウォーキングにしても、少し遠い距離ではある

それを、わざわざ行ってきたのは

なんとしても、セブンイレブンまで行く用事があった

具体的には、予約していたチケットの発券が

セブンイレブンでしかできなかったからだ


予約していたチケットは

ウクライナ国立バレエ団の「ジゼル」

公演は、明日の昼過ぎだ

なんとしても、今日行かなくてはいけなかった


ウクライナの公演、と聞くと

音楽でも、バレエでも、

なんとしても、見に行かなくては、という気になる

これは、一つにはささやかな支援を

したいこともあるのだが

それよりも、ウクライナのバレエのレベルが

頭一つ飛びぬけていて

ズシンと心に響いてくるから、というのも

非常に大きい


……バレエは、ロシアのボリショイバレエが

  世界一だ、などと、さえずるような

  半可通もいないではないが

  ボリショイに限らず、ロシアのバレエは

  元気いっぱいに飛び回る代わりに

  音のとり方があまく

  露骨に言えば、音とはずれた技術ショーを

  やっているように、私には見える

  私に言わせれば、あれならフィギュアスケートや

  新体操で充分だと思う

  おまけに、この頃では、そのご自慢の技術も

  日本のKバレエカンパニーの方が

  どう見ても、上に違いない……


ウクライナ国立バレエ団の芸術監督は

京都出身の日本人、ということもあり

日本での公演には、積極的だ

日本からの義援金も、多く寄せられ

その資金を使って、フランスバレエの名作

「ジゼル」に新演出をつけたのが

今回の演目だ


この作品は、身分違いの恋と

その結果、貴族の男に騙されるような形になった

村娘ジゼルが、嘆きの余り死んでしまう

その後、ウイリーという一種の

化け物グループのルーキーとして転生し

夜、一人でいる男を祟り殺すようになるが

たまたま、ジゼルの死を悼んで

墓参りをしていた、貴族の恋人が

祟り殺されそうになると

裏切ったはずの男を、化け物仲間から守り切り

朝の鐘とともに、永遠の別れを告げる、という

いいのか悪いのか、よくわからないストーリーなのだが


今回は、このストーリーの特にラストを変えている、という

細かい伏線もあり、

人間の魂は、死にすら打ち勝つ、というのが

テーマになっている、とのこと

期待度マックスでチケットを予約した


おまけに、今回ジゼルを踊るのが

アリョーナ・コジョカルだというので

私は、飛び上がって喜んでいた


この、コジョカルとウクライナ国立バレエ団は

かなりの確執があった

コジョカルは、昔

このバレエ団のプリマ、

つまり、どんな演目をやろうと

必ず主役になるという地位にいたのだが

「このバレエ団は

 伝統重視といえば、聞こえはいいけれど

 毎回毎回、同じことばかりで進歩がない」と

タンカを切って、バレエ団を飛び出した

飛び出したはいいが、再就職するバレエ団は決まっておらず

イギリスにあるバレエ団に

なんと、コールドで入団した

……コールドというのは、「その他大勢」のことである

  白鳥の湖でいえば、白鳥ズや、

  宮廷の舞踏会の場面で、バックで踊る

  名もない貴婦人役、などである……

もちろん、ウクライナ国立バレエのプリマの実力なので

すぐに、イギリスのバレエ団でもプリマに昇格したが……


数10年ぶりの、コジョカルとウクライナ国立バレエの

共演である

おまけに、コジョカルの踊る、というよりも

演じる「ジゼル」は

知的で、奥ゆかしくて、清潔で、可憐で

「守ってあげたい」けなげ系女子の典型で

なんとも、眼福なのだ


新年早々、縁起がいい、と思っていたら

公演を主催している、香蘭社から

メールが来ていた


コジョカルが、けがで出演することができません

そう、書かれていた

ついでに

これによるチケットの払い戻しは致しません、と

無情な言葉が続いていた


コジョカル以上のジゼルはいない

チケット代は払ってしまったから

見にはいくか、と、しょんぼりしながら

念のため、代役は?と

あまり興味なく、メールの続きを読んだところ

「代役は菅井円加(ハンブルグバレエ・プリンシパル)


飛び上がった

菅井円加サンといえば、日本を代表する

というよりは、今では世界を代表するバレリーナだ

数年前、ローザンヌ国際コンクールで

優勝されたのを、覚えている方も多いと思う

回転やジャンプは、男性顔負けのレベル

それでいて、踊りというよりも、演じている

という感じで

見ていて、セリフが聞こえてきそうなほど

表現力があり、情感が豊かだ


情念を躍らせたら、右に出るものはない

ハンブルグ・バレエ団で

トップバレリーナとして君臨している日本人女性だ

コジョカルは大好きなバレリーナだが

菅井円加サンは、日本公演のチケットを

取ろうとしても、かなり難しいバレリーナだ

良く、1日限りの代役に立ってくれたものだと思う


この偶然を大切に

心を込めて、一心に

舞台を鑑賞させていただこうと思う


随分と誉め言葉を並べたが

論より証拠

菅井円加サンの踊りがどれほど素晴らしいか

You Tube の動画を貼っておくので

興味のある方は、ぜひご覧いただきたい

特に

6分8秒あたりからのジャンプと回転

6分41秒あたりからの回転が

表現する言葉が見当たらないほど、素晴らしい

強いて言うとすれば「眼福」しかないだろう




2025年1月3日金曜日

新年の初買いはドンキホーテのハンドクリーム

 今日は1月3日

私の近所では、スーパーと花屋以外は

一度に、全部、初荷が始まる

実に、華やかな日だ

一日と二日だけは、書店とコンビニしか

開いていないので

駅前の目抜き通りにも

ほとんど人が歩いていないという

絶好の散歩ルートになっていたが

今日は、家族連れや、中高生らしい一団が

一度に繰り出してきたようだった


せっかくなので

何か、今年のご祝儀を兼ねて

無くても困るというわけではないが

あれば楽しい「賑やかし」になりそうな品を

一つ二つ、買ってみようかと思った


インフルエンザとコロナが怖いので

丁寧にマスクをしてはいるが

やはり、あまりに人がたくさんいる場所は避けたい

電車に乗って、渋谷、新宿、というのは

避けた方がいいだろう

やはりここは、あまり調子に乗らず

片道、小一時間をかけて

散歩とウォーキングを兼ねた速足で

電車で二駅分先にある

激安の殿堂、ドンキホーテの

初売りに出かけることにした


まず、福袋から見て回る

だが、正直、少々期待外れだった

食品類は、売り切れてしまっているものが多く

売れていないものは

家電や食器が中心で

あまり、ほしいものがなかったからだ


この年になってくると

家電類や食器類には

かなり注文がうるさくなってくる

家電は、一人暮らしなので、小さくて

その分、軽いものが欲しい

テレビや、レンジ類は、まだ買い替える予定がないので

福袋です、安いです、と言われても、

やはり、ピンとこない

食器は、今あるものだけで充分だ


だが、せっかく電車で二駅分も歩いてきたのだ

何か、自分用のお土産になりそうな

気の利いたものはないかな、と思っていて

ふと、思い当たった


年末のお節づくりで

ゴボウだ、レンコンだ、薩摩芋だと、

せっせと根菜類の皮をむき、水にさらして

野菜のあくと、徹底的にお付き合いしたせいか

かなり、手がガサガサになっている

四日を過ぎて、毎日の皿洗い、なべ磨きなどを始めたら

ヒビか、あかぎれができそうだ

そうだ

今日は、ハンドクリームを買って帰ろう

普段は、薬局でニベアの薬用を愛用しているが

この際だから、めったに買わないような

高級ハンドクリームにしてみよう、と思った


実は、これにもささやかなわけがある

「羊たちの沈黙」で有名なレクター博士というキャラクターがいる

この方は、もともとは東欧の貴族のご子息だったのだが

母国に戦乱が起き、国中が飢餓に苦しむようになる

両親を失い、妹と逃げている間に

妹が「悪い奴」につかまり

おそらくは、食べられてしまった、という事件が起き

それがきっかけで、レクター博士自身も

人を殺して食べる、という

なかなかの性癖を持つにいたるのだが

……ちなみに、このあたりの情報は

  「羊たちの沈黙」ではなく

   その続編「ハンニバル」の原作で書かれている

   原作には出ているものの

   映画化されたときには、完全カットになっているエピソードなので

   知っていると、ちょっと自慢できるかもしれない……


その、レクター博士が

名前を隠して、イタリアに住んでいるときに

アロマショップで、ハンドクリームを買うシーンが出てくる

レクター博士の趣味の良さと、博識さに

店員たちが全員、一目置いて

尊敬のまなざしを注いでいる、という

印象的なシーンだったので

ちょっとばかり、マネをしたくなったのだ


だが、ハンドクリームの売り場が

なかなか見つからない

店員さんを探して、聞いてみると

なんと、ハンドクリーム売り場はないのだそうだ

その代わりに

「化粧品と一緒においてあります

 ただ、化粧品がブランドごとになってるんで

 ハンドクリームも、各ブランドを見て

 いただくことになるんですが」


化粧品、である

口紅やら、アイシャドーやらの間を

うろうろと、ハンドクリームを探し回る

……考えただけでも、あまりに恥ずかしかった……


それでも、とにかく一つくらいは見つけようと思い

……今、家に帰ってから考えると

  そんなに恥ずかしかったのなら

  そもそも、ハンドクリームを買うのをあきらめて

  いつもの薬局で買うことにすればよかったあきらめて

  レクター博士がドン・キホーテで

  品物をあさるはずなどないのだし、と思うのだが

  その時は、とにかく、あまり化粧品売り場の奥深くにはいらず

  買えるハンドクリームを探すことしか

  思いつかなかった……


探したかいがあって

いいものを見つけられた

ちょうど、化粧品コーナーにはいる

ギリギリの角のところに

チューブ式のハンドクリームが、並べておいてあった

ヤギのミルクで、できているのだそうだ

そうそう、こういうのが欲しかった

少し珍しく、使うときに心ときめきがしそうなもの、と

手を伸ばしかけて、気が付いた


一番たくさん置いてあるのは

水色のチューブの、シンプルなゴートミルクのもの

その隣に、いくつか

実に愛らしい、ピンク色のチューブがあり

「甘いイチゴの香り」のラベルが張ってある

その隣には、最後の一本

淡い茶色で

「甘いチョコレートミルクの香り」と

ラベルが張ってある


迷った

実は、私は酒が飲めない分、極端な甘党で

特に、一番の好物はチョコレートだ

それに、カカオは肌にも良い、と

昔、ふしぎ発見か何かの番組で、聞いた覚えもある

ミルクチョコレートの香り、が、ほしいのだが


そもそも、この「ゴートミルク」のハンドクリームには

実に、愛らしい、というか

愛らしすぎて、初手からシニア層など

相手にしていませんよ、と言いたげな

チャーミングなヤギさんの絵がかいてある

それだけでも、相当に気恥ずかしいのに

堂々と、「甘いミルクチョコレートの香り」と書かれていては

恥ずかしさが大渋滞、というか

どこにも逃げ場がなくなってしまうくらい、気恥ずかしい


だが

しばらく迷った末に

どうせ、皆、忙しい日々を送っている

私のことなど、気にするようなヒマ人はいないはずだ

それに、買ってしまえばこっちのもの

誰にも見せるわけでもなし、

袋に入れて、家までもって帰るだけだ

そのうえ、最後のいっぽんではないか、と

自分を鼓舞して、手に取った

……そんな悲壮な覚悟をするようなことではなかろうに、と

  思ったのは、家に帰りついてからだった……


一番忙しそうなレジを選んで並んだ

レジ係の店員さんのぶっきらぼうさが

こんなにありがたかった日はなかった


皿洗いと、台所のふき掃除は済ませたが

ハンドクリームは、まだ使っていない

もしべたついて、パソコンのキーボードに

ついてしまったいやだから、ということもあるが

せっかく、大汗かいて買ってきた「お宝」なので

ふろ上がりに、ゆっくり、丁寧に使いたい、というのもある


とんだ独り相撲ではあったが

なかなか、楽しかった

それに

今夜は、ミルクチョコレートの香りに包まれて

ぐっすり眠れそうだ





2025年1月2日木曜日

孤独のグルメと人柱

 大みそかから今日まで

ほぼ毎日、多少なりとも見続けてしまっている

ドラマがある

テレビ東京の「孤独のグルメ」だ


最初、会社の同僚にすすめられて見たとき

感想は一言で言って

「なんじゃ、これは?」だった

うまく、まとめられないのだ


ストーリーは、ほとんど無いようなものだ

主人公「井の頭五郎」は初老の男性

この主人公が、一人で店に入り

頭の中で、あれこれコメントをつけながら

一人、食事を楽しむ

それだけの話だ


冒頭に、ほんの少し、仕事のシーンが入る

この部分は、完全にドラマで

相手も、役者サンが演じる

その後、主人公が食事をしに行く店は

実際にあるもので、メニューも実在している

感想も、台本があるにはあるが

その場で、実際に食べてみて感じたことを

付け加えることも多いのだそうだ

「井の頭五郎」役の松重豊サンは

食べてすぐに、近くに止めてあるロケバスに乗りこみ

そこで、まだ忘れないうちに

感想のセリフをあてるのだそうだ


ドラマは、シーズン10くらいになっているらしい

年末、大みそかには必ず特番も作られる

今回は、能登編だったが

わざとらしい演出は、まったく使わず

まだ、崩れたままの建物の姿を見て

主人公、井の頭五郎が、思わず絶句する

そこまでに、とどめておき

それ以上の爪痕は、店主たちの語る言葉から

じんわりと、感じとれるように

実に、抑制のきいた作りになっていた


とても、よかったと思う


最初、松重サン自身が

「おじさんがただ食べてるだけのドラマなんて

 誰が見るんだ?」と

言っていたそうだが

今では、押しも押されもせぬ

テレビ東京の看板番組になっている


しかも、今月には映画も公開されるとのこと

映画を盛り上げるために

過去の作品も、再放送されている

それが、この年末年始の

怒涛の「孤独のグルメ」再放送ラッシュだ


内容が内容なので

かなり古いものでも、何の違和感もなく

楽しく見られる

むしろ、五郎の選んだメニューと

感想と

何よりも、美味しそうにドンドン食べる

その食べっぷりの良さが

とても気持ちがよい


松重サンが五郎役に抜擢された理由が

「いつも、ロケ弁を美味しそうに食べているから」

だというのも、

なるほどなぁ、と思わず納得してしまう


それにしても、ご本人も

まさか、ロケ弁を食べる姿で

ご自身の代表作になるような役が来るとは

思わなかったのではなかろうか

全く、世の中というのは

何がどう転ぶかわからないから

この、突拍子の中差が、本当に面白い


「孤独のグルメ」は

この独特の緩さ、ぬるさが好きで

見るともなしに、なんとなく見てしまっている

多分、これも

「好き」の一種なのだろうと思う


今年の年末のXのトレンドワードにも

「孤独のグルメ」が入っていた

その中に、実に愉快な投稿があった

「毎回、ドラマの最後に流れる

 ほぼ、ほぼ、人柱」という歌の意味が分かりません

 誰か、解説してください」というのだ


どういうことか、お分かりだろうか?


私は、10秒ほど、何が書いてあるのかわからず

わかった瞬間に、盛大に爆笑した

ドラマの最後には、ドラマのテーマソングがかかる

このテーマソングの歌詞は

主人公の名前

「五郎 五郎 井の頭(いのかしら)」

これの、繰り返しである

……ドラマもぬるいが

  テーマ曲の歌詞もまた、負けず劣らず、ぬるい

  というところだろうか……


この歌詞を、ききまちがえたのだ

よりによって

「ほぼ 人柱」に


だか、確かに

五郎、と、ほぼ、はよく似ているし

人柱、と「いのかしら」も似ている

私は、聞き間違えはしなかったが

確かに、そう聞けば、聞こえてくる、というよりも

この投稿を読んでからは

「ほぼ 人柱」としか、聞こえなくなってきて

新年早々、どうすればよいのか

明るい悩みに、取りつかれている


それにしても

完全に人柱ならわかるのだが

「ほぼ 人柱」というのはどういう状況なのだろう

それこそ

誰か、解説してください、と言いたくなってくる




2025年1月1日水曜日

正月用菓子・コレクション

 お読みいただいている皆様

謹賀新年

本年もよろしくお願いいたします


初日の出を見ようと思っていたはずなのに

目が覚めたのは、すでに八時過ぎ

しかも、愛猫の「ご飯くれ」のニャニャニャという

叫び声でたたき起こされるという

あまりうれしくない、初目覚めとなったが


ともあれ、角餅に澄まし汁

だしは、鶏肉では少し淡泊なので

豚コマを使って

小松菜と、かまぼこ

それに、少しばかりユズの皮を入れて

得意料理の雑煮を作り

昨日、重箱に詰めたばかりの、おせちを

少しずつ、全種類いただくと

かなり、ずっしりと腹にたまってくる


そのためか

12時になっても、あまり空腹にもならず

何か、軽く済ませようと思って、思いついた

まずは、果物、ミカンと、リンゴを四分の一

丁寧に入れた緑茶

そして、三が日用に買い込んだ、和菓子を一つ

そして、夕食を早めにすればいい


買い込んだ和菓子は、合計四個

左から、豆大福、今年の干支菓子(蛇である)

節分草(花)、そして、一番手前にある

大ぶりの、半円型の餅菓子が、「花びら餅」である







さて、どれからいくか

やはり、花びら餅だろう


子の花びら餅は、ぜひとも食べたかった

というのも

実は、昨年NHKでやっていた

ドラマ「大奥」で印象的に取り上げられており

その時に、強く印象に残っていたからだ


昨年は、大家ドラマが実に不作、というよりも

信じがたいほどに、下らない駄作で

三回も持たずに、見るのをやめてしまった

特に、美術・演出・時代考証は

集団でストでもしているとしか

思えない無茶苦茶ぶりだった

……これは、一つには主演があまりに

  大根だったこともあったそうだ

  なんと、時代劇の

  立つ、座る、という所作ができなかったため

  主演に合わせて、脇役も全員

  主君の周りを、家臣が棒立ちになつたまま

  ぺらぺらとしゃべり続ける、という

  絶対にありえない演技をせざるを得なくなったのだそうだ……


まるで、無残な大河ドラマの代わりのように

突如、登場したのが「大奥」だった

これは、同名のコミックの実写化で

簡単に内容をまとめると

男子のみがかかる奇病のせいで

男性の人口が極端に減ってしまい

女性が将軍・老中など

政治の中心につき

男性は、大奥に入り

将軍の子孫を残すことを

主な仕事にするようになった、という

男女逆転物のストーリーだ

これを、三代将軍家光から始まって

大政奉還、江戸城明け渡し

文明開化の世の、津田梅子の登場まで

続いていく、という

実に、壮大なドラマだった

一部では、「大奥が本物の大河」

とまで、言われていた作品だ


これが、見事だった

大奥の男たちが着飾って居並び

将軍が相手を指名する

「お鈴廊下」の美術の見事さ

脚本は、原作を読みこんだうえで

原作以上のアレンジを加えてくる

おまけに

「名演技の殴り合い」としか言いようのないほど

役者サンたちが、素晴らしかった


男女逆転しているので

もちろん、ジェンダーの問題もある

なかなか子供のできない

五代将軍・綱吉に対するプレッシャーと

その苦悩は、実にリアルで

雅子皇后の若い時に

宮内庁や、一部の自称「愛国者」が

かけ続けた、プレッシャーとハラスメントを

強く思い起こさせたほどだった


……この「大奥」が

  今日と明日、一挙放送される

  再放送だが、まだご覧になっていない方には

  ぜひとも、おすすめしたい

  名場面はたくさんあるが

  一つ選べと言われれば、私は平賀源内の

  発病から死に至るまでと

  その死を嘆く、同僚の慟哭のシーンをあげる

  ただ、時間帯が遅い

  始まるのが、午前二時くらいからだ

  二時に終わるのなら、リアルタイムで

  見たかもしれないが

  二時にスタート、朝の五時終了では

  ビデオで見るしか、仕方がないだろう……


その中で、花びら餅が出てくるのは

第14代将軍、徳川家茂と

京都から嫁いできた、和宮のエピソードだ

家茂は女性なので

公武合体のために嫁いでくる、和宮は

男性でなければならないはずだが

実際に嫁いできた和宮は、女性だった

それは、和宮に付き添ってきた母親が

和宮(男性)を溺愛するあまり

徳川に嫁ぐのは嫌だ、とグズる和宮(男性)を

秘密のうちに、出家させ

その姉を極秘のうちに、男装させ、和宮だと名乗らせて

送り込んできたためだった

この「和宮の替え玉」は

障害を持って生まれてきたため、親に愛されず

かなり屈折した性格になっていた

……和宮に障害があったというのは、史実だ

  替え玉説も、かなり昔からささやかれている

  その証拠として

  最初、和宮は「おすそが悪い」

  つまり、足がうまく動かない、言われていたのに

  実際に江戸についた和宮は、手に障害があった

  そして、和宮の嫁入り行列を描いた、当時の絵では

  嫁入り行列が、「狐の嫁入り」の姿で描かれているからだ……


この「大奥」の優れたところは

歴代の将軍が

性別こそは違うものの

性格は、史実に基づいて、正確に描かれていることだ

家光は、エキセントリックで不安定

吉宗は、豪快だが無神経で粗野

そして、家茂は、まるで、ゆで卵のような

つるんとしていて、どこにもひっかかりのない

申し分のない善人だ


将軍家を下に見て、心を開かない和宮一行に

家茂は、食べることが好きだろう、と見当をつけ

そこを突破口にしようとする

家茂が、カステラを持ってくると

……この辺、少し記憶があやふやだ

  間違っていたら、申し訳ない……

和宮は、ツンデレぶりを発揮して

こんな黄色、気色が悪い

都では、菓子といえば、花びら餅、と話す

 (だが、もらったカステラは食べる

  念のため)

花びら餅を知らない家茂に

ごんぼ(ゴボウのことである、念のため)を甘く炊いて

ぎゅうひで包んで、と説明しかけると

家茂が、ごんぼを甘く炊いて?と

目を輝かせる

漫画なら「じゅるり」と擬音が付きそうな勢いに

和宮が

「あんた、甘いもんは好きか」ときき

家茂が

「はい、とても」と答える


これが、二人の間の

友情、というには、あまりに親密な

「シスターフッド」とでもいうべき、絆の始まりだった


それ以来、「花びら餅」には

強い、あこがれを抱いている

もともと、宮中で食べていた菓子が

京都の「下々のもの」にも広まり

宮中に倣って、食べるようになったものなのだそうだ

ゴボウは、若鮎にみたてた縁起物

薄く伸ばした、円形の餅に

柏餅の味噌あんに使うような

同じく、円形に伸ばした、ピンク色の牛肥をのせ

さらに、その上に

柏餅の味噌案に使うような

甘い、白あんを乗せ

最後に、中央にゴボウを乗せて

ゴボウのところで、半分に折りたたむ


素朴なようでいて、シンプルな分だけ

ごまかしがきかない菓子だと思う

私の近所の和菓子屋にはおいておらず

電車で15分のショッピングモールに

入っている和菓子屋まで、年末に買いに行ってきた


今日はこれから

飛び切り、美味しい緑茶を入れて

花びら餅と

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを聴きながら

新年を祝おうと

とても楽しみにしている


ニューイヤーコンサートの

ワルツやポルカを聞いて

学友協会ホールの、金色の装飾と

ふんだんに飾られた花飾りを眺め

「ラデツキー行進曲」に手拍子を打たなくては

年が明けない

今年からは

これに「花びら餅を食べないと」という条件が

一つ、加わりそうな気がする


くどいようだが

今晩と、明日の晩の「大奥」

おすすめだ

まだ見ていない方は

騙されたと思って

どの話でもよいので、一話だけでも

ご覧になることをお勧めしたい

後悔は、しないと思う



  翻译: